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チョコレート」と「ショコラ」の違いは言語の違いで、同じものを指している。
チョコレートは英語の「chocolate」から、ショコラはフランス語の「chocolat」に由来する。
日本では「チョコレート」の呼称が古くから定着しているため、そう呼ぶことが多いが、「ガトーショコラ」のように「ショコラ」をの方が多く使われる場合もある。
これは、「ガトー(gateau)」がフランス語だからである。
「gateau」は焼き菓子を意味し、広義にはクッキーなども含まれるが、主に「ケーキ」の意味で使われる。
「ガトーショコラ」の「ショコラ」を「チョコレート」に置き換えるならば、「チョコレートケーキ」である。
中心部が液状になるように仕上げた「フォンダンショコラ」は、フランスのチョコレートケーキで、フランス語では「fondant au chocolat(フォンダン・オ・ショコラ)」といい、「fondant」は「溶ける」を意味する。
「ショコラティエ(chocolatier)」も、ヨーロッパでチョコレートを使ってデザートや菓子を作る専門職人の呼称である。
上記のことからもわかるように、フランス語が含まれる場合やフランス発祥のものには「ショコラ」を使い、それ以外に「チョコレート」を使っていることが多い。
ただし、「ショコラ」と呼んだ方がオシャレなイメージがあるため、「チョコレートケーキ」を「ショコラケーキ」と呼ぶこともある。
するめ・あたりめ・さきいか」のうち、「するめ」と「あたりめ」は基本的に同じものを指すが、「さきいか」は違うものを指す。
するめはイカの内臓を取り除き、乾燥させた食品のこと。
スルメイカを使うことから「するめ」と名付けられたが、最高級品とされる一番スルメはケンサキイカやヤリイカを乾燥させたものでスルメイカではない。
その他、コウイカ・シリヤケイカ・アオリイカなども原料にされている。
するめは結納品にも用いられる縁起物で、「寿留女」という漢字も当てられる。
しかし、「する」という言葉は、賭け事でお金が無くなる意味の「する(擦る)」や、財布やお金を盗む意味の「する(掏る)」に通じて縁起が悪い。
そこで、「する」を縁起の良い「当たり」にかえて呼ぶようになったのが「あたりめ」である。
呼び名を変えただけなので、イカの加工食品としては「するめ」も「あたりめ」も同じものを指す。
強いて「するめ」と「あたりめ」の違いを挙げるとすれば、「するめ」は生物の「スルメイカ」も表すが、「あたりめ」は「スルメイカ」を表さないこと。
また、奥深さが感じられることの比喩表現として「するめのような」とは言うが、「あたりめのような」とは言わないことぐらいである。
さきいかは生のイカやするめ(あたりめ)を炙り焼きにし、引き伸ばして裂いた食品のことで、漢字では「裂き烏賊」と書く。
さきいかには引き伸ばす工程が含まれているため、焼いて裂いただけの「するめ」よりも柔らかくなっている。
また、生のイカを使った「さきいか」は、するめを使った「するめさきいか」よりも柔らかさが増すため、「ソフトさきいか」と呼ばれている。
米菓は「せんべい」と「あられ」、「せんべい」と「おかき」という組み合わせであれば、明確に区別することができる。
せんべいは、うるち米(ご飯の米)が原材料に使われる。
あられやおかきは、お餅と同じ、もち米が原材料に使われている。
そのため、原材料の違いによって、「せんべい」と「あられ・おかき」のグループに分けることが出来る。
「あられ」と「おかき」は、同じもち米が原材料であるため、「せんべい」との違いのように明確な区別の方法はないが、一般的には次のように区別されていることが多い。
あられは、餅を煎る際に音を立てて跳ね、膨らむ様子が、空から降ってくる「霰(あられ)」に似ていることから付いた名で、霰のように小さいものである。
おかきの語源は、鏡餅を手や槌で欠き割ったことから「欠き餅」と呼ばれ、宮中の女房言葉として「おかき」になったもので、あられに比べ大きいものという印象がある。
そのため、せんべい業界では一般的に、小さいものを「あられ」、大きいものを「おかき」と呼び分けている。
しかし、何センチ未満が「あられ」、何センチ以上が「おかき」といったものではなく、だいたいの大きさによる区別である。
また、「あられ」は関東を中心に広まった呼称で、「おかき」は関西を中心に広まった呼称であるため、関西地方では「あられ」のように小さい米菓も「おかき」と呼ぶことがある。
かけうどんとは、茹でたうどんに、熱いだし汁を掛けただけのうどんのこと。
「うどんかけ」や「かけ」とも言う。
素うどんとは、だし汁を掛けただけのうどんのことで、具が入っていないそのまのうどんという意味。
つまり、かけうどんも素うどんも同じものを指すが、「かけうどん」は主に関東での呼称。「素うどん」は主に関西での呼称である。
関東ではだし汁にカツオの濃口醤油、関西ではだし汁に昆布の薄口醤油を使うため、かけうどんと素うどんでは、味や色に違いがあるといえる。
なお、かけうどんも素うどんも、うどんとだし汁のみで、それ以外に何も入れられていないという訳ではなく、刻み葱などの薬味や、かまぼこなどの具は入っていることが多い。
かけうどんや素うどんに具が入っていないというのは、きつねうどん、天ぷらうどん、月見うどんなどのように、別メニューになっているような具材は入っていないという意味である。
菓子は元々「果物」のことを指していたが、茶菓子として出される甘い菓子が作られるようになってからは、果物を「水菓子」と呼び、食事のほかに食べる果物以外の嗜好品を「お菓子」と呼ぶようになった。
お菓子は、饅頭や羊羹、餅菓子などの和菓子と、チョコレートやビスケット、キャンディ、ケーキ、アイスクリームなどの洋菓子に大別されるが、生菓子と干菓子といった分類の仕方もある。
駄菓子はお菓子の一種で、江戸時代には見られる言葉である。
江戸時代は、上白糖が高価で稀少なものであったため、上白糖を使った菓子は「上菓子」と呼ばれ、大名や武士が食べるものであった。
この上菓子に対し、庶民が食べる黒糖を使った菓子が「駄菓子」である。
その後、粗糖(精製していない砂糖)や雑穀などの安価な材料で作られた大衆的な菓子を「駄菓子」と呼ぶようになり、安く販売される菓子もいうようになった。
現在では、洋菓子・和菓子を問わず、安価で大衆的な菓子を「駄菓子」と呼ぶ。
キャンディは、砂糖や水飴を原料として作られた菓子の総称。
砂糖や水飴を原料とするものなので、その幅は広く、ドロップもキャンディの一種。
キャラメルやマシュマロなども、キャンディの一種である。
キャンディを大きく分けると、140~160度の高温で加熱し硬く作られた「ハードキャンディ」と、100~125度の低温で加熱し柔らかく作られた「ソフトキャンディ」に分けられる。
ドロップはハードキャンディに含まれ、バタースコッチ、タフィーも、ハードキャンディの一種。
ソフトキャンディには、キャラメル、マシュマロ、ヌガーがある。
から揚げは、食材に小麦粉や片栗粉を薄くまぶして油で揚げた料理で、下味の有無は問わない。
単に「から揚げ」と言えば、鶏肉を使ったものを指すが、鶏肉以外の肉や魚、野菜なども材料に使われる。
竜田揚げは、奈良県の北西部を流れる「竜田川」が語源で、揚げた時の赤褐色が竜田川の紅葉、所々に見られる白い部分が竜田川の白い波のようであることから名付けられたといわれ、この竜田揚げの語源が、から揚げと竜田揚げの違いに関係している。
竜田揚げが赤褐色と白色になるのは、材料を醤油とみりんや酒を混ぜたタレに漬け込み、しっかりと下味をつけたものに片栗粉をまぶして揚げるためである。
から揚げの定義は広範囲になるため、竜田揚げの作り方をしたものを「から揚げ」と呼んでも間違いではないが、醤油などのタレに漬け込まなかったり、粉に片栗粉を使っていないものを「竜田揚げ」と呼ぶことは間違いである。
また、醤油やみりんのタレに漬け込むことで、臭みを取る役割もしているため、竜田揚げの材料は主に肉や魚で、から揚げのように野菜が使われることは稀である。
カレーうどんは、汁がカレー味のうどん。
カレー南蛮には、汁がカレー味のうどんと蕎麦があり、うどんと蕎麦を提供しているお店では「カレー南蛮うどん」「カレー南蛮そば」と書かれている。
カレー南蛮には蕎麦もあり、カレーうどんに蕎麦がないことは当たり前だが、その他にも違いはある。
「鴨南蛮そば」が鴨肉とネギの蕎麦をいうように、蕎麦屋で「南蛮」は「ネギ」のことで、カレー南蛮は具に長ネギが入っているものである。
カレーうどんには、長ネギではなく玉ねぎが入っているのが一般的である。
ただし、「南蛮=ネギ」なのでネギを使わないカレー南蛮はおかしいが、カレーうどんにはそのような意味のある言葉が含まれていないため、長ネギの入ったカレーうどんが間違いという訳ではない。
ちなみに、カレーうどんもカレー南蛮も、最初に作ったのは蕎麦屋さんで、カレーうどんの元祖は、早稲田にある「三朝庵」。
カレー南蛮の元祖については、中目黒の「朝松庵」という説と、大阪の谷町の「東京そば」という説があるが、実は、朝松庵の二代目が大阪支店の「東京そば」で誕生させたのが始まりで、どちらの説も正しいのである。
ポッキーもプリッツも、共に江碕グリコから発売されているスナック菓子で、商標登録されている。
プリッツは1963年に発売され、プリッツにチョコレートをコーティングしたポッキーは1966年に発売された。
現在では様々な味の商品が発売されているが、ポッキーとプリッツの大きな違いはこのコーティングで、コーティングされているものがポッキーである。
その他の違いは、商品の中身やパッケージの改良によって、今後変化してくる可能性はあるが、現時点で定番の「ポッキーチョコレート味」と「プリッツサラダ味」を比較した違いは、以下のとおり。
ポッキーのパッケージは前開け、プリッツは後ろ開け。
ポッキーよりもプリッツのパッケージは厚みがあり、わずかに背が低い。
パッケージを開け口から見て、ポッキーが横並びに2パック、プリッツは縦並びに2パック入っている。
ポッキーの長さは13.7cm、プリッツは11.2cm。
ポッキーは1本当たり2.1g、プリッツは1本当たり1.2g。
ポッキーは1本当たり10.6kcal、プリッツは6.2kcal。
味や麺の種類が豊富なラーメン。
その中に「中華そば」や「支那そば」という種類があると思われやすいが、「ラーメン」と「中華そば」と「支那そば」の違いは、いつの時代の呼称を使うかであり、スープや麺、具などに違いがあるわけではない。
明治初期、横浜・神戸・長崎・函館などの中華街は「南京町」と呼ばれ、そこで食べられる中国の麺料理は「南京そば」と呼ばれていた。
明治中期頃からは、「支那そば」と呼ばれるようになったが、戦後、「支那」という言葉の使用自粛が外務省事務次官通達によって要請されたことから、「中華そば」と呼ばれることが多くなった。
「南京そば」も「支那そば」も「中華そば」も、「中国(中華民国)のそば」という意味で、味や麺の違いによって使い分けられた呼称ではない。
「ラーメン」の呼称が一般に広まったのは、1958年(昭和33年)に日清食品が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売し、広く普及したためといわれる。
この頃から、「中華そば」に代わり「ラーメン」が一般的な呼称となっていった。
「ラーメン」という呼称が一般的になって以降、麺やスープのバリエーションが増えているため、「中華そば」や「支那そば」は、昔ながらのあっさりした醤油味の縮れ麺に限った呼称と思われがちだが、バリエーションが増えたタイミングがそうであったというだけで、呼称が変化したこととは別の話であり、「ラーメン」も「中華そば」も「支那そば」も、指しているものは同じなのである。
江戸時代、蕎麦はつゆにつけて食べる「そばきり(蕎麦切り)」が一般的であった。
江戸中期に入ると、最初からつゆをかけて出す「ぶっかけ」が流行し、「ぶっかけ」と区別するため、それまでの蕎麦を「もりそば(盛り蕎麦)」と呼ぶようになった。
もりそばは、皿やお椀・せいろ(蒸籠)に盛られていたが、深川洲崎(現在の江東区木場の洲崎神社)の蕎麦屋「伊勢屋」が差別化を図るため、竹ざるに盛った「ざるそば」を出したところ評判となり、他の店でも竹ざるに盛った「ざるそば」が提供されるようになった。
この当時の「もりそば」と「ざるそば」の違いは、器に皿・椀・せいろなどを使うか、竹ざるを使うかといった違いだけである。
その後、明治にかけて「もりそば」よりも「ざるそば」の方が高価な蕎麦という位置づけとなり、ざるそば用には高価なそば粉を使い、もりそば用には安価な粉を使って蕎麦が作られるようになった。
蕎麦につけるつゆも、もりそば用には雑節出汁や二番だしが使われていたが、ざるそば用には鰹本節だしや、江戸時代には高級品であった味醂を使い、コクがあり、香りの高いつゆが使われるようになった。
ざるそばに刻み海苔をかけたり、薬味などがつけられるようにもなった。
この頃は、蕎麦・つゆ・刻み海苔・薬味など、「もりそば」と「ざるそば」には大きな違いがあったといえる。
現在では、刻み海苔がかかっているものを「ざるそば」と呼んでいる店が多く、蕎麦の素材やつゆによって「もりそば」と「ざるそば」を呼び分けている店は少ない。
「もりそば」と同じ蕎麦を指すものには、「せいろそば」がある。
本来の「せいろそば」は、せいろで蒸し、温かく湯気が立った状態で客に出されるもので、江戸初期には作られていた。
現在の「せいろそば」は、これとは別に起源がある。
江戸末期の天保時代、蕎麦屋が幕府に値上げを要求したが、値上げではなく、底上げして量を減らすことが認められたため、すのこで底上げをしたせいろに盛って出された。これが、「盛りせいろ」と呼ばれ、「せいろそば」となったなったもので、「もりそば」と「せいろそば」に、蕎麦の素材やつゆに違いはない。
つまり、現在の「もりそば」と「ざるそば」と「せいろそば」の違いは、器の違いと刻み海苔の有無だけになり、中には、ざるそばに専用のつゆが使われている店もあるということである。
また、せいろの器を使っていても、「ざるそば」と呼ぶ店もあるが、これは、竹ざるの器では出前がしにくいため、呼称は「ざるそば」のままで、重ねて運ぶことが出来るせいろを使ったからといわれる。
ムースは、フランス語で「泡」を意味するように、泡立てた卵白や生クリームに、フルーツピューレやチョコレートなどを加えて作る菓子。
ババロアは、牛乳・砂糖・卵・ゼラチンなどを混ぜ、型に流して冷やし固めた菓子である。
ムースは、卵白や生クリームを泡立てたものを自然に固めて作るため、口当たりが滑らかで、ふんわりとした食感が特徴である。
ババロアは、ゼラチンで冷やし固めるて作るため、ムースに比べてプルプルとした食感となる。
しかし、ゼラチンを使用したムースもあるように、全く同じ材料・製法でも、パティシエが「ムース」言えば「ムース」、「ババロア」と言えば「ババロア」となるもので、明確な違いは無いに等しい。
ただし、ムースは肉や魚、エビ・ホタテなどのすり身を混ぜ込んだ料理や、整髪料や洗顔料などの泡状のもいうのに対し、ババロアは菓子名としてのみ使用されるという点では大きく異なる。
おかゆは、ご飯と同じ要領で、水の分量を多くし、米から炊いたもの。
消化が良いことから、離乳食や病人食、精進料理の主食としても食べられる。
基本的は米と水から作られるが、サツマイモや山芋を入れた芋粥や、ほうじ茶や緑茶で炊く茶粥などもある。
雑炊は、ご飯に出汁や具を入れて煮込んだもの。
鍋の締めとして残り汁を利用することも多い。
おかゆのように米から作るのではなく、雑炊は炊いた米から作り、水ではなく出汁、具を入れるなど、雑炊とおかゆで異なる点は多い。
おじやは、作る際に「じやじや」と聞こえることから、「じや」に接頭語の「お」を付けたもので、元々は「雑炊」をいった女房言葉。
雑炊とおじやの違いは、ご飯を一度洗ってぬめりを取ったものが「雑炊」、粘り気のあるものが「おじや」と言われたり、味噌や醤油で味付けしたものが「おじや」、塩や煮汁で味付けしたものが「雑炊」などと言われる。
しかし、このような区別の仕方は地域や家庭によってさまざまで、明確な基準はなく、基本的には「雑炊」も「おじや」も同じものである。
ちなみに、沖縄方言では「雑炊飯」が訛った「ジューシーメー」から、雑炊のことを「ジューシー」というが、炊き込みご飯のことも「ジューシー」という。
リゾットは、米をオリーブオイルやバターで炒め、白ワインや出汁を入れて炊いたイタリア料理。
米は洗わず、あまりかき混ぜずに煮込み、水分が蒸発したら追加し、米がアルデンテになるまで煮るのが特徴。
魚介・肉・きのこ・野菜など、さまざまな具材が加えられる。
団子(だんご)は、うるち米などの穀類の粉を丸めて茹でたり蒸したりしたもの。
餅(もち)は、糯米(もちごめ)を蒸して臼でつき、種々の形に作ったもの。
糯米に含まれるデンプンは、粘り気を出すアミロペクチンのみであるため、団子よりも餅の方が粘り気があり、伸びたり縮んだりする。
団子と餅の違いは、上記の通り、基本的には使われる穀類や作り方の違いとなる。
しかし、丸い形をした鼻を「団子鼻」、触れると体を丸める虫を「ダンゴムシ」と呼ぶように、団子は材料よりも丸い形をしたものという認識の方が強い。
また、餅は正月や節句、祝い事などにつかれるもので、名称に「餅」を入れた方が縁起良く聞こえるということもある。
そのため、葛粉から作られる「葛餅」、わらび粉を使う「わらび餅」、作るうるち米を加工した上新粉を使う「柏餅」など、団子に分類されるものでも、材料や作り方に関係なく「餅」と呼ばれる。
「みたらし団子」や「月見団子」の中には、丸くないものもあるが、基本形は丸い形なので、「餅」と呼ばず「団子」と呼ぶ。
レバニラ炒めとは、牛や豚のレバーを、ニラやショウガなどと炒め、塩・醤油・コショウなどで味つけした中華料理。
ニラレバ炒めは、レバニラ炒めのことで、全く同じ料理。
「レバニラ」「ニラレバ」という順番の違いで、作り方や材料が変わるわけでもない。
どちらが一般的で、どちらが正しい呼び方かと言えば、一般的な呼称は「レバニラ炒め」だが、本来は「ニラレバ炒め」といわれる。
中国語では「韮菜炒牛肝」と「ニラレバ」の順になっており、中国語に従えば「ニラレバ炒め」である。
また、レバーの炒め物にニラがトッピングされたもので、「レバー入りニラ炒め」ではなく「ニラ入りレバー炒め」であるため、「ニラレバ炒め」の方が正しいといえる。
「レバニラ炒め」が一般的な呼称になったのは、「天才バカボン」の影響によるもので、バカボンのパパの好物が「レバニラ炒め」であったためといわれている。
テレビアニメ「天才バカボン」の中で「レバニラ」がタイトルに使われた話には、1971年11月20日放送第9回第18話の「ごちそうはレバニライタメなのだ」がある。
この説が正しいという確証はないが、昔は「レバニラ炒め」と呼ばず「ニラレバ炒め」と呼ぶのが一般的であったとすれば、「天才バカボン」の影響も少なからずあったと考えられる。
ちなみに、餃子の王将では「ニラレバ炒め」、大阪王将では「レバニラ炒め」、餃子の王さまでは「ニラレバいため」という名で提供されている。
クッキーとビスケットは区別する基準が曖昧で、「違いがある」と言えばある、「違いがない」と言えばないなものである。
クッキーとビスケットの一番の違いは、国による呼称の違いで、日本で「クッキー」や「ビスケット」と呼ばれているものが、アメリカでは両者を「クッキー」、イギリスでは「ビスケット」、フランスでは「ビスキュイ」と呼ぶ。
アメリカにも「ビスケット」と呼ばれるものはあるが、ケンタッキーフライドチキンのメニューにあるスコーンのような食べ物が、アメリカでは「ビスケット」である。
日本では、元々「ビスケット」と呼ぶのが一般的で、「クッキー」は戦後に多く使われるようになった呼称である。
ビスケットは幕末から携帯食として広まり、クッキーはアメリカ文化が多く入ってきた時期に広まったこともあり、ビスケットは安価なもの、クッキーは高級なものというイメージがついた。
ビスケットのような安価なものを「クッキー」として売ることは、消費者の誤認に繋がると考えられ、1971年に全国ビスケット協会が、ビスケットとクッキーの基準を定義した。
そこで定義されている区別を簡単にいえば、成分に含まれる糖分と脂肪分の合計が40%以上で、手作り風の外観を有するものが「クッキー」、それ以外のものが「ビスケット」である。
「手作り風の外観」という基準も曖昧だが、そもそも全国ビスケット協会による定義で、日本農林規格(JAS)が定めたものではない。
ほとんどの菓子メーカーは全国ビスケット協会に加盟しているため、スーパーなどで売られている菓子には当てはまる定義だが、協会に加盟していない小さな洋菓子店などは、これに従う必要がなく、糖分や脂肪分が40%以下のものを「クッキー」と呼んでも良いし、手作り感のあるものを「ビスケット」と呼んでも良いのである。
しかし、多くの場合は、ビスケットより脂肪分が多く、手作り感のあるものがクッキーという、全国ビスケット協会の基準に近い形で認識されている。
サブレ(サブレー)は、フランスから伝わった菓子で、ビスキュイの一種。
つまり、サブレはビスケットやクッキーの一種。
全国ビスケット協会にサブレの定義はないが、ビスケットに比べて、バターやショートニングの比率が高く、バターの風味とサクッとした食感のものがサブレである。
ちなみに、クラッカーや乾パンもビスケットの一種。
クラッカーは、塩味の堅焼きにした薄くて砕けやすい、イーストや酵素が入ったビスケット。
