night
day

ホーム補論方言講座 → 文法・文末表現

大阪弁講座︰

文法・文末表現


文法・文末表現

文法・文末表現



ア行

~ぃたい (~ぇたい) → ~たい

備考

動詞の活用表において語幹のない動詞の場合、連用形での語幹の母音を伸ばして発音される事が多い。ただし、終止形と連体形に限り、他の活用にはあてはまらない。

(例)「しぃたい(=したい)」【終止形】、「したなる(=したくなる)」【連用形】、「したかった(=したかった)」【連用形】…ただ、伸ばさない形(=共通語形)でも、特に問題なく使用可能。


いっこも~ → 全く、ひとつも

備考

必ず否定表現で結びます。


~いな (~ぁな、~ぃな、~ぅな、~ぇな、~ぉな) → ~なんだ、~なの ほか

備考

大阪弁の強調表現として頻繁に用いられるもので、疑問のニュアンスを含んでいます。

「い」の部分は前の音に引っ張られて母音がしょっちゅう変化します。


カ行

~かて → (1) ~ても、~たって (2) ~だって

備考

共通語「~ても」も併用しています。


~かったかて → (→~かっても)


~かって → ~くて

備考

形容詞の連用形はウ音便が主流ですが、この「かって」を用いる活用の使用頻度も決して少なくはありません。


~かっても → ~くても


~かってん → ~かったんだ


~がな → (1) ~じゃないか (2) ~ってば

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。

(1)「~やん」より比較的高年齢層で使われます。また、「~やん」に比べ、嘆きの度合いが強いように思われます。

(2)若年層では「~って」が使われます。


~けど → ~けれども、~が

備考

逆接を表す時に用います。


~ことない → ~くない

備考

形容詞の終止形に接続させて否定形を作りますが、使える範囲は限定的です。

範囲の指定は…考え中です。


サ行

~さかい → ~から、~ので

備考

理由を表す時に用います。 使用層:高齢者 (80代以上)


~さす → ~させる

備考

使役の助動詞です。


~し → ~し


~しい → ~する人


~しな → (1) ~をしている途中 (2) ~をしようとした時


~す → ~せる

備考

使役の助動詞です。


タ行

~たある → ~てある


~たって → (1) ~てやって、~てあげて (2) ~て (謙譲表現)

備考

(2)第三者に向かって話すような言い方にすることで、謙譲語となります。


~たら → ~たら、~れば

備考

「~たら」「~れば」「~と」等仮定のほとんどが、「~たら」で行なわれます。

例外は、接続詞に準じた使い方の「そう言えば」「例えば」など数例に限られます。


~たる → (1) ~てあげる、~てやる (2) ~して (謙譲)

備考

(1)「~てあげる」「~てやる」の両方の意味を含有しています。

そのため、「~たる」と言っても、決して「~てやる」と言ったような上からものを見た言い方とは限りません。

(2)自らを三人称扱いして、その三人称に対して依頼するような形で自分を遜らせる表現方法。


~ちゃう → ~じゃない


~ちゅう → ~という


~って → ~ってば

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。

元来大阪弁では「~がな」で表現されますが、年齢が低くなるにしたがって「~って」の使用が優勢です。


~で → ~よ、~ぞ

備考

客観的事実、広く認知されている事、相手が了承・理解していると思われる事について述べる時に使います。

また、相手へ注意を促す際など、情報を相手に確実に伝えたい時にも使います。

参照:「~な」、「~わ」


~ていらん → ~てくれなくて良い、~てもらうことを望まない

備考

…正直申しまして、普段あまり使わない表現なので、ニュアンスも使い方もちょっと曖昧でして(汗。

私は主に「~てくれんでええ」や「~てもらわんでええ」を使います。


~てしもた → ~てしまった


~ててん → ~ていたんだ


~てた → ~ていた


~でな → ~よね


~てへん → ~ていない


~てへんかった → ~ていなかった


~ても → ~ても


~てもうた → (→~てしもた)