乾パンは、長期保存や携帯に便利なよう、水分を減らして堅く作ったビスケット様のパンである。
パンであれば別物と思うかもしれないが、ビスケットの語源は「二度焼いたパン」。
長期保存するために、乾かしたパンをもう一度焼いたものがビスケットの始まりで、元々はパンである。
餃子の王将」と「大阪王将」と「餃子の王さま」は、餃子を看板メニューにする中華料理店で、名前も似ているが、それぞれの経営母体は異なる。
餃子の王将は、株式会社王将フードサービスが、京阪神地区を中心に全国展開する中華料理チェーン。
創業は1967年、1号店は京都四条大宮。
本社は、京都府京都市山科区。
大阪王将は、イートアンド株式会社が、大阪を中心に全国展開する中華料理チェーン。
創業は1969年、1号店は大阪市都島区京橋(本店は道頓堀)。
本社は、東京都港区。
元々、大阪王将は、餃子の王将の創業者の親類が、のれん分けという形で独立したもので、当初は「餃子の王将」という名前であった。
その後、「大阪王将食品」として法人化し、チェーン展開を進めていったが、本家「餃子の王将」が拠点としている京都にまで進出したため、本家側から「王将」の名を使用をしないよう裁判を起こされた。
その結果、「餃子の」は使わないが「王将」を残すという形で和解し、「大阪王将」になったのである。
しかし、一般には「王将で餃子を食べた」と言っても、「餃子の王将」か「大阪王将」か分かりづらいため、「京都王将」と「大阪王将」と呼び分けられることが多い。
餃子の王さまは、2代目店主の佐々木正寿さんが経営する中華料理店。
「餃子の王将」のパクリとも思える店名だが、創業は1954年で、餃子の王さまの方が古い。
店舗数は、東京都台東区浅草の一店である。
それぞれ、メニューや味、店の雰囲気など様々な違いがあるが、外観での見分け方は看板。
餃子の王将の看板は、白と赤を中心にした配色で、白い「王将」の文字が赤・黄・オレンジ・緑で囲われている。
大阪王将の看板は、大阪城をイメージした絵の中心に「王将」の文字が入っている。
餃子の王さまは、黄色に黒文字で店名が書かれただけの、非常にシンプルな看板である。
巻き簾に海苔、その上に酢飯を広げ、ネタ(具材)を乗せて巻いた寿司を、関西では「巻き寿司」、関東では「海苔巻き」といい、基本的に両者は同じものである。
ただし、関東の海苔巻きは、太さによって「細巻き」「中巻き」「太巻き」と区別されるが、関西で「巻き寿司」といえば「太巻き」を指すことが多い。
また、「巻き寿司」の解釈の仕方によっては、玉子焼きで巻いた「玉子巻き」なども含まれ、関東の「海苔巻き」とも、関西の「巻き寿司」とも異なり、「巻物」の寿司を指すことになる。
前述のとおり、「太巻き」は海苔巻きを太さで分類した時の呼称である。
かんぴょう巻きや鉄火巻き、かっぱ巻きなどの細巻きは、巻かれるネタは基本的に一種類だが、太巻きには、かんぴょう・玉子焼き・椎茸・キュウリなど複数の具材が巻かれる。
太さによって使用する海苔の大きさも異なり、細巻きは板海苔を半分に切ったもの、中巻きは板海苔を半分から一枚、太巻きは一枚から複数枚使用する。
恵方巻は、節分の日に、その年の恵方を向いて食べると縁起が良いとされる太巻きのこと。
元々は、大阪を中心とした関西のみの風習で、「恵方寿司」や「吉方巻き」「節分の巻き寿司」「幸運巻き寿司」、一本丸ごと食べることから「丸かぶり寿司」や「丸かじり寿司」など、様々な呼称があったが、セブンイレブンが「恵方巻」という商品名で全国販売したため、節分の日に食べる太巻きは「恵方巻」と呼ばれるようになった。
恵方巻には複数の具材が入るが、七福神にちなんで、7種類の具材が入れられていることが多い。
ただし、店によっては中巻きや細巻きを「恵方巻」として販売するところもあり、具材が一種類の恵方巻もある。
恵方巻と太巻き(巻き寿司・海苔巻き)との決定的な違いは、節分の日に食べるものであることと、切らずに丸ごと食べるという点である。
手巻き寿司も、「巻き寿司(海苔巻き)」の一種である。
しかし、一般にいう「巻き寿司」は巻き簾で巻いて作るが、手巻き寿司は巻き簾などの道具を使わず、手で巻いて作る寿司である。
手巻き寿司は、寿司屋よりも家庭で作って食べられることが多い。
おしるこ(お汁粉)とぜんざい(善哉)は、どちらも小豆を砂糖で甘く煮て、餅や白玉団子を入れたものだが、両者の違いは関東と関西で異なり、関東では汁気の有無、関西では使う餡の違いで区別される。
関東では、汁気のあるもの全般を「おしるこ」、汁気のない餅に餡を添えたものを「ぜんざい」と呼んでいる。
関西では、こしあんを使った汁気のあるものを「おしるこ」、粒あんを使った汁気のあるものを「ぜんざい」、汁気のないものは「亀山」や「金時」と呼ばれる。
関西の「おしるこ」と「ぜんざい」のように、関東では餡による区別がないのかといえば、そうではない。
使う餡によって区別をする場合は、こしあんを使ったものを「御膳汁粉」、粒あんを使ったものを「田舎汁粉」という。
また、「小倉汁粉」という呼称もあり、ふつうは、砂糖で煮た小豆粒にこしあんを加えたものをいうが、粒あんを使ったおしるこをいうこともある。
雑煮は、汁の仕立て方や餅の形、具材など、作り方は地域や家庭によって様々で、全国共通の認識としてあるのは、餅に具をあしらった汁物という点ぐらいだが、地域ごとの雑煮を大きく分類すると、東京を中心とした関東風の雑煮と、京都を中心とした関西風の雑煮に分けられる。
関東風の雑煮は、カツオと昆布から取った醤油仕立ての澄まし汁。
餅は、焼いた角餅が入れられる。
これは、武家が中心であったことから、「敵をのす」の意味で、のし餅を切って入れていたことに由来するといわれる。
主な具材は、鶏肉、大根、小松菜、人参、かまぼこなどで、あっさりとした味わいに餅の香ばしさが引き立つ雑煮となっている。
関西風の雑煮は、白味噌を使った味噌仕立ての汁。
餅は、その年を丸く収めるという意味から、焼かずに茹でた丸餅を入れる。
主な具材は、里芋、大根、人参などで、白味噌仕立ての汁と絡み合うような雑煮となっている。
すしの漢字には「寿司」と「鮨」と「鮓」がある。
最も古い表記は「鮓」で、元々は塩や糟などに漬けた魚や、発酵させた飯に魚を漬け込んだ保存食を意味した漢字であるため、発酵させて作るすしを指し、馴れずしが当てはまる。
「鮓」の漢字は、鯖鮓や鮎鮓、鮒鮓などで使われるため、関西系のすしに用いられる傾向にある。
「鮓」の次に古い表記は「鮨」で、中国では「魚の塩辛」を意味する漢字であったが、「鮓」と混同され、すしを表すようになった。
「鮨」の漢字は、握り鮨、押し鮨、棒鮨など馴れずし以外のすしに使われ、現代で最も一般的な「すし」は握り鮨(江戸前)であるため、江戸前系のすしに多く用いられる傾向にある。
「寿司」は江戸時代に縁起担ぎで作られた当て字で、「寿を司る」の意味から、もしくは、賀寿の祝いの言葉の「寿詞」に由来するといわれる。
かっぱ巻き、稲荷寿司、手巻き寿司、五目寿司など、ネタに魚を使わないすしには「鮨」や「鮓」の漢字は適していないが、「寿司」は当て字であるため、ネタの種類を問わず使える。
また、すしの種類も問わず使えることや、縁起担ぎの意味もあり、現在、「寿司」が最も一般的な表記として使われている。
パンケーキの「パン」は、フライパンなど、底が平らで取っ手のついた鍋のことで、パンケーキはフライパンなどで焼いたケーキの総称。
パンケーキもホットケーキも、小麦粉・卵・牛乳・砂糖・ベーキングパウダーなどを混ぜ合わせ、円形に焼いた菓子を指し、本来は同じものである。
しかし、厳密な定義はないものの、日本では、パンケーキは薄く甘さが控えめで、ベーコンやスクランブルエッグなどとと一緒に食べる、食事向きのもの。
ホットケーキは厚めで、蜂蜜やメープルシロップなどをかけて食べる、おやつやデザート向きのものと区別されている傾向がある。
ホットケーキミックスとパンケーキミックスを販売している森永製菓でも、ホットケーキは甘くて厚みのあるもの。
パンケーキは食事に合うよう砂糖不使用で、ホットケーキに比べ甘さが抑えられたものと定義されている。
海外では、どのように区別されているかといえば、区別がない。
というよりも、「パンケーキ」と呼ぶのが一般的で、「ホットケーキ」では通じない地域が多い。
そのため、ホットケーキは和製英語と言われることもあるが、「Selling like hotcakes(ホットケーキのように売れる → 飛ぶように売れる)」という慣用句がある通り、和製英語ではない。
スクランブルエッグを「洋風炒り卵」とも呼ぶように、スクランブルエッグは炒り卵の一種であるが、別の食べ物で材料や作り方に違いがある。
炒り卵は、鶏卵に塩・砂糖などの調味料を加えて混ぜたものを、熱したフライパンに流し込み、4~5本の箸を使ってほぐしながら炒る料理。油は使用しない。
卵に火を通しながらも、ふんわりと炒りあげ、バラバラの粒状にする。
スクランブルエッグは、鶏卵に牛乳や塩コショウなどを入れ、食用油やバターなどを溶かしたフライパンで炒める。
卵は完全に火が通る前の半熟状で、炒り卵とは違い、トロリとした状態に仕上げるのが特徴。
基本的には、炒り卵がバラバラ状、スクランブルエッグが半熟状だが、半熟状態で止める炒り卵もあるため、形状だけで区別することはできない。
半熟状態で止める炒り卵は、「びしょ玉」や「半炒り」と呼ばれる。
刺身は、魚・貝・肉などを生のまま薄く切り、醤油やわさびなどをつけて食べる料理。
元々は、「切り身」と呼ばれたが、武家社会で「切る」は忌み嫌われていたため、「刺身」と呼ばれるようになった。
お造り・あらい・たたきは、刺身の一種である。
「切り身」の「切る」と同様に、「刺す」も忌み嫌われたことから、関西では魚を切ることを「作る」と言い、刺身は「作り身」と呼ばれた。
お造りは、「作り身」に接頭語の「御」が付いた言葉で、主に関西で使われる。
馬刺しなど肉類の刺身を「お造り」と呼ぶことはないが、魚介類の刺身とは同じ意味である。
刺身よりもお造りの方が、美しく上品に聞こえるためか、刺身の丁寧語として「お造り」と言う地域もある。
また、生け簀に泳がせておいた魚を、生きたまま調理する「活き造り(活け造り)」の印象からか、大皿や船形の皿などに盛られたものや、こだわった盛り付け方のものを「お造り」、普通に盛り付けられたものを「刺身」と呼び分けられることもある。
あらいは、新鮮なコイ・タイ・コチ・スズキなどの白身魚を薄く切って、冷水や氷で冷やした刺身。
冷やすことで身が縮まるため、コリコリとした食感で歯切れがよくなり、脂や臭みも落ちるため、さっぱりと食べることができる。
漢字では、「洗い」のほか「洗膾」「洗魚」とも書かれる。
たたきは、アジやイワシなどの青魚を美味しく食べるための調理法。
新鮮な魚に、刻んだネギ・ショウガ・大葉・ニンニクや味噌などを乗せ、包丁で叩くように細かく切ることから「たたき(叩き)」という。
これとは別に、牛肉のたたきや鰹のたたきのように、火で炙るタタキもある。
鰹のたたきは、おろした皮付のカツオを金串に刺して表面を強火で炙り、手早く氷水にくぐらせてから刺身に切ったもの。
名前の由来は、氷水で冷やす代わりに包丁の腹で叩いて身を締めていたことからや、薬味をまぶして包丁で叩いたことからなど諸説ある。
フィナンシェもマドレーヌも、フランス発祥の焼き菓子。
フィナンシェは、フランス語で「金融家」「お金持ち」を意味するように、金塊に似た台形のものが多い。
マドレーヌは、ホタテガイをイメージしたものといわれ、貝殻型のものが多い。
そのため、金塊型のフィナンシェ、貝殻型のマドレーヌと形状で見分けられることもあるが、フィナンシェにもマドレーヌにも丸い形をしたものがあり、形状だけで区別できるものではない。
フィナンシェとマドレーヌの作り方は似ているが、材料に違いがある。
フィナンシェに使用する主な材料は、薄力粉・砂糖・卵白・粉末のアーモンド・焦がしバター。
マドレーヌは、薄力粉・砂糖・全卵・ベーキングパウダーが主な材料となる。
このような違いから、フィナンシェはアーモンドの甘さと焦がしバターの風味があり、マドレーヌに比べてサクサクとした食感がする。
マドレーヌは、バターの風味が甘く香り、フィナンシェに比べてしっとりとした食感となっている。
おはぎとぼたもちは基本的に同じ食べ物で、どちらか一方で呼ばれることが多いが、季節・大きさ・材料によって呼び分けられることもある。
ぼたもちは漢字で「牡丹餅」と書き、春の彼岸の頃に咲く牡丹の花に似ていることから付いた名。
おはぎは漢字で「御萩」と書き、秋の彼岸の頃に咲く萩の花が咲き乱れるさまに似ていることから付いた名で、春に作るものを「ぼたもち」、秋に作るものを「おはぎ」と呼び分ける地域も多くあったが、現在は、季節によって呼び分けられることは少ない。
ちなみに、夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」という。
共に、同じ言葉遊びから生まれた名で、おはぎ(ぼたもち)は、杵を使って餅を搗かず作れるため音がせず、いつ搗いたかわからないことから「搗き知らず」。
夜は暗くて船がいつ着いたかわからないことから「着き知らず」、それを「搗き知らず」と掛けて「夜船」。
北向きの窓からは月が見えないことから「月知らず」、それを「搗き知らず」と掛けて「北窓」となった。
大きさによって、「おはぎ」と「ぼたもち」を呼び分ける地域もある。
これも萩と牡丹の花に通じるもので、それぞれの花の大きさから、おはぎは小さめに作り、ぼたもちは大きめに作られる。
おはぎには「つぶあん」、ぼたもちには「こしあん」を使い、あんこの違いによって呼び分けることもある。
これは、収穫シーズンとなる秋の小豆は、皮までやわらかいことから、秋のおはぎには「つぶあん」を使い、春の小豆は冬を越して皮が硬くなっていることから、春のぼたもちには「こしあん」を使ったためといわれる。
その他、もち米を主に使ったものを「ぼたもち」、うるち米を主に使ったものを「おはぎ」と呼び分けたり、小豆餡を使ったものを「ぼたもち」、きな粉を使ったものを「おはぎ」、餅の状態になるまでついたものを「ぼたもち」、米粒が残ったものを「おはぎ」など、多くの呼び分け方がある。
春と秋の季節も含め、これらの違いは、地域やメーカー・販売店によって逆転していることもあり、全国共通のものではない。
あんころもちは「餡衣餅(あんころももち)」が転じた言葉で、外側を餡でくるんだ餅を指す。
おはぎ(ぼたもち)も餡でくるむため、あんころもちの一種だが、普通、あんころもちは米の粒が無くなるまで完全に潰した餅を使い、米粒が残る程度についた餅を使うおはぎ(ぼたもち)と区別される。
このことから、あんころもちを別名「全殺し」「皆殺し」といい、おはぎ(ぼたもち)を別名「半殺し」という。
また、外側が餡ではなく餅で、餡を餅でくるんだ大福のようなものを「あんころもち」と呼ぶ地域もある。
本来、ひやむぎ(冷麦)とそうめん(素麺)は、製法が違うものである。
うどんを細く切ったものを「切り麦」といい、熱して食べるものを「熱麦」、冷やして食べるものを「冷麦」と呼んだことから、「ひやむぎ」の名があるように、ひやむぎは細打ちにしたうどんで、小麦粉と塩と水を混ぜたものを練って延ばし、切って作るものであった。
そうめんは、小麦粉と塩と水を練るところまでは同じだが、ひやむぎのように切らず、練ったものに植物油又はでんぷんを塗り、よりをかけて引き延ばし、細く仕上げて、天日干しにして作るものであった。
現在では、製麺機で作られるため、切って作る「そうめん」もあれば、油を使わず作る「そうめん」、油を使って作る「ひやむぎ」もあり、製造工程だけでは区別できない。
JAS規格(日本農林規格)の『乾めん類品質表示基準』では、麺の太さが長径1.3mm未満を「そうめん」、長径1.3mm以上1.7mm未満を「ひやむぎ」、1.7mm以上を「うどん」と分類しており、基本的には麺の太さで区別できる。
しかし、上記は機械製法の場合の分類で、手延べ麺の場合の分類は、麺の太さが長径1.7mm未満であれば、「そうめん」でも「ひやむぎ」でも良いことになっており、太さだけでも区別できない。
JAS規格が太さを基準に「ひやむぎ」と「そうめん」を分類したのは、製麺機で麺が作られるようになって、細い麺の「ひやむぎ」や、太い麺の「そうめん」も出回るようになり、両者が区別しにくくなったためである。
大半のものは太さを基準にすることで問題なかったが、徳島県の名産品「半田そうめん」は太く、1.7mm前後ある。
ひやむぎと同じ製法で作られるものが、太さの基準だけで「そうめん」と名乗り、江戸時代から続く、本来の製法で作られた「半田そうめん」が、名称を「ひやむぎ」に変えなければならないのはおかしいため、2004年にJAS規格が改定され、手延べそうめんの場合は長径1.7mm未満とされたのである。
つまり、「ひやむぎ」と「そうめん」の違いは、基本的には太さによって区別できるが、例外も考慮すると、機械麺では太さを基準にし、機械麺でなければ製法が基準になるということである。
焼き鳥は、鳥肉にタレや塩などをつけ、あぶり焼いたもの。
古くは、スズメやツグミなどを串に刺して丸焼きしたものを「焼き鳥」と呼んでおり、鳥肉が鶏肉とは限らない。
やきとりは、鳥肉、鳥・牛・豚などの臓物を串焼きしたものをいう。
必ずしも上記のような使い分けをされているとは限らず、地域や店によっては、鳥肉以外の肉・臓物を使用して「焼き鳥」と表記しているところも多い。
「やきとり」と「焼き鳥」は別の食べ物などと言われることもあるが、明確な違いがある訳ではない。
「日本三大やきとり」と呼ばれる街は、埼玉県東松山市、北海道室蘭市、愛媛県今治市であるが、それぞれの地域で「やきとり」と称するものは異なる。
東松山市では、豚肉のカシラ肉を炭で焼き、ピリ辛のみそだれをつけたものを「やきとり」と呼んでいる。
戦後間もない頃、豚肉も鶏肉も高級品であったため、通常は捨ててしまう豚肉の部位を串刺しにして売り出し、一般庶民でも気軽に食べられるようにしたのが始まりで、当初は「やきとん」と呼んでいたが、しっくりこなかったことから、「焼き鳥」にあやかって平仮名表記の「やきとり」にしたといわれる。
室蘭市では、豚肉とタマネギを串に刺し、炭火で焼いて甘いタレをつけた後に洋がらしをつけて食べるものを「やきとり」と呼び、今治市のやきとりは鶏肉を使うが、炭火ではなく、斜めに作られた鉄板で焼いたものを指す。
その他、九州北部では牛肉のサガリ、久留米市・熊本県・宮崎県などでは馬肉、北海道美唄町では鶏肉のさまざまな内臓が同じ串に刺さったものをいう。
パフェは背の高いグラスに入れられ、サンデーは平たい皿に入れられると言われるが、平たい皿に盛られたパフェもあれば、背の高いグラスに盛られたサンデーもあり、器による違いはない。
パフェは昼間のデザートで、サンデーは夕方以降のデザートとも言われるが、昼と夕方以降で呼び名を使い分けている店を見かけない。
パフェとサンデーの違いは、それぞれの起源である。
パフェは、20世紀初めにフランスで作られた「パルフェ(parfait)」が語源で、英語圏に渡って「パフェ」となり、日本に伝わった。
パルフェは「完璧な」という意味で、「完璧なデザート」の意味から付けられた名である。
サンデーは、19世紀から20世紀初頭にアメリカで作られた「サンデー(sundae)」が語源である。
「サンデー」という名は、「日曜日(Sunday)」と関連するという点では共通するが、命名の経緯には様々な説があり、日曜日だけ販売されていたからという説が定説となっている。
サンデーにソーダ水を加えたものを「マンデー(mandae)」と言うが、それ以降の曜日のデザートはない。
チャーハン(炒飯)は、中国料理が日本に伝わった料理。
熱した鍋に油をひき、溶き卵、炊いた白米(ご飯)、ハムや焼き豚などの肉類、ネギなどの野菜、エビやカニなどの魚介類を入れて炒める。
ピラフは、中近東発祥の料理で、トルコ料理が有名。
生米、玉ねぎのみじん切りをバターで炒め、肉や野菜、スープを入れて弱火でじっくり炊く、炊き込みご飯の一種である。
チャーハンとピラフの主な違いは、炊いた米を炒めるか、生米を炒めるか。仕上げまで炒めるのか、仕上げは炊くかの違いである。
焼き飯は、お好み焼きや焼きそばなど、鉄板を使う料理が多い関西ならではの料理で、お店で作られる焼き飯は鉄板が使われる。
チャーハンは漢字で「炒飯」と書くように「飯を炒める料理」だが、焼き飯は「焼」の文字が入っているように「飯を焼く料理」である。
また、卵を入れてからご飯を入れて炒めるチャーハンに対し、焼き飯は卵を後から入れる。
ただし、上記は平均的な焼き飯をいったもので、明確な違いではない。
作る過程は同じで塩味のものを「チャーハン」、醤油味を「焼き飯」と区別しているお店もあれば、「チャーハン」を「焼き飯」と呼び、全く同じものとして扱っているお店もある。
子供から大人まで大好きな加工食品といえば「ソーセージ」!しかし同じ食品を「ウインナー」と呼ぶことがあります。 「ソーセージ」と「ウインナー」はどちらも良く使われる言葉であり、明確に使い分けなくてもそれほど困らないのですが、この二つには次のような違いがあります。
ソーセージとは
腸詰食品の総称です。肉をひき肉にして味付けなどをした上、腸に詰めたもの全般をソーセージと言います。
ウインナーとは
正確には「ウィンナーソーセージ」といい、ソーセージの種類の一つです。 豚肉と牛肉を塩漬したものに香辛料を加えて練り合わせ、ケーシングと呼ばれる羊などの腸に充てんした後、燻煙、ボイルしたもので、オーストリアが発祥地のソーセージです。
「ソーセージ」には「ウインナー」以外にも、「ボロニア」「フランクフルト」「魚肉ソーセージ」など様々な種類があります。
要するに!
・「ソーセージ」→腸詰食品全般の総称
・「ウインナー」→ソーセージの種類の一つ
小麦粉に砂糖などを加えて焼いたお菓子を「クッキー」とか「ビスケット」と言います。 また「サブレ」と呼ばれる似たようなお菓子もあります。 これらのお菓子にはいったいどのような違いがあるのでしょうか? 「クッキー」、「ビスケット」、「サブレ」の違いを解説します。
ビスケットとは
昔からある定番のお菓子の一つですが、もともとはイギリスから伝わってきた焼き菓子の名称で、イギリスでは小麦粉で作られたお菓子の総じてビスケットと言います。 保存食として日持ちを良くさせるために1度焼いたパンをもう一度焼いたことが「ビスケット」の始まりと言われています。
日本でも小麦粉を主材料とし、糖類、食用油脂、食塩等を加えて焼いたお菓子をビスケットと言います。 ですから、本来はクッキーなども含めた焼き菓子全般の名称という事が出来ます。
しかし、一般に販売するもの関しては「クッキー」と区別できるように、全国ビスケット協会の公正競争規約で「糖分と脂肪分が全体の40%未満」のものと定められています。
クッキーとは
こちらも昔からある定番のお菓子の一つですが、アメリカから伝わってきた焼き菓子の名称です。アメリカではサクッとした食感のお菓子の総称として使われます。 日本ではビスケットと区別できるように、一般に販売するもの関しては「糖類と食用油脂の割合が40%」含まれているもの(全国ビスケット協会の公正競争規約)をクッキーと表記しています。
一般的な認識としては、「手作り風の外観」で「ビスケット」よりふんわりしているのも特徴の一つとされています。
サブレとは
こちらは、フランスから伝わってきた焼き菓子の名称です。 「サブレ」はフランス語で「砂」という意味を持っていて、小麦粉に対してバターやショートニングがより多く使用されているため、他の「ビスケット」や「クッキー」よりもさっくりとした食感の焼き菓子となります。
「サブレ」は全国ビスケット協会による定義はありません。バター風味でサックっとした食感のビスケット類をおおむね「サブレ」と呼ぶことができます。
要するに!
・「ビスケット」→小麦粉に糖類、食用油脂、食塩等を加えて焼いたお菓子の総称
・「クッキー」→食用油脂の割合が40%以上のビスケット
・「サブレ」→バター風味でサックっとした食感のビスケット類
鍋に入れたり、焼いたりして食べる、鶏肉や魚肉の練り物を「つくね」または「つみれ」と言います。 この二つには次のような違いがあります。
つくねとは
「つくね」は、「つくねる」を略した言葉で「こねて固める」事に由来します。ですから本来は手でこねて丸めたものを「つくね」と言います。
しかし、加工食品等、工場で生産するものは、技術の進歩によって、本来「手でこねる」工程を機械でできるようになっており、最近では「手でこねた」かどうかはあまり重要視されなくなってきています。 鶏肉や魚肉のすり身に、つなぎや調味料を加えて練り、団子状や棒状に成形した食品全般を「つくね」と言い、その中で、「手でこねた」ものを「手ごねつくね」と表すようになってきています。
つみれとは
「つみれ」はつまんで入れる」「摘み入れる」を略した言葉で、練ったかたまりを用意し食べる量だけ鍋などに摘み入れるものをいいます。 「つくね」と同じ鶏肉や魚肉の「ねりもの」ですが、予め形を形成しないところに違いがあります。
要するに!
・「つくね」→手でこねて丸めたもの
・「つみれ」→ヘラなどで分けて摘み入れるもの
餡子(あんこ)を煮て餅や白玉などを入れた食べ物を、「おしるこ」または「ぜんざい」と言いますが、 この二つには次のような違いがあります。
おしることは
「こし餡」や「つぶし餡」を煮て、餅や白玉を入れた汁物です。「こし餡」や「つぶし餡」を使うため汁に小豆の原型が残りません。
ぜんざいとは
主に小豆を砂糖で甘く煮て、中に餅や白玉を入れた汁物です。焼き餅を入れる場合もあります。小豆と砂糖を煮ることで餡常の汁を作りますので汁に小豆が残ります。
要するに!
・「おしるこ」→汁を「こし餡」や「つぶし餡」で作る
・「ぜんざい」→汁を小豆と砂糖で作る
マグロやカツオをオイル漬けにした缶詰を、「ツナ」と呼んだり「シーチキン」と呼んだりします。 この二つには次のような違いがあります。
ツナとは
ツナ(tuna)は英語で、日本語に訳すと「マグロ」を意味しています。「マグロ」を原料にしている缶詰なので「ツナ缶」や「ツナ」と呼びます。
シーチキンとは
はごろもフーズ株式会社の商品名です。シーチキンという商品名は「ビンナガマグロ」を原材料にした「ライトミールツナ」が欧米でsea chicken(海の鶏肉) と呼ばれていた事に由来しています。
要するに!
・「ツナ」→マグロをオイル漬けにした缶詰の総称
・「シーチキン」→はごろもフーズの商品名
糸のように細く加工したこんにゃくを「糸こんにゃく」と言いますが、同じような食べ物を「白滝」とも言います。 この二つの名称には次のような違いがあります。
糸こんにゃくとは
こんにゃくを細く切って糸状にした物で関西が発生です。元々は切って糸状にしていましたが、現在では細い穴に通して糸状しています。
白滝とは
こんにゃく粉を水で溶いて糊状の状態で細い穴に通して糸状にしたもので、関東が発生です。
現在では両者とも細い穴に通して糸状にする製法が使われており、厳密な違いはありません。
要するに!
・「糸こんにゃく」→こんにゃくを細く切って糸状にした物
・「白滝」→糊状の状態で細い穴に通して糸状にしたもの
・現在では同じもの
スーパーの肉売り場等の国内の牛肉には「和牛」と書いてある場合と「国産牛」と書いてある場合があります。 この二つの名称には次のような違いがあります。
和牛とは
日本に在来する特別な種類の牛です。現在では「黒毛和種」「褐色和種」「日本短各種」「無角和種」の4種類があります。 正真正銘の日本の牛です。
国産牛とは
上記「和牛」意外の国内産牛肉です。 ただし、一定期間以上日本国内で飼育されていれば「国産牛」と表記することが出来ますので、必ずしも日本生まれの牛という訳ではありません。
要するに!
・「和牛」→日本に在来する特別な種類の牛
・「国産牛」→一定期間以上日本国内で飼育された牛
砂糖を主材料とし固めて作ったお菓子を日本では「飴(あめ)」と言います。この飴を表す言葉として「キャンディ」と「ドロップ」がよく用いられます。 この二つには次のような違いがあります。
キャンディとは
砂糖を主材料とするお菓子の総称です。綿あめやマシュマロ、ラムネ等も含まれます。 また凍らせて食べる、俗に言う「アイス」も砂糖を主材料としているものは「アイスキャンディ」と呼び、キャンディに含まれます。
ドロップとは
キャンディの種類の1つです。140?160度で煮詰めて作る固いキャンディをドロップといいます。
要するに!
・「キャンディ」→砂糖を主材料とするお菓子の総称。
・「ドロップ」→高温で煮詰めて作る固いキャンディ。
もち米を丸めて餡(あん)をまぶした和菓子を「ぼたもち」と言いますが、「おはぎ」という名称もあります。 こしあんと粒あんの違い?大きさの違い?などなど、巷でささやかれますが実は、おはぎとぼたもちは基本的に同じ食べ物なのです。 この二つは食べる時期に違いがあります。
ぼたもちとは
漢字では牡丹餅と書きます。つまり「牡丹の季節」春のお彼岸に食べるものをぼたもちと呼びます。
おはぎとは
漢字では、お萩と書きます。つまり「萩の季節」秋のお彼岸に食べるものをおはぎと呼びます。
要するに!
・「ぼたもち」→牡丹餅、春のお彼岸に食べる
・「おはぎ」→お萩、秋のお彼岸に食べる
ごはんをに炊いて味付けをした食べ物を「雑炊」または「おじや」と言います。 この二つの食べ物は、地域や家庭によって定義が曖昧ですが、大まかに次のような違いがあります。
雑炊とは
ご飯を水で洗いの粘りをとってから入れ、あまり煮込まず米粒を残します。
おじやとは
ご飯をそのまま鍋などに入れ汁気が少なくなるまで煮込みます。
要するに!
・「雑炊」→ごはんの原型があり汁気がない
・「おじや」→汁けが少なくご飯の原型が無い
・定義が曖昧でどちらを使っても間違いではない
フランスの菓子やデザートに使われよく知られている「ババロア」とムース。どちらもプルプルとした食感が特徴的です。 この二つの食べ物は次のような違いがあります。
ババロアとは
フランスの古典的なお菓子一つで、卵、牛乳、砂糖、生クリームなど、をゼラチンで固めプルプルした食感に仕上げたものです
ムースとは
「ムース(mousse)」は、「泡」という意味を持ち、メレンゲの泡が語源とされています。 つまり「ババロア」に改良して、卵白(メレンゲ)を加えた物です。「ババロア」に比べふわっとした柔らかい食感に仕上がります。
要するに!
・「ババロア」→ゼラチンでプルプルした食感を持つフランスの古典菓子
・「ムース」→ババロアに改良して、メレンゲを加えたもの
小麦粉に卵、砂糖、ベーキングパウダー、牛乳等を加えて練って作った生地をフライパンで焼くケーキと言えば「パンケーキ」。しかし同じ食べ物を「ホットケーキ」と呼ぶこともあります。 この二つの食べ物には次のような違いがあります。
パンケーキとは
日本で言う「ホットケーキ」の事です。海外では「パンケーキ」と呼ばれます。因みにパンケーキの「パン」はフライパンで焼くという意味で、ブレッドのパンではありません。 一般的には「ホットケーキ」より生地が薄めで甘くないものを「パンケーキ」と分類されていますが、定義は曖昧です。。
ホットケーキとは
フライパンなどで焼いた「ホット(温かい)」ケーキという意味を持っていますが、材料や作り方は「パンケーキ」と相違ありません。 一般的には、シロップなどをかけた「パンケーキ」よりおやつ的な感覚のものを「ホットケーキ」と呼びます。
要するに!
・「パンケーキ」→フライパンで焼くケーキ
・「ホットケーキ」→シロップなどをかけたおやつ的なパンケーキ
・定義は曖昧。明確な違いはない。
スーパーなどで見かける「シソ」と「大葉」。いったい何が違うの?って思ったことはありませんか? この二つには次のような違いがあります。
シソとは
シソ科シソ属に分類される植物で、様々な種類があります。食用にとしてーパーなどで売られる場合は「青ジソ」「赤ジソ」という名称が一般的です。
大葉とは
大葉は青ジソの別名です。つまりシソです。シソを売るにあたって、「シソの芽」と「シソの葉」の区別が必要となり、葉の方を「大葉」としたという説が有力です。、
要するに!
・「シソ」→シソ科シソ属に分類される植物
・「大葉」→青ジソの別名
「バター」と言えば、料理やお菓子などに使われる食材の一つです。これと似た食材に「マーガリン」というものもあります。 「バター」より「マーガリン」の方が比較的安価で手に入るため、バターの代用品としてマーガリンを使う事も多いのではないでしょうか? この二つの食材には次のような違いがあります。
バターとは
牛乳から脂肪粒を練圧したもので、成分は乳脂肪分が80%以上、水分が17%以下、大腸菌群は陰性のものを言います。
マーガリンとは
大豆油、菜種油、パーム油などの食用植物油脂を主な原材料とし、脂含有率が80%以上のものをいいます。 油脂含有率が75%以上80%未満のものを、「調整マーガリン」。油脂含有率が75%未満のものは「ファットスプレッド」という企画が定めれています。
要するに!
・「バター」→牛乳が主原料
・「マーガリン」→植物油が主原料
さんま等の焼き魚にキュっとしぼって爽やかな酸味を楽しむ青い柑橘、と言えば?「すだち」と「かぼす」が出てきますね。 この二つの柑橘、明確にどちらが「すだち」でどちらが「かぼす」なのかわかりますか?この二つの柑橘には次のような違いがあります。
すだちとは
徳島県の特産物で、9割以上が徳島県で生産されています。重さは1個40g程で、ピンポン玉程度の大きさのものです。
かぼすとは
大分県の県特産で、9割以上が大分県で生産されています。重さは100g?150g、テニスボール程度の大きさです。
要するに!
・「すだち」→ピンポン玉ぐらい
・「かぼす」→テニスボールぐらい
フルーツやアイスクリーム、生クリームなどを1つの器に盛り合わせて出されるデザートといえば「パフェ」。ところが、似たようなデザートを「サンデー」と言ったりもします。 この二つのデザートには次のような違いがあります。
パフェとは
「パフェ」は造語で、元々はフランス語の「parfait(パルフェ」からきた言葉です。 フルーツ、アイスクリーム、フルーツソース、シロップ、生クリームなどをトッピングして細長いグラスに盛り付けます。。 チョコレートとチョコレートソースをトッピングした「チョコレートパフェ」、イチゴとストロベリーソースをトッピングした「ストロベリーパフェ」などが代表的です。
サンデーとは
「サンデー」はアメリカが発祥です。とある公園近くのアイスクリームショップで日曜限定で販売されていた事に由来しています。 トッピングにはパフェとほぼ同じものが使われますが、比較的丸いガラスの器に盛り付けます。
要するに!
・「パフェ」→フランス生まれ細長いグラスに盛り付ける。
・「サンデー」→アメリカ生まれで丸いガラスの器などに盛り付ける
スープの定番ともいえる、「コーンポタージュ」と「コーンスープ」。一見、同じようなスープに見えますが、 この二種類のスープには次のような違いがあります。
コーンポタージュとは
ポタージュ(potage)はフランス語で鍋を意味し、鍋で素材を煮込んで作ったことに由来してます。 ポタージュはコーンを裏ごしして実が残っていない状態にしたスープです。裏ごしすることで、舌触りがよく滑らかな食感に仕上がります。
コーンスープとは
コーンを取り除かずに、コーンと一緒に食べ素材の食感を楽しむスープです。
要するに!
・「コーンポタージュ」→コーン裏ごしして滑らかな食感を楽しむスープ。
・「コーンスープ」→コーンを残しつぶつぶの食感を楽しむスープ。
夏になると食べたくなる「そうめん(素麺)」と「ひやむぎ(冷麦)」。味も形もほとんど同じように思いますがいったい何が違うのでしょう。 実は、小麦粉を練って引き延ばした「乾めん類」は、その太さや厚みによって定められています。
そうめんとは
JAS(日本農林規格)では、主原料に小麦粉と塩を使い乾燥させた「乾めん類」のうち、太さ直径1.3mm未満のものを「そうめん」と規定しています。 特例として、手延べの場合は太さ直径1.7mm未満のものは、そうめんと表示することができます。 これは、他のそうめんより太いという特徴が持つ徳島県名産の手延べ「半田そうめん」が、伝統にしたがって「そうめん」と表記できるよう、2004年にJASが改定改定を行いました。
ひやむぎとは
JAS(日本農林規格)では、主原料に小麦粉と塩を使い乾燥させた「乾めん類」のうち、太さ1.3mm以上1.7mm未満のものを「ひやむぎ」規定しています。 手延べの場合は太さ直径1.7mm未満のものは、そうめんと表示することができます。
因みに同規格では、1.7mm以上のものを「うどん」、幅4.5mm以上厚さ2.0mm未満のものを「きしめん」と定めています。
要するに!
・「そうめん」→「乾めん類」のうち、太さ直径1.3mm未満のもの
・「ひやむぎ」→「乾めん類」のうち、太さ1.3mm以上1.7mm未満のもの
イタリアンレストランと言えばスパゲッティですが、メニューを見ると「あれ?」パスタって書いてあることがありますよね。 知っている人にとっては、当たり前の話・・・かもしれませんが、「パスタ」と「スパゲッティ」には次のような違いがあります。
パスタとは
小麦粉をこねて作る、イタリアの麺類のようなものの総称で、様々なイタリア料理に使われます。 有名なものでは、「スパゲッティ」「マカロニ」「ラビオリ」「ペンネ」などがあります。 また「アマトリチャーナ」「フジッリ」「タリアテッレ」など日本ではあまり馴染の無いものも多数あり、その総数は650種類程あると言われています。
スパゲッティとは
多数あるパスタの種類の一つです。ロングパスタと言われ、日本のそばや、冷や麦と形状がよく似ています。 一旦乾燥させたものをお湯で戻すという調理方法も告知しており、日本で最もメジャーなパスタと言えます。
要するに!
・「パスタ」→小麦粉をこねて作る、イタリアの麺類のようなもの。
・「スパゲッティ」→多数あるパスタの種類の一つ。
パンに付けたりクッキーに乗せたりして食べると、甘くてとても美味しい「ジャム」。このジャムと似たような製品に「ママレード」というものがあります。 この二つには次のような違いがあります。
ジャムとは
果物を砂糖で柔らかく煮詰めたものです。 イチゴなどの野菜を用いる場合もあり、果実や野菜に含まれる多糖類のペクチンや酸の作用でゼリー状になります。 元々は、果実や野菜が日持ちするように考えられた、ヨーロッパの漬物のような食べ物です。
ママレードとは
上記、ジャムと加工方法は同じですが、主原料は柑橘類限定で果実の皮も加えるという特徴があります。 果皮が残っているため、やや苦味があります。
要するに!
・「ジャム」→果物を砂糖で柔らかく煮詰めた保存食。
・「ママレード」→原料が柑橘類、かつ皮を加えたジャム。
日本の三大食肉と言えば、牛肉、豚肉、鳥肉。しかし、もっとも古くから食べらててきたのは羊肉と言われています。 この羊肉には、「ラム」と「マトン」そして、「ボケット」と言われるものがありますが、これら三つには次のような違いがあります。
ラムとは
食用となる羊肉の中で、生まれて1年未満の羊肉のことをラムと呼びます。子羊の方が肉が柔らかく、臭みがない事から貴重な食材として好まれています。
マトンとは
食用となる羊肉の中で、2歳以上になった羊肉のことをマトンと呼びます。肉がやや硬く臭みがあることから、ジンギスカンやエスニック料理に用いられます。 またラムよりお手頃価格で購入できます。
ホゲットとは
ラムとマトンの中間、つまり生後1年以上2年未満の羊肉をホゲットと言います。しかし、国や地域によっても微妙な差があり厳密に規定されていなことから、ラム以外の羊肉はマトンとする国もあります。。
要するに!
・「ラム」→生後1年未満の羊肉
・「マトン」→生後2年以上の羊肉
・「ホゲット」→生後1年以上2年未満の羊肉
おにぎりや、お弁当の定番でご飯にぴったりの食材「タラコ」ですが、この「タラコ」は「明太子」と呼ばれる事もあります。 同じ食材の事を指していますが、この二つには次のような違いがあります。
タラコとは
介党鱈(すけとうだら)等の鱈の卵巣を塩漬けにした食品が「タラコ」です。鱈の子、タラコという訳ですね。 因みに真鱈(まだら)等の大きな種類の鱈は袋が大きくて固いのでタラコになりません。鱈の子全てがタラコという訳でなないのです。
明太子とは
福岡の名産品として有名な明太子ですが、介党鱈等の鱈の卵巣というところまでは同じです。タラコをさらに調味液などに付けて味付けした物を明太子と言います。 因みに関西では、唐辛子などを使って味付けした物を「辛子明太子」と言います。
要するに!