~てる → ~ている


~てん → ~たんだ、~たの

備考

終助詞「ねん」の過去形版。

過去形の場合は「~したねん」とならず、「~してん」となります。

要注意です。


~てんか → ~ておくれ、~てくれよ、~てちょうだいよ


~てんと → (1) ~ていないで (2) ~ていないと


~とき → (1) ~ておきなさい (2) ~ていなさい


~とく → ~ておく


~とくんなはれ → ~て下さい

備考

敬語ですが、若年層では使われなくなってしまいました。


~とちゃう → (→~ちゃう)


~とった → ~ていた


~とる → ~ている

備考

大阪弁だと思われがちですが、「~とる」の使用は大阪弁において荒っぽい表現になりますので使用はなるべく避けられたいです。

過去形の「~とった」はこれにあたりませんが、敬語表現との併用はあまり聞かれないように思われます。


ナ行

~な 【その1】 → (1) ~ね (文中・文末) (2) ~よ、~だよ (3) ~なければ、~ないと

備考

(1) この「な」は大抵「なぁ」と伸ばして使います。

(2) 強調や呆れを表現します。

(3) 動詞の仮定表現です。動詞の未然形に接続させます。


~な 【その2】 → ~な

備考

「~なぁ」に比べて「~な」は強い命令を表します。

動詞の連用形に接続します。


~なぁ → ~なさいね

備考

「~なぁ」は、「~な」に比べて柔らかい命令となります。

動詞の連用形に接続します。

語幹が一文字の動詞の場合は長音化させます。


~なあかん → ~なければならない

備考

動詞に接続する場合に用いる型です。

動詞の未然形に接続させます。


~ないとあかん → ~なければならない

備考

形容詞に接続する場合に用いる型です。

形容詞の語幹に接続させますが、二拍形容詞の場合は語幹を長音化して接続させます。


~なさんな → ~てはいけませんよ、~なさるな

備考

丁寧な表現ですが、目上の相手には使えません。


~なはれ → ~なさいよ

備考

丁寧な命令の表現ですが、目上の相手には使えません。


~なや → ~なよ

備考

禁止の命令を表します。

動詞の連用形に接続させます。


~なん → ~なの

備考

疑問や感嘆を表す時に用います。


~ねやろ → (→~ねんやろ)


~ねん → ~んだ、~んだよ、~の (文末)

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます


~ねんて → ~んだって

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。


~ねんな → (1) ~んだよね、~のよね (2) ~んだよ、~のよ

備考

「~ねんな」は、すでに紹介しております「~ぃな」が、「~ねん」と接続する際に、

「ねん」+「ぃな」→「ねんぃな」→「ねんな」 と変化したものかと思われます。

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。

(2)訴えのニュアンスが濃厚な際に使います。


~ねんもん → ~んだもの


~ねんや → ~んだ

備考

独白。

新情報を知った時や独り言の時に使います。


~ねんやろ → ~んだろ、~んでしょう

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。


~ねんわ → ~んだよ、~のよ

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。


~の → (→~のん、→~ん)


~のん → (1) ~の (2) ~のもの、~もの (3) ~の、~事

備考

(1)丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。

(1)-(3)「~ん」とも言います。

(→~ん)


ハ行

~はる → ~らっしゃる

備考

敬語の助動詞。

「~やる」に比べ、敬意が高いです。


~ひん → ~ない

備考

上一段動詞、カ行変格活用動詞、サ行変格活用動詞の通常の否定表現の時に使用します。


~へん → ~ない

備考

五段活用動詞、下一段動詞、カ行変格活用動詞、サ行変格活用動詞の通常の否定表現の時に使用します。


~へんかって (~ひんかって) → ~なくて

備考

「~へんかって」は五段活用動詞、下一段動詞、カ行変格活用動詞、サ行変格活用動詞に、

「~ひんかって」は上一段動詞、カ行変格活用動詞、サ行変格活用動詞に接続します。


~へんかっても (~ひんかっても) → ~なくても


~へんく (~ひんく) → (→~んく)

備考

若者言葉


~へんだ → ~なかった

備考

動詞の否定表現の過去形です。

使用層:壮年以上


~へんでん → ~なかったんだよ

備考

使用層:壮年以上


~へんようになる (~へんようなる・~ひんようになる・~ひんようなる) → (→~んようになる (~んようなる))