・「タラコ」→鱈の卵巣を塩漬けにした食品
・「明太子」→タラコを調味液につけて味付けした食品
寿司やかば焼き、ひつまぶしなど様々な食べ方がある「ウナギ」と「アナゴ」。食べれば誰でも見分けることが出来ますが、見た目だけで見分けることが出来ますか? 「ウナギ」と「アナゴ」には次のような違いがあります。
ウナギとは
ウナギ科ウナギ属に属する魚類の総称です。 ウナギの体は黒に近い灰色で下あごが出ていて、尾びれが少し丸くなっています。 ウナギはアナゴより脂質高く、高カロリーですが、コレステロ?ルを減少させるEPAや、脳を活性化させるDHAなど貴重な栄養素を含んでいます。
アナゴとは
ウナギ目アナゴ科に属する魚類の総称です。 アナゴは薄茶色で側面に白い斑点があります。ウナギが下あごが出ているのに対し、アナゴは上あごが出ています。 また、尾びれも尖っているのが特徴です。
要するに!
・「ウナギ」→灰色で下あごがでていて尾びれが丸い
・「アナゴ」→薄茶色で上あごがでていて尾びれが尖っている
おにぎりや、お好み焼き、和食全般によく使われる「海苔(のり)」ですが、この海苔を「青海苔(あおのり)」と呼ぶことがあります。 「海苔(のり)」と「青海苔(あおのり)」、いったいどこが違うのでしょう。二つの違いについて解説します。
海苔(のり)とは
水中の岩石についてこけ状をなす藻を海苔と言います。紅藻、緑藻、藍藻などの食用とする藻類全般、またそれらを加工してできる食品の総称です。 生海苔としてそのまま食されるほか、紙状にして乾燥させた板海苔や、それを焼き上げた焼海苔、板海苔に味付けをした味付海苔、瓶詰にした海苔の佃煮などの食品があります。
青海苔(あおのり)とは
緑藻綱アオサ目アオサ科アオサ属の海藻の総称で、緑藻に分類される「海苔」の一種です。 鮮やかな緑色と独特の香りが特徴で、食品としては粉末状に加工されたものが一般的です。たこ焼きやお好み焼き、焼きそばなどに振りかけたり、天ぷらの衣に混ぜて磯辺揚げにしたり、料理の風味付けや、お菓子のアクセントなど幅広く用いられます。
要するに!
・「海苔(のり」→水中の岩石についてこけ状をなす藻。食用とする藻類全般の総称。
・「青海苔(あおのり)」→緑藻綱アオサ目アオサ科アオサ属の海藻の総称。
春雨とビーフンはどちらも中国が発祥の細長い麺で、見た目の違いはほとんどありません。 また水で戻してから使うなど料理をするときの使い方も似ているので、名前以外にどこが違うのかわからない人も多いでしょう。 しかし春雨とビーフンには名前以外にも違いがあります。 違いがわかれば料理での使い方にも生かすことができるので、似ているようで違う春雨とビーフンの違いを知っておきましょう。
春雨とは
春雨とは、緑豆やジャガイモなどのでんぷんを原材料にしている麺です。緑豆やジャガイモなどのでんぷんを水と合わせ生地にした後、細長い麺の状態にしてから一度茹で冷凍・乾燥して作ります。
本場の中国では緑豆が使われますが、日本ではジャガイモやサツマイモを原材料とするケースがほとんどです。一般的な麺と比べると低カロリーなのでヘルシーな食材として人気が高く、最近ではインスタント食品に使われることも増えています。
ビーフンとは
ビーフンとは、うるち米やもち米のでんぷんを原材料に使用している麺です。精米したうるち米やもち米を使った米粉に水を加えて生地を作り、麺状にして乾燥させれば完成です。
最近ではうるち米の他にコーンスターチを加えたり、生地を茹でてから切断し麺状にする製造方法もあります。米粉を原材料とした麺は、小麦粉の生産量が少ないアジア地域では古くから作られており、ビーフンも中国や日本だけでなく東南アジアの国々でも幅広く使われています。
要するに!
・「春雨」→緑豆やジャガイモなどのでんぷんを原材料にしている麺。
・「ビーフン」→うるち米やもち米のでんぷんを原材料に使用している麺。
暑い夏場に口にすると、とても美味しいのがアイスクリーム。ところで、アイスクリームとよくにた氷菓子にシャーベットと呼ばれるものがあります。 この二つの違い、わかりますか?特に気にせずに食べている人も多いのではないでしょうか。 アイスクリームとシャーベットには次のような違いがあります。
アイスクリームとは
牛乳などの乳製品を空気を含ませつつ冷やしていき、粘度が高いクリームのようにした物をアイスクリームと呼びます。 一般的にはアイスクリームと称して呼ばれますが、商品種別では、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3種類に分類されています。
・アイスクリーム
乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪が8.0%以上のもの
・アイスミルク
乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪が3.0%以上のもの
・ラクトアイス
乳固形分3.0%以上入っているもの
アイスクリームの歴史は古く、古代ローマにおいて身分が高いものが蜜や果汁を垂らして味わっていたという記録があります。
シャーベットとは
シャーベットの語源はアラビア語で、採取した果物から得たシロップを水で薄めた上で氷を用いて冷やした飲み物という意味があります。 食品分野での分類分けでも、シャーベットは飲物とされています。
アイスクリームはミルクが濃厚でコクがありますが、シャーベットは食べると清涼感があります。飲み物と言われれば、なるほど納得できますね。
要するに!
・「アイスクリーム」→乳製品を空気を含ませながら冷やしクリームのようにした物。
・「シャーベット」→果物から得たシロップを水で薄め氷を用いて冷やした飲み物。
そば屋に行くと「ざるそば」と「もりそば」の2つのメニューがあります。両方ともせいろに載っているそばが出てきて、見た目もほとんど違いはありません。 違いと言ったら「ざるそば」の方が値段が少し高く海苔がかけられているということぐらい。つゆも同じな気がするのに、なぜそれだけで違う呼び名なのかご存知ですか? 「ざるそば」と「もりそば」には次のような違いがあります。
ざるそばとは
ざるそばは、江戸時代中期、現在の東京に位置する深川州崎にある「伊勢屋」というそば屋さんで、そばを竹ざる盛って出されたのが始まりだと言われています。
明治になると「ざる汁」という、「もりそば」とは違うみりんを使ったコクのある汁が使われて、海苔が載せられるようになりました。
また、そばの実の中心部分のみの粉で作った白っぽい麺をざるにもって出すスタイルが主流になり現在の「ざるそば」になりました。現在では専用の汁を使うところは少なくなってしまっています。
もりそばとは
もりそばは、元々はせいろで蒸すと調理方法だったため、せいろのまま提供されることが多く、高く盛られることから「もりそば」と呼ばれるようになりました。
江戸時代の元禄頃には、最初から汁がかけられた状態で提供される「かけそば」「ぶっかけそば」が流行っていましたが、それらと区別するために「もりそば」と名付けて提供したのが始まりと言われています。
現在はせいろ蒸すことはほとんどなく、ざるそばと同じように釜で茹でて調理するようになっており、「ざるそば」と「もりそば」の違いはほとんどありません。
要するに!
・「ざるそば」→本来はつゆに「みりん」を使う。海苔が乗っている。
・「もりそば」→本来は「せいろ」出蒸す。つゆに「みりん」は使わない。
ピラフとチャーハン、どちらも油で炒めてさまざまな具材を加えた味の付いたご飯であり、どこが違うのだろうと思ったことはありませんか?
ピラフは西洋、チャーハンは中華といったように国の違いだと考えている人もいますが、これも少しだけ異なっています。 完成した料理を見ると同じようですが、作り方を知ると違いがよく分かります。
ピラフとは
ピラフとは炒めた米をさまざま具材と一緒にスープで炊いた料理で、トルコ料理が有名です。ただインドから中近東を経て、ギリシャまで調理方法が広がって各地に同じような作り方をする料理があります。
エビや貝などの魚介類、鶏肉をはじめとする肉類、キノコやタマネギなどの野菜を食べやすい大きさにカットして、弱火で軽く火を通す、生のままでも問題ありません。米をフライパンでバターで炒めて、同量のスープと具材を加えて炊き上げて完成です。
チャーハンとは
チャーハンとは炊き上がった白米をさまざまな具と共に油で炒めた料理で、中国が発祥だと言われています。ただ類似する料理は世界中に多くあり、タイではカーオパット、インドネシアやマレーシアではナシゴレンなどがあります。
炒めるのに使用する油はラードが大半ですが、家庭ではゴマ油など植物油が多いです。出来上がった食感としてパラパラ系としっとり系で好みが分かれており、具材に関しても特に決まりはありませんので、家庭では好みで作ることができます。
要するに!
・「ピラフ」→ピラフとは炒めた米をさまざま具材と一緒にスープで炊いた料理。
・「チャーハン」→炊き上がった白米をさまざまな具と共に油で炒めた料理。
牛丼は全国チェーンのお店があることでも知られる定番料理の1つであり、多くの方から親しまれているメニューでもあります。それとよく似た料理として牛とじ丼があります。
この2つは食堂形式のお店ではどちらもメニューに載っていることがありますが、違いをご存知でしょうか。この違いを知っておくとお店で注文するときだけでなく、何かの機会で料理する際にも役立つかもしれません。実は見た目も含めていくつかの違いがあります。
牛丼とは
そもそも牛丼とは薄く切った牛肉と玉ねぎなどの野菜を煮込み、ご飯にのせた料理のことです。煮込む際には醤油やみりんなど調味料が使用されます。
煮込んだタマネギがつゆに溶け出していることも大きな特徴となっており、つゆを多めに入れたつゆだくを好む人々もいます。トッピングとしておろしポン酢や高菜、生姜などといったものを付けるケースもあります。
チーズを上に載せるのも非常に人気となっていて、シンプルかつアレンジしやすい料理とも言えます。
牛とじ丼とは
牛とじ丼とは牛丼の具を卵でとじた状態にしてからご飯の上に盛る料理です。つまり、作り方は途中まで牛丼と同じです。極端にいうと牛丼を作ってから牛とじ丼にするということになります。
この料理は親子丼と対比させる意味で他人丼と呼ばれることもありますが、その場合は豚肉でも同様の呼び方になります。また、文明開化を象徴する料理ということから開花丼とも呼ばれることもあります。卵でとじただけで大きくレシピが変わるわけではありませんが、味わいは牛丼よりもまろやかになります。
要するに!
・「牛丼」→薄く切った牛肉と玉ねぎなどの野菜を煮込み、ご飯にのせた料理。
・「牛とじ丼」→牛丼の具を卵でとじた状態にしてからご飯の上に盛る料理。
お好み焼きといえば大阪発祥の食べ物として有名ですが、モダン焼きもその一つであり、大阪のお好み焼き屋さんに行くと必ずと言っていいほど書いてあるメニューです。 しかし、このモダン焼きと普通のお好み焼きとの違いとは何なのか、大阪出身以外の人ですぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。 この2つには次のような違いがあります。
お好み焼きとは
お好み焼きとは、おもに広島と大阪が本場争いを繰り広げているソウルフード的な食べ物で、作り方に細かい差ありますが、一般的にはキャベツ・もやし・豚バラ肉や場合によっては魚介類などの具材を、薄く焼いた小麦粉の生地に混ぜ、高熱の鉄板で焼き上げたものになります。
家庭でも作ることができるため、それぞれの家にそれぞれのレシピが存在している身近な食べ物です。
モダン焼きとは
モダン焼きとは、上記のお好み焼きに焼きそば(場合によってはうどんも)を混ぜたものです。モダン焼きはよく広島風と誤解されることがあります。
しかし、あくまでこれは関西風のお好み焼きに焼きそばをいれたもので、間違えると大阪の人の怒りを買います。間違えないように気を付けましょう。
要するに!
・「お好み焼き」→キャベツ・もやし・豚バラ肉などの具材を小麦粉の生地に混ぜ鉄板で焼き上げるソウルフード
・「モダン焼き」→関西風のお好み焼きに焼きそばを混ぜたもの
多国籍料理のお店が立ち並び、多くの国の味覚を堪能することができるようになった近頃は、インド料理屋さんで、ナンやチャパティを注文したことがある人も多いはずです。ですが、このナンとチャパティ、とても似ていますよね。同じものだと誤解している人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には原材料や作り方、また本場インドでの家庭でのあつかいなど、すべてに大きな違いがある食品なんです。この違いを理解して、もっとおいしくインド料理を食べてみましょう。
ナンとは
ナンとは、小麦粉の生地に、砂糖や粉ミルクなどを配合して捏ね上げた後、半日くらい置いて自然発酵させ、出来上がった生地をタンドールという縦釜の内側に張り付けて焼きあげたものです。
今のナンはインド料理の印象が強いですが、もとはペルシャがルーツの食べ物であり、約7,000~8,000年前から作られ始めたそうで、歴史的に も見ても最も長く食べられているパンの一つでもあります。特性の窯が必要なため、現地でも専門のお店で買ってきて、主食として色々なものと一緒に食べているそうです。
チャパティとは
チャパティとは、アタとよばれる小麦の全粒粉の粉と水、塩のみで作るものが原則となります。このチャパティはナンと違って、一般家庭でも作ることができるという特徴があります。
上記の材料をこねて生地を2~3時間休ませたら、出来上がった生地を薄く延ばし、高温に熱した鉄板やフライパンに載せて一気に膨らまして焼きます。チャパティもナンと同様、カレーや豆・肉料理と一緒に食べることが多い食品で、特にベジタリアンの人にも高い人気を誇る食材です。
要するに!
・「ナン」→小麦粉の生地に、砂糖や粉ミルクなどを入れて捏り、タンドール(縦釜)の内側に張り付けて焼きあげたもの
・「チャパティ」→小麦の全粒粉の粉と水、塩のみで生地を作り鉄板やフライパンで焼き上げたもの
お店のメニューに「カツ丼」としか書いてあった時、どんなカツ丼を想像しますか?とろとろ卵に包まれた、出汁たっぷりのつゆだくカツ丼、はたまた、キャベツはシャキシャキ、衣はサクサクのソースかつ丼。どちらも美味しいですが「こちらが食べたい」というときに別の丼物が出てくるとがっかりすることもありますね。
ところで、カツ丼にはカツとじ丼という呼び方もあります。この二つはいったいどんな違いがあるのでしょう。
カツ丼とは
カツ丼とは、大正時代ごろに日本で生まれた、広く愛される和食の一つで、ごはんの上に油で揚げたカツが乗った丼物の総称です。カツ丼は地方色が豊かで、名古屋では有名な味噌カツ丼、岐阜にはあんかけカツ丼などがあります。また、カツ丼といえば種類を言わなくてもソースかつ丼だ、という地方もあるようです。また定番のトッピングが、関東ではグリンピース、関西では海苔と細かな違いがあります。
また、かつ丼といえば主に豚肉のカツをさすことが多いですが、広義にはミンチカツやビーフカツ、エビカツの乗ったものもあります。これら全てを総じてカツ丼と呼びます。
カツとじ丼とは
カツとじ丼とは、カツ丼の中でも、出汁でカツを煮て、そこに卵をまわしかけたもののことで、ふわふわの卵と、出汁がたっぷり染み込んだカツが特徴的です。
煮た具に卵をまわしかけた料理を「卵とじ」といい、「カツを卵でとじた丼」なのでカツとじ丼というわけです。その作り方から「カツ煮」や「煮カツ」と呼ぶ地方もあるようです。
「カツ丼」と「カツとじ丼」は全く異なる食べ物というわけではなく、「カツとじ丼」は「カツ丼」の作り方の一つだという事ができます。
要するに!
・「かつ丼」→ごはんの上に油で揚げたカツが乗った丼物の総称
・「カツとじ丼」→カツ丼の中でも出汁でカツを煮て、卵をまわしかけたもの
うな重は多くの方から人気を集めている料理の1つです。タレのよく染み込んだうなぎとご飯を同時に食べた時のあの美味しさに感銘を受けたという方もおられるのではないでしょうか。
このうな重ですが、よく似た料理にうな丼というメニューもあります。うな重とうな丼の違いについてご存知でしょうか。この2つの料理は根本的にはかなり近い特徴を持っているものの、違いも実はある程度はっきりしています。違いを知っていると注文するときに役立つかもしれません。
うな重とは
うな重とは重箱にご飯を入れてその上にタレの染み込んだうなぎをのせた料理です。かつてはご飯の上にうなぎをのせて、その上にもう1度ご飯を重ねて一番上にもうなぎをのせるという二段構造で作られていたため、うな重と呼ばれていました。
最近では多くのうな重が一重構造で提供されていますが、昔の名残や、重箱に入れられていることから「うな重」の名前は変わっていません。また現在でも、昔ながらの二重構造のうな重を出しているお店が一部あります。
うな丼とは
うな丼とは丼にご飯を入れてそこにタレを染み込ませたうなぎをのせた料理です。器が丼になっているため、重箱に比べると敷き詰める面積が少し狭くなっています。そのため、うな重よりはうなぎの量が少ないという特徴があります。
うな重よりもリーズナブルな価格で提供されているので気軽に食べやすいという特徴もあります。
要するに!
・「うな重」→重箱にご飯を入れてタレの染み込んだうなぎをのせた料理
・「うな丼」→丼にご飯を入れてタレを染み込ませたうなぎをのせた料理
ホットドックとアメリカンドックの違いをとっさに答えることができる人はどのくらいいるのでしょうか。今では日本のコンビニエンスストアやお祭りの屋台などですぐに食べられる手軽なイメージがありますが、どちらももともとはアメリカからやってきたジャンクフードです。
アメリカや日本以外の国でも、気軽に食べられているホットドックとアメリカンドックの違いについて解説します。
ホットドックとは
ホットドックとは、世界の国々の中でも主に北米・ドイツ・日本において軽食の地位を築いている食べ物です。その内容は国によって少々異なり、北米では牛肉を含んだ合い挽き肉のソーセージを使うのが一般的ですが、日本では豚肉ソーセージ・ウィンナーが使われていることが多いです。
パンに関しては、日本では照りのついた細長いロールパンに上から垂直に切り込みを入れますが、他の国では横から切れ目を入れて、ソーセージに炒めたキャベツなどを入れます。
アメリカンドックとは
アメリカンドックとは日本でだけ存在する和製英語で、豚肉ソーセージを串に刺して小麦粉などで作ったドーナツ生地をつけて油で揚げたものです。高速道路のサービスエリアなどでもお馴染みのファーストフードで、ケチャップとマスタードをつけて食べるのが一般的です。
時には魚肉ソーセージを使うこともあり、その場合は「フレンチドック」とも呼ばれます。アメリカでは衣となる生地にコーンミールを使うことから「コーンドッグ」と呼ばれています。
要するに!
・「ホットドック」→ロールパンに切り込みをいれてソーセージを挟んだジャンクフード
・「アメリカンドック」→ソーセージを串に刺してドーナツ生地をつけて油で揚げたもの
鉄火丼とマグロ丼はどちらもマグロをどんぶりの上にのせた料理ですが、このふたつには大きな違いが見られます。 「鉄火」というと、鉄火丼の他に鉄火巻き等にも使われていますが、この「鉄火」という言葉の意味を知ると鉄火丼とマグロ丼の違いがよく分かります。
鉄火丼とは
鉄火丼とはどんぶりなどの器に酢飯を盛りつけて、その上にマグロの切り身をのせたどんぶり料理です。 鉄火丼の「鉄火」は真っ赤に燃えた鉄をさす言葉で、マグロの赤い色とワサビの辛さを鉄火にたとえています。そのため鉄火丼にはマグロの赤身が用いられます。
また、ご飯には酢飯を使いますので、ジャンルとしてはどんぶり料理というより寿司に分類できます。ですから、どんぶりではなく重箱やおひつなどの入れ物に盛りつけられることもあり、ワサビやガリ、刻みのりなどを一緒に添えることが多く見られます。 鉄火は鉄に熱を加えて赤く焼けた様子をあらわし、一般的には赤身の部位が用いられます。"
マグロ丼とは
マグロとはどんぶりなどの器に炊き立ての白飯を盛り、その上にマグロの切り身をのせた、どんぶり料理のです。酢飯ではなく白飯を盛りますので「寿司ではない」という点が鉄火丼との大きな違いの一つです。
また、鉄火丼は赤身のみを使用しますが、マグロは赤身に限らず、中トロや大トロなどの部位がのせられることもあります。
広義には、しょうゆ漬けにしたマグロの刺し身をのせた漬け丼や、ペースト状にしたマグロと刻んだネギを混ぜて作るネギトロ丼も、マグロ丼に該当するといえるでしょう。
要するに!
・「鉄火丼」→酢飯の上にマグロの赤身をのせた丼
・「マグロ丼」→白飯の上にマグロをのせた丼。寿司ではない。
ビールのおつまみとして人気の高いサラミとカルパス。子供がおやつに食べたりもしますが、この二つってどこが違うのだろう?と思ったことはありませんか。 子供でも食べやすい一口サイズがカルパス、大人向けの大きいのがサラミという認識の人もいらっしゃるかもしれませんが、この二つには発祥や製法に次のような違いがあります。
サラミとは
サラミとは牛もしくは豚のひき肉を原材料としているか、牛肉と豚肉を合わせた合挽き肉を主原料にしており、発祥地はイタリアで本国ではドライソーセージという扱いをされています。
ひき肉に対してラードや調味料、香辛料といった物を混ぜた上で腸詰めし、加熱する事無く2ヶ月から3ヶ月程かけて乾燥させて熟成した物が一般的です。 日本では、規格が明確に定められており、水分量が35%以下になっていればドライソーセージとして扱われます。
カルパスとは
カルパスも牛と豚を使う所まではサラミと同じですが、加えて鶏のひき肉も使う点が異なり3種類の肉で作り出した合挽き肉にて生成するロシアが発祥の食べ物です。
また、サラミはドライソーセージですがカルパスは、水分量55%を以下、36%以上のセミドライソーセージに分類されます。 さらにカルパスの場合は2ヶ月から3ヶ月間熟成させる前に、加熱を行うという特徴があります。
要するに!
・「サラミ」→イタリア発祥、日本ではドライソーセージに分類
・「カルパス」→ロシア発祥、日本ではセミドライソーセージに分類
みずみずしい見た目に和を感じる雰囲気のお菓子といえば、外郎(ういろう)と羊羹(ようかん)。この二つは見た目がとても良く似ています。
あまりに見た目が似ているので、どっちが外郎でどっちが羊羹だったかな?と分からなくなることありますよね。二つの違いと由来を紹介します。
外郎(ういろう)とは
外郎(ういろう)とは米粉といった穀物の粉に湯水や砂糖を混ぜ合わせた上で蒸して作り出すお菓子です。もち米やうるち米等のもち米、またわらび粉や小麦粉が選定される事もあります。
非常に歴史が古く諸説ありますが、江戸時代、ういろうと呼ばれる口内を爽やかにする品があり、それに外見が良く似ていた事から呼び名が定着したという説が有力です。
全国的に売られていますが、各地でそれぞれの特色があります。名古屋や伊勢、小田原や京都の物は人気が高く名物として親しまれています。
羊羹(ようかん)とは
羊羹(ようかん)とは小豆を主としている餡(あん)を容器に流し寒天を加え固めて形成した和菓子です。寒天を使う事で涼しげで美しい見た目に仕上がります。
羊羹は漢字で「羊」と書くように、元々は羊を食材として用いた煮凝りを指す名称でした。しかし、仏教の教えで僧侶が動物を口にする事は厳禁であったため、小豆餡(あずきあん)を使い外見をよく似せて作り上げた事が現在の羊羹の始まりと言われています。
ようかんには、葛粉と小麦粉を入れた「蒸し羊羹」、寒天の量を通常より減らした「みず羊羹」等の種類があります。
要するに!
・「外郎」→米粉等の穀物の粉に湯水や砂糖を混ぜ合わせ蒸して作った和菓子
・「羊羹」→餡(あん)を容器に流し寒天を加え固めて形成した和菓子
大ぶりの柑橘系と聞いてすぐに思い浮かぶのは、「はっさく」と「いよかん」ではないでしょうか。
どちらも、甘みの中に爽やかな酸味を感じられる、大人から子どもまで食べやすい人気のフルーツ。しかも、どちらも「みかん」より皮が厚くサイズが大きいという特徴があり間違えやすいですよね。
この二つの違いを知っておくと、買い求める時に参考になるかもしれません。
はっさくとは
はっさくは取り扱われるのは冬で、寒さの厳しい時期に多く流通するという特徴があります。スーパーマーケットなどで見かけるのは12月の下旬頃から翌年の2月の終わり頃までです。
個別に食べるとよく似た味に感じるものの、実は「いよかん」に比較すると酸っぱい様子よりも若干甘みの方が勝るという特性があります。また皮は「はっさく」の方が固く、外側のみならず内側にある皮と粒についても固めにできています。
いよかんとは
いよかんとは元来意識的に生み出そうとして実をつけたものではなく、明治の初頭に山口県にある村にて偶発的に見つけられた種類と言われています。
その後1966年に現在の名前が命名されたのですが、爽快感がある味が人気を博し農家が次々と苗木の育成を開始、現在のように大量かつ安定的に流通するようになりました。
「はっさく」と比べた場合、酸っぱいので味付けが濃い料理を食べた後の口直しに適していますし、女性が妊娠したときに食べたくなるという声もあるようです。
要するに!
・「はっさく」→いよかんより若干甘く皮が硬い
・「いよかん」→はっさくより若干酸っぱく皮が柔らかい
鍋料理や漬物などに使用される大根と蕪、どちらも白い色に緑の葉っぱを持っていて、見た目が似たような食材です。形が若干違うものの、料理をしたあとではほとんど区別がつきません。
何気なく食べた時に気になったことはありませんか。そんな大根と蕪(かぶ)の違いについて解説します。
大根とは
アブラナ科ダイコン属に分類される越年草で、名前の由来は大きな根っこを意味するところからきています。食材としての旬は冬で全体的に甘いですが、先端のほうは辛味を持っています。また、旬を過ぎると全体的に辛くなるので生食には旬の大根が向いていません。
基本は煮込まれることが多い大根ですが、きざんでサラダにしたり、おろして薬味にするなど生食としても多く用いられます。葉っぱのほうも食べる事ができ「すずしろ」と呼ばれる春の七草のひとつとされています。
蕪(かぶ)とは
アブラナ科アブラナ属に分類される越年草で、語源は諸説ありますが、頭を意味する「かぶり」、または根を意味する「株」からと言われています。
食材としての旬は冬から春にかけて、基本は白い根茎を食します。「千枚漬け」という漬物が有名ですが、その他に煮物でも使うことができます。味が染みやすく煮崩れしやすいという特徴があり、大根とは基本的に調理方法が異なります。
蕪の葉っぱは、春の七草のひとつ「すずな」とよばれ、こちらも残すところがない食材と言えます。
要するに!
・「大根」→煮込み料理、生食、漬物など幅広く使える食材
・「蕪」→煮崩れしやすいので、漬物などに向いている食材
「つぶあん」と「こしあん」のどちらが好きか?と言う話題になった事、誰もが一度はあるのではないでしょうか。
ある、SNSのアンケート調査では「こしあん」が7割を占めており、つぶあん派は3割しかいないという結果が出ています。 このように分かれている理由は、二つの口当たりの違いに関係があるようです。
つぶあんとは
つぶあんとは小豆を茹でて粒にした状態のまま砂糖といった味付けを行った上で煮詰めて仕上げるものなのですが、口にした時の食感からもわかる通り当然外側にある皮は残したままにします。
そのようにあえて皮を残すのがつぶあんにするために重要なポイントであり、煮詰め方によって同じ物でも若干食感や風味が異なります。
皮を残すので栄養価、カロリーが高く、栄養補給や疲労回復を目的としている時に最適です。
こしあんとは
こしあんとは茹でるという方法まではつぶあんと同一なのですが、その後に濾すという作業を追加する点から違いがあり、皮を除去した上で砂糖を投入しながら練り上げていきます。
こしあんとの違いを出すためのポイントは2点あり、皮の除去と練るという工程を行えばつぶあんがこしあんになります。
こして皮を物理的に取り除いているので当然その分カロリーは低くなり、100グラムで比較すると「つぶあん」よりおよそ90キロカロリー程低くなります。ダイエット中は「こしあん」を選ぶようにしましょう。
要するに!
・「つぶあん」→皮の食感がある。栄養価とカロリーが多い
・「こしあん」→皮の食感がない。カロリー控えめ
南国をイメージさせる果物といえば、パパイヤもマンゴー。この二つは見た目も味も異なるのですが、家庭で食べる機会がそれほど多いため、区別がつかないという人もおられるでしょう。
特にマンゴーは、少し前までは高級な果物とされあまり見ることがありませんでした。近年では身近な果物としてスーパー等に並ぶことも増えてきましたので、パパイヤとマンゴーの違いをぜひ覚えておきましょう。
パパイヤとは
パパイヤとは常緑高木の果樹でパパイヤ科のパパイヤ属に属しています。主に中南米が原産とされる果物です。果実の大きさは長さが15センチから20センチ、直径は10センチほどのヘチマの形をしています。
皮も果肉も黄色からオレンジ色をしていて、実の真ん中には5ミリほどの黒い種がたくさん入っています。ねっとりとした食感と強い甘みが特徴で、生食されるだけではなくジュースやピューレ、ドライフルーツなどにも加工され親しまれています。
マンゴーとは
マンゴーとはパパイヤと同じく常緑高木の果樹で、ウルシ科マンゴー属に属しています。主な原産地はインドやインドシナ半島です。
果実は長さが3センチから25センチ、直径が2センチから15センチと品種によって大きな幅が見られます。
日本で多く親しまれているマンゴーはアップルマンゴーやペリカンマンゴーなどで、果肉は黄色やオレンジ色です。中央には大きな種が一つだけ入っていて、果肉はジューシーで酸味があり、濃厚な甘みを持っています。
要するに!
・「パパイヤ」→長さが15センチから20センチ、直径は10センチほどのヘチマの形で黒い種がたくさん入ってる
・「マンゴー」→長さが3センチから25センチ、直径が2センチから15センチ、大きなタネが一つだけ入っている
寿司や居酒屋のメニューでカツオを使った料理に「初ガツオ」や「戻りガツオ」と書いてあることがありますね。どんな違いがあるのか気になったことはありませんか?
呼び名が変わる魚と言えば、ハマチからブリ等の出世魚が思い浮かびますが、カツオは出世魚ではありません。ではなぜ異なる名前を持っているのでしょうか。二つの違いについて解説します。
初ガツオとは
スズキ目サバ科カツオ属の海水魚「カツオ」で初ガツオと呼ばれるのは、4月から6月頃、黒潮の流れに乗って太平洋岸を北上するカツオです。
イワシなどの小魚を捕食しながら北上し、その途中で漁獲されるため脂身よりも赤身が多いのが特徴です。まだ脂身が少ないため、加工食品にしたり、独特な臭みが残っていることも多いことから軽く炙ってタタキにして食べることが多いです。さっぱりして淡泊な味わいです。「目には青葉、山ホトトギス、初鰹」と詠われるほど縁起の良い初物とされています。
戻りガツオとは
スズキ目サバ科カツオ属の海水魚「カツオ」で戻りと呼ばれるのは、三陸沖まで行ったカツオが9月から11月頃に水温の低下に伴い南下してきた回遊魚です。
夏場に餌をしっかり食べるため、初ガツオに比べ脂がのっているのが特徴です。さらに脂がのっているカツオはトロガツオとも呼ばれ、とても濃厚な味わいで寿司や刺身にするなど生のまま食べることが多いです。脂肪の含有量で言えば10倍も多く、栄養価も高く高タンパク低脂肪なのでとても健康的な魚といえます。
要するに!
・「初ガツオ」→4月から6月頃、黒潮の流れに乗って太平洋岸を北上するカツオ
・「戻りガツオ」→カツオが9月から11月頃、三陸沖から南下してきたカツオ
日本に昔からある代表的な甘いスイーツにみつまめとあんみつがあります。これらは、江戸時代からあるともいわれており、庶民の間で親しまれてきました。
どちらも寒天が入っており、黒みつをかけて食べるのが魅力的ですが、いったい何が違うのかと聞かれると答えられる人は少ないのではないでしょうか。みつまめとあんみつの違いを説明します。
みつまめとは
みつまめとは、茹でた赤エンドウ豆にシロップをかけた和風のお菓子です。赤エンドウ豆の他に、正方形にカットされた寒天と、サクランボや乾燥パイン・乾燥ミカンなどを添えるのがポイントです。
最近では、寒天をコーヒーゼリーにして仕上げたり、アイスクリームやソフトクリームを乗せた「みつまめ」もあり若い女性に人気のある商品となっています。
あんみつとは
あんみつとは、みつまめと同様、茹でた赤エンドウ豆を利用した和風のお菓子です。正方形にカットされた色とりどりの寒天、また乾燥したパインやミカンなど添えるのも「みつまめ」と同じです。
ではあんみつとみつまめの違いは何でしょう。実は、字のとおり「あん」が入っているかどうかなのです。「あんみつ」を漢字表記にすると「餡蜜」となり、そのとおり「みつまめ」に「こしあん」入れたものが「あんみつ」なのです。「みつまめ」のバリエーションの一つという事も出来ます。
最近では、クリームを乗せたあんみつ、白玉あんみつなどもあり、人気の高いスイーツとなっています。
要するに!
・「みつまめ」→茹でた赤エンドウ豆にシロップをかけた和風のお菓子
・「あんみつ」→みつまめに「こしあん」をいれたもの
日本酒と焼酎は、酵母と麹の2つの微生物を活用して作るという点では共通する。
酵母と麹を活用するのは東アジアの酒の特長で、西洋のビール・ウイスキー・ワインなどにはない作り方である。
しかし、焼酎と日本酒では、原料・製造方法・アルコール度数・カロリー・飲み方など多くの違いがある。
日本酒の原料は「酒米」と呼ばれる酒造用の米である。
焼酎の原料は多くの種類があり、米・麦・芋(サツマイモ)が有名だが、その他にも蕎麦・黒糖・栗・胡麻・ジャガイモなどがある。
日本酒と焼酎の一番大きな違いは作り方である。
日本酒は「醸造酒」と呼ばれる酒で、ビール・ワイン・紹興酒などが仲間である。
焼酎は「蒸留酒」と呼ばれる酒で、ウイスキー・ブランデー・泡盛などが仲間となる。
詳しくは「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の違いを参照。
作り方の違いにより、アルコール度数は醸造酒よりも蒸留酒の方が高くなる。
そのため、日本酒のアルコール度数が約15度であるのに対し、焼酎は20~25度と、焼酎の方が高い。
お酒のカロリーは基本的にアルコール度数に比例するため、日本酒よりも焼酎の方がカロリーは高い。
日本酒100g当たりのカロリーは、純米酒や純米吟醸酒が103kcal、吟醸酒が104kcal、本醸造酒が107.1kcal、清酒が109kcal。
焼酎100g当たりのカロリーは、乙類が146kcal、甲類が206kcalである。
日本酒の飲み方は、常温のままや冷やしたり燗したりと温度の変化はあるものの、ストレートで飲むのが普通である。
焼酎は日本酒と同じようにストレートでも飲むが、オンザロック・水割り・お湯割り・炭酸割り・サワー割りなど、氷を入れたり他の飲み物で割って飲むことが多い。
その他、味わいや香り、飲みやすさや二日酔いのなりやすさなどもあるが、日本酒と焼酎のそれぞれに多くの種類があることや、個人の味覚・感覚・体質などによって異なるため、ハッキリとした違いとして説明することはできないものである。
ウイスキーとブランデーは、ともに琥珀色をしており、アルコール度数40度程度の蒸留酒で、蒸留後には樽で貯蔵熟成させるなど、共通点が多い洋酒である。
しかし、ウイスキーとブランデーでは、原料・産地・飲み方に違いがある。
ウイスキーの原料は、大麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物。
ブランデーの原料には、ブドウ・リンゴ・サクランボなどの果実が使用される。
穀物を発酵して蒸留し、樽で熟成させたものが「ウイスキー」となり、発酵した果実(ワイン)を蒸留し、樽で熟成させたものが「ブランデー」になるのである。
ウイスキーの主な産地は、イギリス・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本で、ドイツ・タイ・インドなどでも生産されている。
ブランデーはワインから作られるため、フランスのブランデーが有名であるが、果実が実るところであれば作ることができるため、イタリア・ドイツ・ギリシャ・スペイン・ロシア・アメリカ・スイス・メキシコ・ペルー・チリ・アルゼンチン・オーストラリア・南アフリカ・日本など、世界各地で生産されている。
ウイスキーは、ストレート、オン・ザ・ロックス、ハーフロック、水割り、ハイボール、ホットウイスキー、ウイスキーフロートなど、様々な飲み方がある。
ブランデーは、ストレートで飲むが基本で、冷やしたり温めたりせず、室温のまま飲むのが一番である。
以前は、ブランデーの芳醇な香りを立ちのぼらせるために、ブランデーグラスの底を手のひらで包み込むように持ち、軽く揺すって手の温度を伝え、香りを立たせて飲む飲み方が一般的であった。
しかし、現在のブランデーは製造技術の進歩によって、そのようなことをしなくても香りが立ちやすくなっている。
温めれば香りは更に立ちやすくなるが、アルコールが揮発して刺激が強くなってしまうため、グラスはブランデーグラスではなく、グラッパグラスやフルートタイプのシャンパングラスを使い、脚の部分を持って温めないようにする飲み方が推奨されている。
ミルクティーは、カップに入った熱い紅茶に少量の牛乳を入れて作る。
牛乳は少量しか使わないため、冷蔵庫から取り出したものでも常温でも大差はないが、温めた牛乳を入れてしまうと紅茶の香りが損なわれる。
ロイヤルミルクティーの作り方には、温めた牛乳に紅茶の茶葉を入れて煮出し、茶葉をこしながらカップに注ぐ方法と、温めたお湯に紅茶の茶葉を入れて茶葉を開かせ、常温の牛乳を加えて更に過熱し、茶葉をこしてカップに注ぐ方法がある。
ロイヤルミルクティーは紅茶と牛乳を一緒に過熱させるため、普通のミルクティーに比べてコクのある味となる。
ちなみに、ロイヤルミルクティーは「イギリス王朝風のミルクティー」という意味の和製英語で、本場のイギリスでは通用しない。
チャイは、インドやトルコなどの西アジアでいう「茶」のことである。
日本では、インド式チャイを指すことが多く、インド式チャイの中でも、特に、シナモンなどの香辛料を加えたマサラチャイを指して「チャイ」という。
インド式のチャイは、お湯で煮出した紅茶に大量の牛乳を入れて更に煮出し、大量の砂糖を入れて味をつける。
ロイヤルミルクティーと作り方は似ているが、牛乳が多く、砂糖も多いため、コクがあって甘味も強い。
マサラチャイは、これにシナモン、ショウガ、カルダモン、コショウ、クローブなどの粉末香辛料を加えて作る。
ウイスキーの綴りには、「KY」で終わる「WHISKY」と「KEY」で終わる「WHISKEY」がある。
「KEY」は「鍵」を意味するので、「WHISKY」が「鍵なし」、「WHISKEY」が「鍵付き」などとも呼ばれる。
この2種類の表記は、一般的に産地で区別されており、スコッチウイスキーなどスコットランドの流れを汲むものが「WHISKY」。アイリッシュウイスキーなどアイルランドの流れを汲むものが「WHISKEY」となっている。
日本のウイスキーは、スコットランドの流れを汲むものなので「WHISKY」。
バーボンで有名なアメリカンウイスキーの綴りは「WHISKEY」で、アメリカでウイスキーの蒸留所を造った人に、アイルランド出身者が多かったためといわれる。
ただし、アメリカのバーボンウイスキーでも、「アーリータイムズ」の綴りは「WHISKY」となっており、必ずしも綴りで産地が区別できる訳ではない。
このような表記の違いは、スコットランドとアイルランドが、ウイスキーの元祖を主張し合い、区別させるために「WHISKY」と「WHISKEY」に分かれたものといわれる。
開拓時代のアメリカでは、ウイスキーが貴重なもので、鍵をつけて大切に保管されていたことから、鍵付きの意味で「WHISKY」に「E」を加えて「WHISKEY」になったともいわれるが、これは後世になって、「鍵なし」と「鍵付き」の違いを面白おかしく言っただけであろう。
緑茶も紅茶も烏龍茶も、全てバキ科のチャノキ(学名:カメリアシネンシス)が原料であるが、茶葉を製法する際の発酵度の違いで、緑茶、紅茶、烏龍茶に分かれ、味や香り、栄養成分に違いが出てくる。
緑茶は、摘んだ茶葉をすぐに蒸し、揉んで乾燥させたもので、火が入っていることから発酵せず、「不発酵茶」と呼ばれる。
紅茶は、茶葉の水分を取り除く「萎凋(いちょう)」という作業をすることで軽く発酵させ、それを揉み、発酵させ、乾燥させたもので、完全に発酵させることから、「発酵茶(完全発酵茶)」と呼ばれる。
烏龍茶は、軽く萎凋と発酵をさせた後、火を通し、揉んで乾燥させたもので、途中で火を入れ発酵を止めることから、「半発酵茶」と呼ばれる。
また、同じチャノキといっても、それぞれに適した品種は異なり、緑茶や烏龍茶には、中国種の「バラエティシネンシス」。
紅茶には、酸化酵素の活性が強く発酵しやすいアッサム種の「バラエティアッサミカ」が適している。
水1リットル当たりに含まれるカルシウムやマグネシウムなどの含有量を「硬度」と言い、硬度の値によって「軟水」と「硬水」に分類される。
分類の基準は国によって異なるが、日本では100mg/l未満を「軟水」、100~300mg/l未満を「中硬水」、硬度300mg/l以上を「硬水」としている。
世界保健機構(WHO)の基準では、硬度120mg/l未満が「軟水」、硬度120mg/l以上が「硬水」である。
水の硬度は、大地を形成する地殻物質の違いや地形との関係が大きく、日本のように国土が狭く、雨水が地中にとどまる時間が短いところでは、地層中のミネラル分をあまり吸い取らないため「軟水」が多くなり、北米や欧州のように国土が広く、雨水が地中にとどまる時間が長いところでは「硬水」が多くなる。
水の硬度は、その土地の食文化とも密接な関係にあり、肉がメインとなる西欧料理ではミネラルが不足になるため、硬水でミネラルを補われる。
また、硬水は灰汁を出しやすいため、シチューなど肉を煮込む料理にも硬水は向いている。
日本料理で使われる水は軟水で、軟水は溶けやすく、色や風味を出しやすいため、出汁を取る、お茶を入れる、米を炊くといったことに向いている。
硬水は代謝が促進され、脂肪の吸収を抑制し、便秘が解消されるため、ダイエットや便秘解消には、硬水を飲むことが効果的とも言われるが、硬水を飲み慣れていない日本人が、硬水を過剰摂取することは胃腸への負担が大きくなるため、注意が必要である。
反対に、軟水は胃腸にやさしい、体への吸収効率が良い、老廃物の排出を促進させる、角質を柔らかくする、肌の乾燥を防ぐといった効果があるといわれ、デメリットらしいデメリットもないため、健康と美容を意識するのであれば、硬水よりも軟水の方が良いといえる。
お酒は製造方法によって分類すると、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分けられる。