マ行

~まう → ~しまう

備考

共通語と同型の「~しまう」も使います。

どちらを使うかは個々人レベルの問題のようです。


~もって → ~ながら

備考

共通語と同型の「~ながら」も使います。

ただ「~もって」を使う事によって、共通語と大阪弁の差は出しやすくなります。


~もん → ~もの、~もん


ヤ行

~や 【その1】 → (1) ~だ (2) ~だよ (3) ~じゃ、~では

備考

(2) 純然たる事実などを述べるときに使用。

(3) 東京弁等で「じゃ」となる「では」

((例)︰「あいつじゃ敵わない」の「じゃ」)は、大阪弁では共通語と同じく「では」のままです。


~や 【その2】 → (1) ~よ (強い強調) (2) ~なさいよ (命令)

備考

「食べなさいよ」は「食べぇや」。

「食べろや」というのは、東京方言での言い方であり、命令の度合いも大阪弁のそれに比べ、より強いものです。

(2)直前の動詞の活用語尾を長音化する「~や」は、「~や(ぁ)」に比べて強い命令となります。


~やぁ → ~なさいね

備考

直前の動詞の活用語尾を長音化しない※「~や(ぁ)」は、「~や」に比べて柔らかい命令となります。

動詞の連用形に接続します。

※語幹が一文字の動詞の場合は長音化させます。


~やす → ~なさいませ


~やったら → ~だったら、~なら

備考

「~なら」は大阪弁ではまず使われません。


~やって → ~で、~であったため

備考

過去の出来事を説明するときに用います。


~やないの → ~じゃないの

備考

注意するときに諭すように使用。

「~ちゃう」や「~ことない」との使い分けに注意。

(例)


~やなしに → ~ではなくて

備考

「~やのうて」とも言う。

また、最近では共通語化・東京弁化の波で、若年層では「~やなくて」が主流。

「~やなぁて」や「~やなて」とはならない。


~やねん → ~なんだ、~なんだよ、~なの

備考

但し、独り言等、伝える相手がいない場合は、「~やねん」ではなく、「~やねんや」(もしくは「~なんや」)を用います。


~やの → ~なの

備考

疑問や感嘆を表す時に用います。

「~なん」よりも語勢の強い表現です。


~やのうて → (→~やなしに)


~やのに → ~なのに

備考


~やる → ~れる、~られる

備考

敬語の助動詞です。


~やろ → ~だろう、~でしょう

備考

「~だろう」「~でしょ」両方の意味を含有しています。

そのため、「~やろ」と言っても、決して「~だろ」のようなぞんざいな言い方でもなく、また相手に対して親近感を覚えているとも限りません。

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。


~やろか → ~だろうか、~かしら


~やろが → ~だろが、~だろうが、~でしょうが


~やろな → ~だろうね、~でしょうね、~だろうな


~やん → (1) ~じゃないの、~じゃないか (2) ~よ、~ね (文中)

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。

(2)相手の知らない話をする際の文節の繋ぎとして、文中で使われます。


~やんか → (1) ~じゃないか (2) ~よ、~ね (文中)

備考

(2)相手の知らない話をする際の文節の繋ぎとして、文中で使われます。

この「やんか」は、大抵「やんかぁ」と伸ばして使います。


~やんな → ~よね、~だよね

備考

丁寧語「です」「ます」のあとに接続出来ます。


~ゆう → ~という

備考

広島弁として有名な「と抜け」(「xxという」の「と」が抜けて、「xxいう」といった表現方法)が、大阪弁でもよく起こります。


よう~ん → (1) (能力・力量の問題で) 出来ない (2) (気持ちの問題で) 出来ない。とても~する気になれない。

備考

(1)「~(ら)れへん」で能力不可能を表すことも出来ます。


~よって → ~から、~ので

備考

理由を表す時に用います。

使用層:高齢者


~よる → ~やがる

備考

実際には「~やがる」よりは侮蔑度が低いように思われます。


ワ行

~わ → ~よ、~ね

備考

意思、推量、吐露、自身に関する事の肯定等、主観的な事の肯定を伝達する時に使います。

参照︰「~で」、「~な」


~わな → (1) ~よね (2) ~よ、~ね

備考

(2)自分の意思を伝えるときに用います。

基本的に次に取る行動についての事前報告が多いです。


~ん → (1) ~ない (2) ~の (3) ~事

備考

(1)(動詞の、強い否定表現の時に使います。

(2)「~のん」とも言います。 (→~のん)