醸造酒とは、穀物や果実を酵母によってアルコール発酵させて造った酒のこと。
代表的な醸造酒には、大麦を主な原料とする「ビール」、ブドウを原料とする「ワイン」、白米を原料とする「日本酒」、糯米を原料とする「紹興酒」などがある。
醸造酒のアルコール度数は、一般に蒸留酒よりも低く、最高でも20度程度である。
蒸留酒とは、原料を発酵させた醸造酒をさらに蒸留して造った酒のこと。
大雑把に言えば、ホップなしのビールを蒸留したものがウイスキー、ワインを蒸留したものがブランデー、日本酒を蒸留したものが米焼酎である。
このほか、蒸留酒にはウォッカ・ジン・ラム・テキーラ・泡盛などがある。
酒を加熱し、その蒸気を冷やして液体にすることで、アルコール度数は高くなるため、蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高い。
ちなみに、世界一アルコール度数が高いのは、ポーランド原産のウォッカ「スピリタス」で、アルコール度数96度である。
混成酒とは、醸造酒や蒸留酒に、果実や香料・糖分などを加えた再製酒のこと。
主な混成酒には、梅酒・リキュール・ベルモット・薬酒・みりん・白酒がある。
混成酒のアルコール度数は、元となる酒の種類によって異なるため、醸造酒や蒸留酒との比較は難しい。
梅酒のアルコール度数は8~20度、リキュールは15~55度、みりん(本みりん)は12~15度である。
日本酒には「特定名称酒」と「普通酒(一般酒)」があるが、特定名称酒は原料と製造方法の違いによって「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」に分類される。
吟醸酒とは、精米歩合を60%以下にした白米に米麹、水を加え、通常よりゆっくり低温発酵させ、30日以上かけて熟成する「吟醸造り」という製法で製造された日本酒。
吟醸酒には、醸造アルコール(サトウキビ・トウモロコシ・米などを発酵させ、蒸留を繰り返して造られるエタノール)を加えるものと、加えないものがある。
酒の雑味となる脂肪やタンパク質が削り落とすことで、デンプンの旨味を最大限に活かし、吟醸造りによって、フルーティーで上品な味、なめらかなのどごしになっている。
純米酒とは、精米歩合を70%以下にした白米と米麹、水のみで製造された日本酒。
醸造アルコールを加えない純米酒は、米の品質が風味に大きく影響するため、良質な米が使われる。
濃厚な味とコクで、米本来の旨味が特徴であるが、製造技術の向上により、最近はソフトタイプの純米酒もある。
本醸造酒とは、純米酒に醸造アルコールを加えた日本酒。
純米酒と同じく精米歩合は70%以下で、添加可能な醸造アルコールは、白米に対し10%以下の重さ(白米1トンあたり120リットル以下)と定められている。
純米酒のような香りと風味を持つが、純米酒よりもライトでまろやかなものが多い。
カフェと喫茶店の違いというと、オシャレで明るい感じの店が「カフェ」、昭和レトロな感じの店が「喫茶店」。セルフサービスや半セルフサービスの店が「カフェ」、店員が席まで運んでくれる店が「喫茶店」など、それぞれのイメージの違いを挙げられることも多い。
しかし、カフェのような印象を受ける喫茶店もあれば、喫茶店のような印象を受けるカフェもあり、見た目だけでは区別できないものである。
カフェと喫茶店の違いは、営業許可の違い。
食品営業許可を申請する際に、飲食店営業許可を取っている店が「カフェ」、喫茶店営業許可を取っている店が「喫茶店」である。
飲食店営業許可よりも喫茶店営業許可の方が許可を取りやすいが、喫茶店営業許可では、アルコールの提供や、単純な加熱以外の調理全般ができない。
そのため、喫茶店が提供できるものは、コーヒーや紅茶などの飲み物、菓子、果物、軽食などに止まるが、カフェは飲み物にアルコールを含めることができ、「カフェ飯」と呼ばれるように調理した料理を提供することもできる。
ただし、飲食店営業許可は「カフェ」、喫茶店営業許可は「喫茶店」と名乗らなければならないという決まりはないため、店名に「喫茶店」と付いていても、飲食店営業許可を取っている「カフェ」もあれば、喫茶店営業許可を取って「カフェ」を名乗っている店もある。
また、飲食店営業許可を取ったからといって、アルコールや食事を必ず提供しなければならない訳ではない。
喫茶店のように飲み物や軽食程度のメニューしかなく、「喫茶店」を名乗っていても、実は「カフェ」ということもあるのである。
日本茶(緑茶)の中で、最もよく飲まれているのが煎茶である。
煎茶は、新芽を摘んで蒸して揉み、乾燥して仕上げられる。
玉露は、「高級煎茶」といわれるように煎茶の一種だが、煎茶と栽培方法に違いがあり、収穫前の2週間から20日前後、葦簀(よしず)や藁で茶葉におおいを被せて日光を遮る、被覆栽培の茶葉である。
日光を遮ることで、旨味成分とされるテアニンが多く含まれ、渋味成分のタンニンが抑えられ、独特の香りとなる。
玉露と同じ栽培方法で、摘む前の1週間前後のものは「かぶせ茶」という。
抹茶は、甜茶(てんちゃ)を出荷する前に石臼で挽いたもので、茶の湯(茶道)で飲まれるほか、和菓子や洋菓子など広く用いられる。
甜茶の栽培方法は、玉露やかぶせ茶のように日光を遮る被覆栽培だが、被覆期間は20日以上。
摘んだ後、蒸すところまでは煎茶と同じだが、揉まずに乾燥される。
番茶の製造方法は、煎茶とほぼ同じだが、夏以降に収穫した三番茶・四番茶、煎茶の選別ではじかれた大きな葉など、規格外の茶で、若葉ではなく、成長した茶葉を使うため、煎茶よりも品質が劣る低級品とされる。
北海道や東北・北陸など、地方によっては「ほうじ茶」を「番茶」と呼ぶ地域もある。
番茶は、煎茶に比べてカフェインの含有量が少なく、夜に飲んでも眠れなくなる心配がなく、妊娠中の妊婦や子供も安心して飲める。
ほうじ茶は「焙じ茶」と書くとおり、煎茶・番茶・茎葉などを強火で炒った茶のこと。
一般的には番茶などと同等に扱われるが、ほうじ茶を飲む習慣が根付いている京都では、料亭などの席で上質なほうじ茶が供されることもある。
玄米茶は、蒸して炒った玄米とほぼ同量の茶をブレンドしたもので、茶葉には番茶や下級の煎茶が使われる。
玄米が入っている分、カフェインの含有量が少ない。
スパークリングワインは、炭酸ガスを多量に含んだ発泡性のワインのこと。
非発泡性ワインは、スティルワインと呼ばれる。
シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方産の発泡性のワインで、スパークリングワインの一種。
日本では、スパークリングワインを「シャンパン」と呼ぶこともあるが、「シャンパン」と名乗れるものは、AOC(原産地呼称統制)の規定に従ったスパークリングワインに限られる。
シャンパンの条件として代表的なのが、シャンパーニュ地方産であることだが、シャンパーニュ地方のスパークリングワインが全て「シャンパン」と名乗れる訳ではない。
シャンパーニュの中でも、「アルデンヌ地域圏」と呼ばれる4県(マルヌ・アルデンヌ・オーブ・オート=マルヌ)で生産されたブドウのみを使ったもので、ブドウの品種も「ピノ・ノワール」「シャルドネ」「ピノ・ムニエ」に限られる。
シャンパンは製法にも決まりがあり、「シャンパーニュ製法」と呼ばれる伝統的な製法によるスパークリングワインでなければならない。
醗酵を2回行う「瓶内二次醗酵」で、炭酸ガスを注入していないもの。
熟成期間は、最低15カ月以上、ヴィンテージものであれば最低3年以上必要とされる。
高級シャンパンとして有名な「ドン・ペリニヨン(通称ドンペリ)」は、シャンパンの創始者といわれる修道士ドン・ペリニヨンにちなんで名づけられたもので、フランスのモエ・エ・シャンドン社が製造している。
モエ・エ・シャンドン社は、オーストラリアにドメーヌシャンドン社を設立し、シャンパンと同じ製法で発泡性ワインを造っているが、シャンパンの条件を満たしていないため「シャンパン」とは名乗らず、「スパークリングワイン」として販売している。
シャンメリーは、1947年、シャンパンをヒントに発明されたシャンパン風のノンアルコール炭酸飲料で、日本独特の飲み物である。
当初は「ソフトシャンパン」として販売していたが、フランス政府から「シャンパン」の名称使用に対する抗議があり、シャンパンの「シャン」と、メリークリスマスの「メリー」から、「シャンメリー」という名に変更された。
全国シャンメリー協同組合の登録商標となっているため、「シャンメリー」の名称を使用するには組合の許諾が必要となる。
牛乳と加工乳と乳飲料の分類は、食品衛生法基づく厚生省令「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で次のように定義されている。
牛乳と名乗ることが許されているのは、水や添加物などを一切加えていない、牛から絞ったままの生乳100%を原材料としたもの。
加工乳は、生乳にクリームや脱脂粉乳、バターなどの乳製品を加えて成分を調整したもの。
乳飲料は、生乳や乳製品などを主原料にし、乳製品以外のものを加えたもので、カルシウムやビタミンなどを強化した白物乳飲料、コーヒーや果汁などを加えた色物乳飲料がある。
「牛乳」と名がつく飲用乳は、成分の割合や調整の仕方によって更に分類され、「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」の5種類ある。
牛乳は、成分無調整で、乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上の成分を含むものをいう。
「3.8牛乳」や「4.8牛乳」など、商品名に入っている数字は乳脂肪分の割合で、3.8牛乳であれば、3.8%以上の乳脂肪分が含まれていることを表している。
特別牛乳は、成分無調整で、乳脂肪分8.5%以上、無脂乳固形分3.3%以上の成分を含むものをいう。
特別牛乳搾取処理の許可を受けた施設で搾取された生乳を処理・製造したもので、極限られた地域で販売されている。
成分調整牛乳は、生乳から乳脂肪分・水・ミネラルなどの乳成分の一部を除去し、成分を調整したものをいう。
低脂肪牛乳や無脂肪牛乳も、成分調整牛乳の一種であるが、「成分調整牛乳」といった場合は、乳脂肪分の割合に決まりはない。
低脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分の一部を除去し、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下の低脂肪にしたもの。
無脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分を除去し、乳脂肪分0.5%未満の無脂肪にしたものをいう。
カフェオレ(カフェ・オ・レ)はフランス語から、カフェラテ(カフェ・ラテ)はイタリア語からで、どちらも日本語に訳すと「コーヒー牛乳」「ミルク入りコーヒー」という意味になる。
この2つは「オレ」と「ラテ」という言葉の違いだけでなく、「カフェ(コーヒー)」に違いがあり、カフェオレにはドリップコーヒーを使うが、カフェラテには高い圧をかけて短時間で抽出するエスプレッソコーヒーを使う。
カフェオレとカフェラテはコーヒーの種類が違うため、コーヒーとミルクの分量も異なり、カフェオレはコーヒーとミルクの割合が半分ずつだが、カフェラテはエスプレッソ2割、ミルク8割である。
ミルクには普通に牛乳を温めたミルク、牛乳を蒸気熱で温めたスチームミルク、牛乳を蒸気熱と空気で温めながら泡立てたフォームミルクがあり、それぞれ使用するミルクも異なる。
カフェオレは、普通のミルク。
日本で主に飲まれるアメリカ式のカフェラテには、スチームミルク。
イタリア式のカフェ・ラッテには、普通のミルクが使われる。
カプチーノは、エスプレッソに泡立てたミルクを加えたもので、フォームミルクの上にチョコレートパウダーがふかけられたものも多い。
割合は、エスプレッソ3割、スチームミルク3割、フォームミルク5割か、1対1対1の割合。
カフェモカは、エスプレッソにホイップクリーム、チョコレートシロップを加えたものだが、カフェラテにチョコレートを加えたものを指すことが多い。
割合は、エスプレッソ2割、スチームミルク7割、チョコレートシロップ1割。
その他、似た飲み物には以下のものがある。
ドリップコーヒーにクリームを乗せた「ウインナーコーヒー」。
エスプレッソの上にホイップクリームを浮かべた「カフェ・コン・パンナ」(ココアパウダーをかけることもある)。
エスプレッソにフォームミルクを加えた「カフェ・マキアート」。
オーストラリアやニュージーランドでよく飲まれる、エスプレッソにスチームミルクを加えた、エスプレッソ版カフェオレの「フラットホワイト」。
カプチーノにココアパウダーを加えた「カプチーノ・コン・カカオ」。
カプチーノにキャラメルシロップを加えた「キャラメル・カプチーノ」。
カプチーノにヘーゼルナッツシロップを加えた「ヘーゼルナッツ・カプチーノ」。
ミルクの代わりに豆乳を加えた「ソイチーノ」。
ミルクの代わりにスキムミルクを加えた「スキニチーノ」など。
ラムネは、レモン水を意味する英語「レモネード(lemonade)」がなまったもので、炭酸水にレモンやライムの香料、砂糖などを加えた清涼飲料水のこと。
サイダーは、リンゴ酒を意味するフランス語「シードル(cidre)」からであるが、日本では炭酸水にクエン酸や香料、砂糖などを加えた清涼飲料水のこと。
ソーダ(ソーダ水)は、炭酸ガスを含む水のことで、炭酸水全般を意味し、ラムネもサイダーもソーダ水の一種である。
ラムネはレモン風味、サイダーはリンゴ風味で、元々は味に違いがあったが、サイダーにレモン系の香料が使われるようになったため、両者の味に差がなくなった。
以前は、ラムネとサイダーとソーダガラス瓶にビー玉で栓をするタイプのもので、サイダーは胴長丸形瓶に王冠で栓をするビールと同じタイプのものだっため、瓶の形や栓によって区別されていた。
しかし、現在では容器が多様化し、缶やペットボトルなども使われるようになったため、ビー玉の入ったものを「ラムネ」、ビー玉の入っていないものを「サイダー」と呼んで区別している。
日本の中華料理店では、紹興酒を頼んでも老酒(ラオチュウ)を頼んでも、紹興酒が出てくることが多いが、老酒が必ずしも紹興酒とは限らない。
老酒は「永く寝かせた酒」という意味で、長期熟成、保存されたものをいう。
紹興酒は、中国浙江省の紹興市で造られる、もち米と麦麹を原料とした醸造酒で、老酒の一種。
老酒の中でも、紹興酒が特に美味しく有名であることから、日本では「老酒」といえば「紹興酒」を指すようになり、混同されるようになった。
中国では、紹興酒と同じ製造方法の老酒であっても、紹興市以外の地域で造られた老酒を「紹興酒」と称してはいけないという法律が2000年4月20日にでき、取り締まりされる。
紹興で造られた老酒は正式名称を「紹興老酒」といい、他の地域で造られた老酒には、上海で造られた「上海老酒」、福建で造られた「福建老酒」などがある。
ほぼ透明で甘い炭酸飲料を「サイダー」と言いますよね。アサヒ飲料の「三ツ矢サイダー」等が有名です。 でも、同じような飲料に「ソーダ」と呼ばれるものもあります。「サイダー」と「ソーダ」の違いって分かりますか? 二つの違いについて解説します。
ソーダとは
水に無機塩類と炭酸ガスを混和させた飲み物。簡単に言えば「炭酸水」のことです。 「カルピス」+「炭酸水」でカルピスソーダ、「クリーム」+「炭酸水」でクリームソーダ等、主に何かを加えてジュースになります。
昔は、ソーダを作るのにには、重曹が使われていたそうで「ソーダ」という名前は「曹達(そーだ)」から来ているという説が有力です。 重曹というと、掃除などに使うものを連想しますが、科学名は「炭酸水素ナトリウム」といって食品に用いられる事もあるのです。
サイダーとは
もともとはリンゴ酒を意味するフランス語の「シードル(cidre)」が由来ですが、日本では炭酸水にクエン酸や香料、砂糖などを加えた清涼飲料水のことを「サイダー」と言います。 商品として販売されたのはアサヒ飲料の三ツ矢サイダーが始まりといわれています。
要するに!
・「ソーダ」→炭酸水そのもの
・「サイダー」→炭酸水に甘味料を加えた飲料
スーパー等の牛乳コーナーには、いろいろなメーカーの牛乳が置いてあって迷ってしまいますよね。 パッケージを見ると「鉄分カルシウム増量」「低脂肪」「特濃」など、色々なことが書いてあります。 また、牛乳パックの後ろ側も見てみると「牛乳」と書かれたもの「加工乳」と書かれたもの「乳飲料」と書かれたものがあるのです。 これらの意味を知っておくと牛乳選び参考になるかもしれません。
牛乳とは
「牛乳」と表記されているものは、生乳のみを原料としたもの、水や添加物等が一切混ざっていないもの、つまりは「しぼったままの牛の乳」そのままです。 ただし、店頭で販売されているものは食品の衛生基準上の理由によりを加熱殺菌がされています。
加工乳とは
牛乳分であるクリームや脱脂粉乳、バター等を使用し成分を調整したものです。 脂肪分を低く調整した「低脂肪乳」また、逆に脂肪分を高めた「特濃」がこれに当たります。
また加工乳は、生乳よりコストの安い、水や脱脂粉乳などを加えて牛乳より安い値段で販売できるようにしたものもあります。
乳飲料とは
乳製品を主体に加工された飲料です。牛乳にカルシウムや鉄分等の栄養素を含ませた製品や、カフェオーレ、バナナオーレ、いちごオーレなど様々な製品があります。
要するに!
・「牛乳」→牛の生乳を殺菌処理したもの
・「加工乳」→牛乳分で成分調整したもの
・「乳製品」→乳製品を主体に加工したもの
マイルドなミルク入りコーヒーと言えば「カフェオレ」。カフェの定番メニューですが、同じミルク入りコーヒーに「カフェラテ」というメニューもあります。 この二つには次のような違いがあります。
カフェオレとは
カフェオレはフランス語で、ミルクコーヒーという意味を持ちます。コーヒーには「ドリップコーヒー」が使われ、通常ミルクと50:50でブレンドされます。
カフェラテとは
カフェラテはイタリア語で、ミルクコーヒーという意味を持ちます。コーヒーには「エスプレッソ」が使わる事が特徴です。 「エスプレッソ」は普通のドリップコーヒーより濃く、小さいカップで飲まれます。そのため、エスプレッソ20%、ミルク80%と多めのミルクでブレンドされます。
要するに!
・「カフェオレ」→ドリップコーヒーとミルク 50:50
・「カフェラテ」→エスプレッソとミルク 20:80
急須と茶碗でいただく上品な日本茶を、「緑茶」と言ったり「煎茶」と言ったりします。 この二つのお茶には次のような違いがあります。
緑茶とは
煎茶(せんちゃ)、玉露(ぎょくろ)、番茶(ばんちゃ)、抹茶(まっちゃ)、ほうじ茶など、不発酵茶の総称です。 茶の若葉を摘んで蒸し、葉の緑色を損なわないように乾燥させたお茶です。
煎茶とは
「緑茶」の種類の一つです。「緑茶」はその栽培方法によって種類が分類されています。 露地栽培と呼ばれる日光をさえぎらない通常の方法で栽培したお茶を「煎茶」と呼びます。
要するに!
・「緑茶」→不発酵茶の総称
・「煎茶」→日光をさえぎらず通常どおり栽培された緑茶
暑い季節になると毎日飲みたくなるビールですが、ビールは税金が高いので節約のために発泡酒を飲んでいる人も多いのではないでしょうか。 最近では、「新ジャンル」と言われるものも登場し、さらにお手頃価格となっていますが、この3つの規格には次のような違いがあります。
ビールとは
原料の3分の2以上に麦芽を使用し、政令によって限定された副原料(麦芽や麦、ホップ、米、とうもろこし、でんぷん等)のみを使用し製造されたものを、酒税法上「ビール」と分類します。 旨味とのど越しは最上級ですが、その分税金が高くなります。
発泡酒とは
麦芽、麦を原料の一部とした発泡性を有する酒類で、麦芽使用率を3分の2未満としビールとしては使用できない原料を使用しているものを、発泡酒と言います。 酒税が安くなるだけでなく、糖質、カロリー、プリン体等を抑えることができるため、健康面で発泡酒を選ぶ人も多くいます。
新ジャンルとは
酒税法「その他の醸造酒」または「リキュール」に分類される酒類です。 麦芽、麦以外を主原料に使いながらも製法の工夫によってビールに近い味わいを実現したものを言います。
要するに!
・「ビール」→原料の3分の2以上に麦芽を使用し、政令によって限定された副原料を用いて製造したもの
・「発泡酒」→麦芽使用率を3分の2未満としビールとしては使用できない原料を使用しているもの
・「新ジャンル」→麦芽、麦以外を主原料に使いながらも製法の工夫によってビールに近い味わいを実現したもの
「紅茶」には、レモンティーやアップルティー、ハーブティなど様々なものがあります。 その種類の一つ、紅茶にミルクを加えるとミルクティーといいますが、中には「ロイヤルミルクティー」と呼ばれているものもあります。 ミルクティーとロイヤルミルクティーではどのような違いがあるのでしょうか?