~んかい → ~ろよ

備考

強い命令を表します。


~んく → ~なく

備考

若者言葉。

動詞に接続します。


~んで → ~なくて


~んでも → ~なくても、~なくたって


~んと → (1) ~ないと (2) ~ないで、~ずに


~んといて → ~ないで

備考

依頼・軽い命令や条件を表します。


~んとく → ~ないでおく


~んとこ → ~ないでおこう


~んならん → ~なければならない

備考

使用層:老年層。

動詞に接続する場合に用いる型です。

動詞の未然形に接続させます。


~んようになる (~んようなる) → ~なくなる

備考

動詞に接続します。


例文集


A.人間


Ⅰ.からだ

001.頭・顔









002.目













003.耳






004.鼻





005.口










006.飲食








007.胴











008.手

















009.足














010.血・肉・骨









011.体格









012.睡眠・休息












013.健康

















014.性・誕生










015.年齢















016.生死









Ⅱ.衣装


017.料理









018.食事















019.食物



















020.料理の材料・調味料








021.くだもの・デザート
















022.飲み物














023.喫煙








024.医学










025.繊維製品






















026.服装


















027.服飾品










028.化粧・装身具

















029.下着・洗たく














Ⅲ. 住居と輸送

030.住居









031.家屋






















032.設備













033.家具








034.町











035.交通














036.道路






















037.鉄道



















038.航海

















039.航空







040.郵便・電報・電話
















Ⅳ. 産業・経済

041.行動・仕事

















042.工業・技術










043.道具・容器



















044.武器











045.所有





















046.お金












047.収入・支払い




















048.商売













Ⅴ. 社会生活

049.家族と親せき























050.個人と集団
























051.礼儀と儀礼的表現












052.あいさつ・呼びかけ





















053.訪問









054.娯楽・スポーツ















055.地位

















056.和・不和
















057.社会的束縛













058.法律・裁判



















059.軍隊












Ⅵ. 精神活動

060.意志・欲求



















061.感情














062.快・不快
























063.対人感情














064.価値判断





















065.注意







066.思考





















067.知識

















068.記憶









069.想像力














070.性格・道徳





















071.宗教












Ⅶ. 表現・伝達

072.表示













073.言語
















074.会話


















075.応答























076.肯定・否定







077.真実性
















078.文字
















079.文学








080.芸術


















081.音楽












082.美醜








083.教育・出版・報道


























B. 自然と抽象概念


Ⅷ. 生物と事物

084.大地と自然























085.物質
















086.植物















087.農業










088.動物



























089.水





















090.狩り・つり






091.空気・風









092.太陽と雲








093.天候






















094.気温










095.天体



Ⅸ. 現象

096.感覚・知覚






097.光と視覚














098.色



















099.音

























100.におい






101.味













102.温度







103.重さ










104.密度















105.固体・液体・気体




















Ⅹ. 空間

106.寸法と形



















107.点・線・面

















108.立体






109.位置








110.接触・分離

















111.距離













112.高さ















113.方位











114.線の種類









115.内と外













116.方向


















117.運動












118.場所の多少







119.空間の測定







120.空間の利用








ⅩⅠ. 時間

121.時間と接続時間












122.日時



























123.時の単位










































124.時の関係

















125.行為の進行段階












126.速度・頻度



















127.時間・事件の限定









128.時間の利用





















ⅩⅡ. 順序・量・質


129.秩序・規則















130.継続・順番














131.分類











132.分量・強調










133.量の比較・増減









134.共存と欠如


















135.全体と部分

















136.数量












137.数字





































138.量の多少







139.質・やり方





ⅩⅢ. 存在と関係


140.存在








141.関係









142.状態と行動














143.交替








144.強さ








145.因果関係






146.目的

















147.仮定・帰結









148.論理的様態









149.一致・不一致
























150.定・不定