ミルクティーとは
名称の通り、ミルク+ティーという事が出来ます。通常通り入れた普通の紅茶に、暖めた牛乳を入れたものがミルクティーです。
ロイヤルミルクティーとは
お湯で紅茶の茶葉を煮出し、そこへミルクを加えてもう一度沸かす。もしくは、同量の牛乳と水を沸かし、その中に紅茶の茶葉を入れて煮出したものをロイヤルミルクティーと言います。 ロイヤルミルクティーはいろいろな作り方がありますが、ミルクを加えてからもう一度沸かす工程が共通しており、普通のミルクティーよりコクのある味わいとなります。
要するに!
・「ミルクティー」→普通の紅茶に、暖めた牛乳を入れたもの
・「ロイヤルミルクティー」→紅茶の茶葉を煮出し、ミルクを加えてもう一度沸かしたもの
爽快感のある炭酸が特徴の発泡性ワインには、シャンパンとスパークリングワインがあります。お祝いの席や乾杯の席で飲まれることも多いお酒で、手ごろな値段のものから高級品まで様々な種類が存在します。
しかし、どちらも同じ炭酸の楽しめるワインでありながら製品によって名前に違いがあります。実はシャンパンとスパークリングワインには明確な違いがあり、スパークリングワインがシャンパンを名乗ることはありません。 二つの違いを知ることで、より深く両方のワインを楽しむことができます。
シャンパンとは
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で製造されるワインだけが名乗れる名称です。 しかし、シャンパーニュ地方で製造されたワインが全てシャンパンを名乗るわけではなく、特定地域で特定のぶどう品種を用いて製造されたものだけがシャンパンを名乗ることを許されます。
栽培や醸造などの生産条件もフランスが定めるAOC法の規定を満たす必要があります。そのため、厳しい基準をクリアしたクオリティの高いワインのみがシャンパンの名称を使うことができます。
スパークリングワインとは
地域やぶどうの品種など、シャンパンほど厳格な基準を満たさなくても、同じ製法で作れば発泡性ワインは作ることができます。炭酸ガスを含んだワインは全てスパークリングワインで、シャンパンはスパークリングワインのブランドを意味します。
つまり、スパークリングワインとは、シャンパンなど特定のブランドに属さない発泡性ワイン全体を意味します。使用しているぶどうの品種により様々な味わいが楽しめ、コストパフォーマンス優れることから手軽に飲めるのが魅力です。
要するに!
・「シャンパン」→、フランスのシャンパーニュ地方で特定のぶどう品種を用いて製造されたワイン
・「スパークリングワイン」→炭酸ガスを含んだワインの総称。
ビールには様々な種類がありますが。居酒屋などに行くと「生ビール」と呼ばれるビールを提供しています。生という響きが新鮮さをイメージさせて、通常のビールより美味しそうな印象を受けますが、いったいどこが違うのだろうと思ったことはありませんか?
ビールは通常、瓶や缶に入っていますが「生ビール」を注文すると、ジョッキやグラスに入って出てきます。しかし単に入れ物の違いという訳ではありません。ビールと生ビールの違いはその製法を見るとよくわかります。
ビールとは
ビールは、発芽して糖分が増した麦芽を砕いたあとに温水の中でより糖度を上げ、細菌を死滅させるための煮沸を経てから、ビール酵母を入れて発酵させた飲み物です。
炭酸による清涼感に加え、苦みやコクのある味わいが好まれています。材料は主に水や麦芽、ビール酵母や香味料が用いられ、特に発芽させた大麦の麦芽を主原料とすることが多く見られます。副原料として、ホップやトウモロコシ、米や砂糖などが加えられることもあります。多くの種類があるものの、基本的な製造方法は変わりません。
生ビールとは
生ビールも上記で記述した、ビールと同じ材料・製造方法で作られます。通常、ビールは酵母菌によりアルコール発酵させますが、酵母菌は生きているため、そのままにしておくと完成したあとも発酵が進み味が変化してしまいます。
そこで昔は、出来上がったビールを瞬間加熱することで酵母菌を殺し、ビール味を安定させていました。ところが、加熱処理をすると風味を損なわれるという難点があり、これを行わずそのまま提供するものを「生ビール」と呼んでいたのです。
技術の進歩により、現在では加熱なしで菌を取り除けるフィルターによって無菌のままパッケージすることが可能になりました。ですから、今では瓶や缶のビールも中身は同じ「生ビール」なのです。
要するに!
・「ビール」→大麦の麦芽にホップを加え発酵させて作るアルコール飲料
・「生ビール」→ビールの製造工程で加熱処理をしないもの
スーパーやコンビニなどに行くと、様々な種類の水が販売されています。ほとんどの商品が天然水や名水、美味しい水という言葉を用いており、何がどう違うのかという疑問が湧きます。
実は、商品として販売されている水は農林水産省に区分分けがあり、大きく、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4つがあります。 中でも多く流通しているのがミネラルウォーターとナチュラルウォーターです。その二つの違いについて解説します。
ミネラルウォーターとは
ミネラルウォーターとは、特定の地下水を原水として何らかの処理が行われた水をいいます。加えられる内容は製造メーカーによって異なり、例えばオゾン殺菌などの化学処理を含め、各種ミネラルの添加や調整といった作業が行われます。
ミネラルウォーターは、分類の1つであるナチュラルミネラルウォーターを原水として作られる水が使われます。ナチュラルミネラルウォーターはナチュラルウォーターの中でも鉱化された地下水を指し、原則として、地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水のことをいいます。ミネラルウォーターは、様々な要素が加えられることが大きな特徴になります。
ナチュラルウォーターとは
ナチュラルウォーターとは、採水された地下水に沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わない水のことを言います。農林水産省が定める品質表示ガイドラインでは区分を明確にしており、ここでの処理内容の水に関してはナチュラルウォーターとして記載をすることを定めています。
ナチュラルウォーターは、最低限の処理しか行われていないために水本来の味を楽しみたい人に向いています。一方、注意点としては賞味期限と消費期限があり、劣化をする前に使い切ることが大切になります。
要するに!
・「ミネラルウォター」→、特定の地下水を原水として何らかの処理が行われた水
・「ナチュラルウォーター」→採水した地下水の沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わない水
かいわれ大根とは、大根の種子を発芽させ、軸が伸びて子葉が開いたところに日光を当てて緑化したものである。
子葉が双葉で、二枚貝が殻を開いたような形なので「かいわれ(貝割れ)」という名前がつけられた。
かいわれ大根も大根であることに違いはないが、野菜のジャンルとして分けた場合、大根は人参などの仲間で根菜類。
かいわれ大根はスプラウトの一種で、もやしやアルファルファなどの仲間である。
スプラウトとは食用の新芽のことで、「発芽野菜」や「新芽野菜」とも呼ばれる。
かいわれ大根は大根の新芽なので、土に植えて栽培すると大根になる。
しかし、市販のかいわれ大根は大きく育たないように品種改良された専用の大根なので、栽培しても育つ本数は少なく、育っても大きな大根にならないことが多い。
野菜と蔬菜の元々の意味は異なるが、現在では同義として扱われている。
本来、蔬菜は食用にする草本植物(草)の総称で、キノコなども含んで用いられた語である。
蔬菜は野菜よりも意味が広く、栽培種・野生種を問わず使われており、蔬菜の中でも野生のものを指していった言葉が「野菜」や「山菜」であった。
やがて、野菜が野生の食用草本植物を指したことから、蔬菜は栽培する食用草本植物を指し、野生種と栽培種で区別さるようになった。
ところが、それまで野生であったものも栽培されるようになり、区別ができなくなったため、野菜と蔬菜は同義として扱われるようになった。
蔬菜の「蔬」の字が常用漢字外であることもあり、一般に「野菜」が使われる。
民間で広く「野菜」と呼ばれるようになってからも、官公庁用語では「蔬菜」が使われていたが、最近では官公庁用語でも「野菜」を使っている。
アーモンドとピーナッツ(ピーナツ)は、食用とする植物の実という点では共通するが、ナッツ類とナッツ類でないものという違いがある。
「ナッツ」というのは、食用になる木の実のこと。
ピーナッツは名前に「ナッツ」が入っているため、ナッツ類として扱われることも多いが、厳密にいえばピーナッツはナッツ類ではない。
アーモンドはバラ科の木で、そこから採った実なので、ナッツ類に含まれる。
しかし、ピーナッツは「落花生」というマメ科の草の実で、ナッツ類ではなく「豆」なのである。
つくねは鶏肉や豚肉のひき肉を材料にしたもので、つみれは魚のすり身を材料にしたものと誤解されていることも多いが、つくねとつみれの違いは、材料の違いではなく調理法の違いである。
つくねとつみれの調理法は、それぞれの語源に通じる。
つくねは漢字で「捏ね」と書き、こねて丸めるという意味の「捏ねる」が語源。
つみれは漢字で「摘入」や「抓入」と書き、「摘み入れる」が語源。
どちらも、ひき肉や魚のすり身に調味料やつなぎを入れ、こね混ぜて生地を作るところまでは同じだが、その生地を丸めて団子状にしたものが「つくね」。
手やスプーンなどで一口大の大きさに摘み取って、煮汁や鍋に入れるものが「つみれ」である。
つくねとつみれの違いが、材料の違いと誤解されているのは、この調理法の違いに関係している。
つくねは、団子状に固めてあるため、焼いたり揚げたりすることができる。
焼き鳥などの串料理にも使われることから、つくねは鶏肉や豚肉を材料にしたものと思われるようになった。・
つみれは、煮汁や鍋に入れる時に整形にするものなので、汁物に合う魚肉を使ったものというイメージがついたのである。
しかし、材料に鶏肉や豚肉を使っていても、摘み入れるのであれば、つみれである。
ピーナッツ(ピーナツ)と落花生と南京豆は、それぞれの語源や名称の意味を知ることで違いも分かる。
ピーナッツは、英語の「peanuts」から。
「pea」はエンドウ豆やエンドウ豆に似た植物のことで「豆」を意味し、「nuts」は「木の実」を意味する。
つまり、ピーナッツは「木の実(ナッツ)のような豆」が語源である。
落花生は、受粉した後、花が下を向いて子房が地下に潜り込み、地面の中で実をつけるという特徴から名付けられた漢名である。
この落花生の語源に由来する別称には、「地豆(じまめ、沖縄方言では「ジーマーミ」)」もある。
南京豆の「南京」は、中国から渡来したものを表す言葉で、江戸時代に中国から日本へ伝わったことに由来する。
ただし、現在栽培されているのは、明治維新以降に入った品種で、当時の南京豆とは品種が異なる。
中国伝来の意味では、「唐人豆」や「異人豆」という別称もある。
この中で、「落花生」という呼称は植物としての特徴を表しているため、植物名として表す際には「ラッカセイ」が使われる。
また、殻の付いたままの実もその特徴を表しているため、食用としての実の中でも、殻が付いたままのものは「落花生」と呼ばれる。
ピーナッツは、「豆」を表す名前なので、殻が取り除かれた実や、茶色い皮が取り除かれた実で、塩などで調理した後のものを指すことが多い。
南京豆は、最も古い言い方になり、現在ではあまり使われないが、殻だけが取り除かれ、茶色い皮が残ったままの実をいうこと指すことがある。
ただし、皮の付いた実は「ピーナッツ」とも「落花生」とも呼ぶことがあり、明確な使い分け方ではない。
実の状態以外に、洋風の味付けや洋菓子に用いた実は「ピーナッツ」、和風の味付けや和菓子に用いた実は「落花生」というように、調理の仕方による使い分け方もある。
これは、ピーナッツは英語の名称で、落花生は漢名から入って日本語になった名称のためである。
ウニは、食べられる部分(生殖巣)が「胆(肝)」のように見えることから、海の胆で「海胆」と書く。
また、全身がトゲで覆われていることから、海の栗で「海栗」とも書く。
食品として販売される時には、生殖巣だけを取り出した生のウニを「海胆」、トゲが付いた状態のものを「海栗」と書き分けることもあるが、多くの場合は「海胆」が使われる。
生物として表す場合は、「海胆」も「海栗」も使われる。
食品としてのウニを表す漢字には「雲丹」もある。
「丹」の字には「赤い」という意味があり、赤い雲のようなものという意味で、「雲丹」という漢字が当てられた。
この漢字は、塩漬けされたウニを表したものであるため、塩やアルコールや加工されたウニを表すのが普通だが、最近はトゲや内臓などを取り除き、食べられる部分だけにしたウニにも、「雲丹」の漢字が当てられていることもある。
おでんに使う「からし」も、ホットドッグに使う「マスタード」も、アブラナ科のカラシナの種が原料である。
しかし、からしは鼻にツーンとくる辛味があるが、マスタードはそれほど辛くない。
からしとマスタードで辛さに違いが出てくるのは、種の種類と作り方に違いがあるためである。
からしの原料になるのは、オリエンタルマスタード(和がらし)という品種の種で、辛味が強い。
マスタードの原料になるのは、イエローマスタード(洋がらし)とい品種の種で、からしに比べて、刺激が弱く、マイルドな辛味である。
オリエンタルマスタードとイエローマスタードシードで、辛味の強さが違うのは、粉にして水を加えた時に発生する「芥子油」の違いである。
オリエンタルマスタードは、「アリル芥子」という、辛味を強く感じる揮発性の高い成分が発生する。
イエローマスタードシードは、「ベンジル芥子油」という成分が発生するが、揮発性が弱く、辛味を弱く感じるのである。
からしは、粉末を水やお湯で練って作るため、辛さが強くなっている。
マスタードも水やお湯に漬けるが、酢が加えられる。
酢酸によって辛味を作る酵素が抑えられるため、更に、からしよりもマスタードの方が辛味が弱くなるのである。
また、からしとマスタードで辛さに違いがある理由は、からしは薬味(香辛料)として使うのに対し、マスタードはマヨネーズやケチャップと同じように、ソース的な役割で使うものだからである。
カボチャは英語で「Pumpkin(パンプキン)」と訳されることが多いが、日本でよく食べられているカボチャはパンプキンではない。
カボチャは大きく分けて「西洋カボチャ」「日本カボチャ」「ペポカボチャ」に分類される。
英語では、これらのカボチャを総称して「Squash(スクワッシュ)」というため、種類に関係なくカボチャを表すのであれば、「スクワッシュ」というのが正しい。
日本で最も多く流通している西洋カボチャは、英語で「Winter squash(ウインター・スクワッシュ)」や「kabocha squash(カボチャ・スクワッシュ)」と呼ばれる。
その次に多い日本カボチャは、「Tropical squash(トロピカル・スクワッシュ)」や「Japanese squash(ジャパニーズ・スクワッシュ)」。
ペポカボチャは、「Summer squash(サマー・スクワッシュ)」といい、3つの分類の中にも「パンプキン」は出てこない。
英語で「Pumpkin(パンプキン)」と呼ばれるのは、ペポカボチャ(サマー・スクワッシュ)の一部で、オレンジ色の果皮をした、ハロウィンのジャック・オー・ランタンでよく使われるものである。
ペポカボチャに含まれるカボチャには、パンプキンの他に、金糸瓜、おもちゃカボチャ、ズッキーニなどがある。
スダチもカボスも、ユズの近縁種でミカン科の香酸柑橘類。キロ当たりの値段もほぼ同じである。
そのため、スダチとカボスはよく混同されるが、産地が異なり、見た目の大きさにも違いがある。
すだちは徳島県の特産で、9割以上が徳島県産である。
大きさはゴルフボールくらいで、重さは40g程度。
かぼすは大分県の特産で、9割以上が大分県産である。
大きさはテニスボールくらいで、重さは100~150gほどあるため、スダチとカボスは大きさで見分けられる。
刺身や焼き魚、鍋料理などの薬味に使われる点では共通するが、スダチとカボスの酸味は異なるため、適した料理にも違いがある。
スダチは、さっぱりとした酸味なので、焼き松茸との相性が良い。
カボスは、まろやかな酸味で素材の味を壊さないため、ふぐ料理などにはカボスを使った方が良い。
赤身魚は、身(肉)の色が赤い魚のことで、味が濃く、肉質は硬めで、鉄分を多く含む。
白身魚は、身の色が白い魚のことで、淡白な味で、ほぐれやすく、低カロリーで消化にも良い。
赤身魚の身が赤い理由は、筋肉色素タンパク質の「ミオグロビン」や、血液色素タンパク質の「ヘモグロビン」といった赤い色素が多く含まれるためである。
水産学では、このヘモグロビンとミオグロビンの含有量によって、赤身魚と白身魚を分類し、100gあたり10mg以上のものを「赤身魚」、それ以下のものを「白身魚」と呼んでいる。
赤身魚の代表的な魚は、カツオ・マグロ・ブリ・アジ・イワシ・サンマ・サバなどで、大量の酸素を必要とする持久力の高い回遊魚に多い。
これは、ヘモグロビンに酸素を運搬する役割、ミオグロビンに酸素を供給する役割があるためである。
一方の白身魚は、タイ・タラ・ヒラメ・カレイ・フグ・アナゴといった、大量の酸素は必要としないが、瞬発力を必要とする沿岸魚や深海魚に多い。
サケは身の色が赤く回遊魚であるため、赤身魚と思われがちだが、白身魚である。
サケの身が赤く見えるのは、カニやエビなどの殻が赤い理由と同じで、カロチノイド系の赤い色素「アスタキサンチン」を含む「オキアミ」を餌としているためである。
青魚は、赤身魚や白身魚のように身の色ではなく、背の色によって分類したもので、青魚に対するのは「赤魚」である。
代表的な青魚は、アジ・イワシ・サバ・サンマ・ニシンなど。
青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれるため、血中の悪玉コレステロールを減少させる効果があるといわれる。
キュウリは野菜として扱われ、同じウリ科でもスイカやメロンは果物として扱われるように、野菜と果物は学術的に区別されていない。
分類する明確な定義はないものの、野菜と果物を区別する際の基礎となるのは、草として生えるものか、木になるものかという違いである。
野菜は「野の菜」と書くように、葉・茎・根などを食用とする野に生える草という意味で、田畑で栽培され、副食物とされる植物が野菜。
果物の語源は「木の物」という意味で、木になる果実が果物である。
これに似た分類の仕方には、多年生を果物、一年生を野菜とするものがあり、農林水産省の分類はこれに近い。
農林水産省では、食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま副食物として利用されるものを「野菜」。
2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱うとしている。
スイカやメロン、イチゴなどは、栽培方法が苗を植えて1年で収穫し、一般的な野菜と同じであるため、野菜として取り扱っている。
ただし、このような果実として利用される野菜は「果実的野菜」として、別の区別の仕方もしている。
また、一般的に栗や梅などは「果物」と思われていないが、農水省では「果樹」として扱っている。
生産の段階ではこのような分類の仕方になるが、実際に売られている場所でいえば、イチゴ・スイカ・メロンは、果物屋やスーパーの果物コーナーである。
八百屋でもスイカなど売られているが、果物屋でトマトは売られていないため、果物専門店で売られているものを「果物」として区別することも間違いではなく、最終的には大半の消費者が野菜と思っているか、果物と思っているかの違いとなる。
ちなみに、100年以上前のアメリカでは、輸入野菜に10%の税率を課すという法律が作られたため、トマトが野菜か果物かという論争が起き、最高裁判所で「トマトは野菜である」と判決が下されている。
現代の日本ではどうかといえば、税関の事項関税率で、トマトは「食用の野菜」、イチゴ・スイカ・メロンは「食用の果実」と決められている。
エビを「海老」と表記するのは、長い髭と曲がった腰が老人のように見えることからの当て字で、日本で作られた。
「蝦」は中国から伝わった漢字で、仮面や外皮をかぶる意味の「叚」と、古くは動物の総称であった「虫」からなる。
海老と蝦の使い分け方は、移動の仕方で区別されている。
エビには、イセエビやロブスターのように大型で砂地に生息して海底を歩く種と、クルマエビやサクラエビのように中・小型で海中を泳ぐ種がある。
そのうち、歩行型のエビには「海老」、遊泳型のエビには「蝦」の漢字が使われる。
ただし、この使い分け方は厳格に決まっているものではなく、日本では「蝦」よりも「海老」の表記が一般的であるため、クルマエビやサクラエビなども、「車蝦」「桜蝦」ではなく、「車海老」「桜海老」と書かれることが多い。
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カカオとは、西アフリカ、東南アジア、中南米などの高温多湿な地方で栽培される、アオギリ科の常緑高木。
カカオの果実の中には、20~60個程度の種子があり、この種子のことも「カカオ」と呼んだり、「カカオ豆」と呼ぶ。
この種子から、ココアやチョコレートが作られる。
ココアは、カカオの種子を炒って粉末にしたもの。
その粉末に、水やミルク、砂糖などを加えて煮溶かした飲み物も「ココア」と呼ぶ。
つまり、カカオはアオギリ科の植物。または、その種子のこと。
ココアは、カカオの種子を食品となるよう加工したものである。
ピーマンは緑色の青ピーマン(緑ピーマン)が一般的だが、最近では赤色の赤ピーマンや、黄色、オレンジ色といったカラーピーマンも見られるようになっている。
青ピーマンと赤ピーマン(カラーピーマン)の一番の違いは、未熟か完熟かである。
青ピーマンは、開花から約2週間ほどの未熟なピーマンを収穫したもの。
青ピーマンを未熟な状態で収穫せず、開花から約60日かけて成熟させたものが、赤ピーマンになる。
赤ピーマンと同様に、黄ピーマンやオレンジピーマンも成熟前は青ピーマンで、品種の違いによって赤色・黄色・オレンジ色になるのである。
赤ピーマンなどのカラーピーマンが、市場にあまり出回らないのは、収穫までに青ピーマンの約4倍の日数がかかることや、成熟して日持ちしないためである。
その他、栄養・食感・味も、青ピーマンと赤ピーマンで違いがある。
赤ピーマンは青ピーマンに比べ、ビタミンCは約2倍、ビタミンEは約5倍、カロテンは約2倍多く含んでおり、赤ピーマンのほうが栄養価が高い。
青ピーマンはシャキシャキとした食感があるが、赤ピーマンはシャキシャキ感がない。
青ピーマンは青臭さがあり、苦味も強いが、赤ピーマンは熟している分、糖度が高く、パプリカのように甘みがある。
ピーマンが苦手な子どもには、赤ピーマンを食べさせると良いが、青ピーマンの苦味のもとは「ピラジン」という成分で、血液をサラサラにする効果があり、心筋梗塞や脳梗塞の予防が期待できるため、大人は青ピーマンも食べたほうが良い。
ツナは、一般に、ビンナガマグロやキハダマグロ、カツオなどの油漬けや水煮の缶詰を指す。
シーチキンは、はごろもフーズが商標登録しているツナ缶の商品名。
シーチキンがツナ缶の大半のシェアを占めるため、「ツナ=シーチキン」と誤解されやすいが、はごろもフーズ以外のメーカーのツナ缶を「シーチキン」と呼ぶのは間違いである。
ちなみに、ツナの語源は、英語の「tuna」から。
「tuna」は「マグロ」と訳されることが多いため、カツオのツナはツナではないと思われることもあるが、「tuna」はマグロ族全般を指すためカツオも含まれる。
「海の鶏肉」という意味の「シーチキン(Sea chicken)」という名前になった由来は、食感が鶏肉のささみに似ていることからという説。
ささみのようにタンパク質が豊富だからという説。
アメリカのツナ缶ブランド「Chicken of the sea」からヒントを得たという説などあるが、ハッキリとしていない。
水1リットル当たりに含まれるカルシウムやマグネシウムなどの含有量を「硬度」と言い、硬度の値によって「軟水」と「硬水」に分類される。
分類の基準は国によって異なるが、日本では100mg/l未満を「軟水」、100~300mg/l未満を「中硬水」、硬度300mg/l以上を「硬水」としている。
世界保健機構(WHO)の基準では、硬度120mg/l未満が「軟水」、硬度120mg/l以上が「硬水」である。
水の硬度は、大地を形成する地殻物質の違いや地形との関係が大きく、日本のように国土が狭く、雨水が地中にとどまる時間が短いところでは、地層中のミネラル分をあまり吸い取らないため「軟水」が多くなり、北米や欧州のように国土が広く、雨水が地中にとどまる時間が長いところでは「硬水」が多くなる。
水の硬度は、その土地の食文化とも密接な関係にあり、肉がメインとなる西欧料理ではミネラルが不足になるため、硬水でミネラルを補われる。
また、硬水は灰汁を出しやすいため、シチューなど肉を煮込む料理にも硬水は向いている。
日本料理で使われる水は軟水で、軟水は溶けやすく、色や風味を出しやすいため、出汁を取る、お茶を入れる、米を炊くといったことに向いている。
硬水は代謝が促進され、脂肪の吸収を抑制し、便秘が解消されるため、ダイエットや便秘解消には、硬水を飲むことが効果的とも言われるが、硬水を飲み慣れていない日本人が、硬水を過剰摂取することは胃腸への負担が大きくなるため、注意が必要である。
反対に、軟水は胃腸にやさしい、体への吸収効率が良い、老廃物の排出を促進させる、角質を柔らかくする、肌の乾燥を防ぐといった効果があるといわれ、デメリットらしいデメリットもないため、健康と美容を意識するのであれば、硬水よりも軟水の方が良いといえる。
バターは、牛乳から分離したクリームを練り固めた食品で、動物性脂肪が主成分となっている。
マーガリンの主成分は植物性脂肪で、コーン油・菜種油・紅花油・バーム油・綿実油などを精製した植物性脂肪に、発酵乳・食塩・ビタミン類などを加えて乳化し、バター状にした食品である。
バターが高価であることから代替品として作られたもので、かつては、「人造バター」とも呼ばれた。
バターに比べてマーガリンの方が柔らかいためパンに塗りやすいが、バターのような風味やコクはない。
「マーガリン類」と呼ばれるものには、マーガリンの他にファットスプレッドがある。
ファットスプレッドは、マーガリンに比べて油脂含有率が低いもので、マーガリンよりも水分が多く柔らかいため、マーガリンよりもパンに塗りやすいが、火を使う調理には向いていない。
日本の家庭用マーガリンの多くは、ファットスプレッドである。
バターの規格は、厚生省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で定められており、乳脂肪分80%以上。水分17%以下。大腸菌群が陰性のもの。
マーガリンとファットスプレッドは、JAS規格(日本農林規格)で定められており、厚生省ではなく農林水産省である。
マーガリンの規格は、鮮明な色調を有し、香味及び乳化の状態が良好であって、異味異臭がないこと。油脂含有率80%以上。乳脂肪含有率40%未満。水分17%以下。異物が混入していないこと。内容量が表示量に適合していること。
ファットスプレッドの規格は、.鮮明な色調を有し、香味及び乳化の状態が良好であり、異味異臭がないこと。風味原料を加えたものは、風味原料固有の風味を有し、きょう雑物をほとんど含まないこと。油脂含有率80%未満、かつ、表示含有量に適合していること。乳脂肪含有率40%未満、かつ、油脂中50%未満であること。油脂含有率及び水分の合計量85%(砂糖類、はちみつ又は風味原料を加えたものは65%)以上。異物が混入していないこと、内容量が表示量に適合していることである。
バターは動物性脂肪が主成分のため、コレステロール値が上がりやすく、マーガリン類は植物性脂肪が主成分のため、中性脂肪やコレステロールを減らす働きがあることから、マーガリン類の方が体に良いとされてきた。
しかし、マーガリン類には血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすといわれる「トランス脂肪酸」が含まれているため、バターに比べて体に悪いといわれるようになってきている。
トランス脂肪酸を日常的に多くとりすぎると、少ない人に比べて、心臓病のリスクを高めるという報告もある。
ただし、体に悪影響を及ぼすとされる研究の対象は、トランス脂肪酸の平均摂取量が多い欧米人を対象としたものであり、日本人への影響は少ないともいわれる。
一般的に「醤油」といえば、江戸時代以降、関東を中心に使われてきた「濃口醤油」を指し、醤油生産量の8割以上を占める。
濃口醤油は、汁物・煮物・焼き物など様々な料理に用いられ、つけてよし、かけてよしの卓上調味料としても使用される。
一方の「薄口醤油」は、主に関西地方で使用される醤油で、京料理や関西風料理に多く用いられる。
薄口醤油は、つけやかけには向いていないが、魚や野菜の味や色合いを活かしたり、上品に仕上げるのに向いている。
醤油の「濃口」「薄口」が表しているのは、色の濃さのこと。
薄口醤油は、淡い色をしていることから「淡口醤油」といい、「淡口」は「うすくち」と読むことから「薄口醤油」とも書かれるようになった。
濃口醤油は、薄口醤油に対していうものである。
薄口醤油よりも濃口醤油の方が塩分が多いと思われがちだが、濃口醤油の塩分は16%、薄口醤油の塩分は18~19%で、薄口醤油の方が塩分は多い。
薄口醤油の塩分が多いのは、素材の味や色合いを活かすためである。
醸造食品は、発酵・熟成が進むと色が濃くなるため、薄口醤油は醸造の途中で発酵を止める。
しかし、発酵が不十分では変質しやすいため、塩分を多めに使用しているのである。
この他、醤油の種類には、「たまり醤油(溜まり醤油)」「再仕込み醤油」「白醤油」がある。
たまり醤油は、主に東海三県で作られる、濃口醤油よりも更に色が濃く、とろりとして甘みのある醤油で、濃厚な味だが、芳香は乏しく、刺身醤油や照り焼きのタレに使用される。
再仕込み醤油は、色・味・香りが濃厚な「甘露醤油」とも呼ばれる醤油で、寿司や刺身、冷奴などのつけ・かけに使用される。
白醤油は、旨味やコクを抑えた淡白な味だが甘味が強く、独特の香りがある、薄口醤油よりも更に色が薄い醤油で、吸い物や茶わん蒸し、うどんの汁などに使用される。
小麦をひいて粉にした小麦粉は、「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の3つに分類されるが、これは、小麦粉に含まれるグルテン(タンパク質の一種)の量と質によって分けられている。
グルテンには、粘性と弾性を兼ね備えた性質があり、その性質の強さを表したのが「薄力」「中力」「強力」なのである。
薄力粉は、軟質小麦から作る小麦粉で、タンパク質含量は6.5~8.5と少なく、粒の粒子が細かく、グルテンの性質も弱い。
水を含ませた時の粘りが弱いため、ケーキなどの洋菓子や天ぷらの衣などに使われる。
中力粉は、中間質小麦もしくは軟質小麦から作る小麦粉で、タンパク質含量が8.5~10.5%で薄力粉と強力粉の中間。粒度やグルテンの性質も、薄力粉と強力粉の中間に位置する。
なめらかに伸びるのが特徴で、「うどん粉」とも呼ばれるように、うどんなどの麺類、餃子の皮などに使われる。
強力粉は、硬質小麦から作る小麦で、タンパク質含量が11.5~13%と多く、粗い粒子で、グルテンの性質が強い。
水を含ませると強く粘るため、パンやラーメンなどに使われる。
中力粉がない時は、薄力粉と強力粉を配合することで代用することはできる。
また、それぞれが単独で使われるとは限らず、用途に応じた配分で配合し、使われることが多い。
薄力粉と強力粉を見分けるポイントは、粒子の細かさであるが、見た目で判別できない場合は、手で握った時の固まり具合によって見分けられ、固まるのが薄力粉、崩れてしまうのが強力粉である。
紐のように細いこんにゃくには、「しらたき(白滝)」と「糸こんにゃく(糸蒟蒻)」の呼び名がある。
色の違いによって、白いものが「しらたき」、黒くまだらのものが「糸こんにゃく」と思われがちだが、黒いしらたきもあれば、白い糸こんにゃくもある。
しらたきも糸こんにゃくも、江戸時代に誕生したものだが、しらたきは主に関東で作られ、糸こんにゃくは主に関西で作られたもので、元々製法に違いがあった。
しらたきは、固まり切っていないゼリー状のものを、円筒の細い穴からところてんのように押し出したものを湯で固める。
こんにゃくが穴から出てくる姿が、白い滝のように見えることから「しらたき」と名付けられた。
糸こんにゃくは、固まった板こんにゃくを細く切って糸状にしたものなので「糸こんにゃく」と呼ぶのである。
このような製法の違いから、しらたきの太さは2~3mmぐらい、糸こんにゃくの太さは4~8mmぐらいのものが多い。
現在では製法に違いはなくなっており、太さによって呼び分けられることもないが、昔から馴染みのある呼称だけが残り、関東のメーカーや関東で販売されるものは「しらたき」、関西のメーカーや関西で販売されるものは「糸こんにゃく」となっていることが多く、しらたきと糸こんにゃくの違いは、地域による違いしかないと言ってよい。
ちなみに、「糸こんにゃく」と呼ばれることが多いため、ここまで「糸こんにゃく」として解説を続けてきたが、本来は「糸ごんにゃく」という。
パスタとは、イタリア料理で使われる小麦粉を練った食品の総称で、本場イタリアでは、600種類以上あるといわれる。
パスタを大きく分類すると、スパゲッティ(スパゲティー)などのロングパスタ、マカロニなどのショートパスタ、板状のラザニアや団子状のニョッキなど、その他のパスタに分けられる。
つまり、スパゲッティはパスタの一種。
きし麺状になった「フェットゥチーネ」を「平べったいスパゲッティ」などと呼ぶのは間違いである。
また、細い長い棒状のパスタだからといって、スパゲッティとは限らない。
イタリアでは、長さ25cm前後のロングパスタの中で、太さ2mm前後のものを「スパゲッティ」、太さ1.6~1.7mm位のものを「より細いスパゲッティ」という意味で「スパゲッティーニ」、太さ1.4~1.5mm位のものは「フェデリーニ」と呼んでいる。
日本農林規格(JAS)の規格では、1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状のものを「スパゲッティ」と定義しており、日本で市販されているスパゲッティは、イタリアでの呼称よりも太さに幅がある。
その他、1.2mm未満の太さの棒状のものを「バーミセリ」、棒状又は帯状のものを除く2.5mm以上の太さの管状又はその他の形状のものを「マカロニ」、帯状に成型したものは「ヌードル」と定義されている。
食料も食糧も、「しょくりょう」と読み、食用とする物を意味する。
食料の「料」は米偏に「斗」、食糧の「糧」は米編に「量」で、「斗」にも「量」にも「はかる」の意味があり、使い分けが難しい。
食料と食糧の使い分け方は、食用とするもの全般を表すか、主食のみを表すかの違いが基本となる。
「糧」には「蓄えておく食べ物」「携帯する食べ物」の意味もあり、「兵糧」や「糧米」という言葉があるように、食糧は米や麦などの主食物を指す。
食料は、主食も含めた食べ物全般、もしくは、調理する食材の意味で、肉や魚、野菜などの主食以外の食べ物を表す際に用いる。
政治的・経済的観点では、「食糧自給率」や「食糧問題」など、食用とする物全般を表す際にも「食糧」と表記することが多かったが、昔に比べて主食以外の比率が高くなったためか、最近は「食料」と表記することも多くなっている。
モツとホルモンは、牛・豚・鶏などの内臓を料理の材料として使う際に表す言葉で、基本的には同じものを指すが、使われる料理に違いがある。
モツは「臓物」の略で、全国的には「モツ」が多く使われ、「もつ鍋」や「もつ煮」など料理名に使われるのも「モツ」が多い。
ホルモンの語源は諸説あるが、豚の内臓を焼いた関西発祥の「ホルモン焼き」からである。
そのため、「ホルモン」の呼称が使われるのは関西に多く、全国的には焼き肉屋など、焼いて食べるための牛や豚の腸を「ホルモン」と呼ぶことが多い。
このようなことから、モツは内臓全般を指し、ホルモンは牛や豚の腸を指すともいわれる。
しかし、焼き肉では「レバー(肝臓)」や「ハツ(心臓)」などと分けて表現されるため、腸を「ホルモン」というだけで、広義には内臓全般を指し、狭義には腸、特に小腸を指すことは、モツもホルモンも同じである。
カレーのスパイスに使われる「コリアンダー」と、タイ料理に欠かせない香草の「パクチー」は、生の状態で見分けることが非常に難しい。
なぜなら、「コリアンダー」は英語、「パクチー」はタイ語というだけで、全く同じ植物だからである。
中華料理に使われる「香菜(シャンツァイ)」も同じセリ科の一年草で、和名は「コエンドロ」という。
日本には古くから入ってきているものだが、独特の芳香があり、日本の料理にはあまり使われないため、和名の「コエンドロ」で呼ばれることも少ない。
一般にも定着した呼称は、英語の「コリアンダー」で、英語圏から入ってきた料理に、乾燥した種子や葉が香辛料として使われていたためである。
その後、タイ料理を食べる機会が増えたことで、コリアンダーの葉を生食するようになったが、コリアンダーはタイ語で「パクチー」と呼ぶため、タイ料理の食材として呼ぶ時や、生の葉野菜を指す時には、「パクチー」と呼ぶようになった。
同様に、中華料理で使う時には、中国語の「香菜(シャンツァイ)」で呼ばれることもある。
つまり、コリアンダーとパクチーの違いは、英語とタイ語の違いだけで、植物としては全く同じものだが、日本では、香辛料となっているものを「コリアンダー」と呼び、生の葉野菜やタイ料理の食材として使う時には「パクチー」と呼ぶことが多いのである。
ソーセージは、塩漬けした肉に香辛料で味をつけ、すり潰して湯煮や燻煙・燻製した保存食品。
腸詰めして作ることが多いため、日本では牛・豚・羊などの腸に詰めたり、腸に似たケーシング(詰め袋)に詰めたものを「ソーセージ」と呼んでいる。
ウインナー・フランクフルト・ボロニアは、ソーセージの種類を指すもので、すべてソーセージである。
日本では特にウインナーの生産量が多いため、単に「ソーセージ」と言えば「ウインナー」のことを指す。
ウインナーは「ウインナーソーセージ」の略で、オーストリアのウィーン風ソーセージという意味。
フランクフルトは「フランクフルトソーセージ」の略で、ドイツのフランクフルト風ソーセージ。
ボロニアは「ボロニアソーセージ」の略で、イタリアのボローニャ風ソーセージという意味である。
ウインナーは羊の腸に詰めたもの、フランクフルトは豚の腸に詰めたもの、ボロニアは牛の腸に詰めたものを指し、基本的には腸の種類によって分類される。
しかし、近年は人工のケーシングに詰めて作られることが多いため、日本農林規格(JAS)では、次のように定義し、腸の種類のほか、太さによる分類もしている。
ウインナーソーセージは、羊腸を使用したもの又は製品の太さが20mm未満のもの(牛腸を使用したもの及び豚腸を使用したものを除く)をいう。
フランクフルトソーセージは、豚腸を使用したもの又は製品の太さが20mm以上36mm未満のもの(牛腸を使用したもの及び羊腸を使用したものを除く)をいう。
ボロニアソーセージは、牛腸を使用したもの又は製品の太さが36mm以上のもの(豚腸を使用したもの及び羊腸を使用したものを除く)をいう。
このような分類は日本独自のもので、日本で「ウインナー」と呼ばれるものが、ウィーンでは「フランクフルトソーセージ」と呼ぶといわれる。
オレンジを大きく分けると、スイートオレンジ、サワーオレンジ、マンダリンオレンジに分類され、日本で単に「オレンジ」と言った時は、スイートオレンジを指す。
スイートオレンジの主な種類に、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ(タロッコオレンジ・モロオレンジ)があり、中でも特に流通の多い種がバレンシアオレンジ、次いでネーブルオレンジである。
バレンシアは、カリフォルニア産3~7月、南アフリカ産が8~10月に輸入され、春から秋にかけて多く出回る。
ネーブルは、アメリカ産が11~4月に多く輸入され、国産は2~3月頃に出荷されるため、秋から春にかけて多く出回る。
バレンシアは、酸味が強くジューシーで、絞った果汁の劣化が遅く、加熱しても味が変わりにくいため、生食に限らず、ジュースや加工品にも適している。
ネーブルは、甘みが多く香り豊かで、実に付いている袋(じょうのう膜)が薄く、種もないため、そのまま食べるのには適しているが、絞った果汁を長時間置いておくと苦味が出る。
バレンシアとネーブルの見分け方は、へたと反対側の果頂部にある。
バレンシアは普通のみかんと同じように茶色い点になっているが、ネーブルはへそ(臍)のような形をした出っ張りがある。
ネーブルの語源も、「へそ」を意味する英語「navel」からである。
ちなみに、バレンシアオレンジは、その名からスペインのバレンシア地方原産と思われがちだが、スペインにこの種はなく、原産はアメリカ合衆国カリフォルニア州のサンタアナである。
バレンシアの名が付く正確な理由は分かっていないが、バレンシア地方で栽培されていたオレンジに似ていたからといわれる。
ブイヨンはフランス語で「だし汁」を意味する。
肉や骨、魚類、野菜、香辛料などを長時間煮込んで作る煮出し汁で、スープやソースの素にするもの。
英語でいえば、「スープストック」のことである。
コンソメはブイヨンを素に肉や野菜、調味料などを加え、アクを取り、漉したスープのことで、澄んだ琥珀色をしている。
もともとコンソメは、フランス語で「完成された」や「完全」の意味があったように、そのままスープとして飲めるものである。
ブイヨンとコンソメは、固形や顆粒のものがスープの素として市販されている。
メーカーによって異なるため、必ずとは言えないが、市販のブイヨンとコンソメは、どちらも塩分が加えられており、湯に溶かせばコンソメスープとして飲めるものが多く、基本的に違いはない。
強いて違いを挙げるとすれば、ブイヨンの方がシンプルな味で、湯に溶かすと素材のエキスで多少の濁りがあり、コンソメはブイヨンに比べ、香りが強く、うま味のある深い味で、湯に溶かすと澄んだ透明になることである。
ブイヨン(コンソメ)には牛や鶏の肉や骨を使うが、鶏ガラスープはその名の通り、鶏ガラが使われる(鶏ガラは、肉を取り去った鶏の骨や髄で、肉はわずかに残る程度ついている)。
鶏ガラスープに使う野菜はネギやショウガなどで、ニンジンや玉ねぎ、セロリ、パセリなどを使うブイヨン(コンソメ)とは異なる。
また、鶏ガラスープは西洋料理よりも中華料理に使用することが多いため、市販の鶏ガラスープの素には、ニンニクや醤油が入ったものも多い。
一般に流通しているズワイガニには、ズワイガニ(別名:本ズワイガニ)・オオズワイガニ・ベニズワイガニがあり、ズワイガニ(本ズワイガニ)が最も一般的である。
松葉ガニや越前ガニは、そのズワイガニ(本ズワイガニ)を水揚げ産地によって呼び分けた名前で、種類としてはズワイガニであることに違いはない。
松葉ガニは、山陰地方の京都府から島根県の漁港で水揚げされるズワイガニ。
越前ガニは、越前地方(福井県)の漁港で水揚げされるズワイガニである。
ズワイガニの別名で特に有名なのが、松葉ガニと越前ガニだが、その他、石川県の加賀・能登地方で水揚げされる加能ガニ、北海道で水揚げされる北海松葉ガニ、山形県の庄内地方で水揚げされるヨシガニといった別名もある。
また、最近は漁港ごとで差別化(ブランド化)をはかるために、松葉ガニの中でも呼び名が細分化されており、間人ガニ(たいざガニ)・柴山ガニ・津居山ガニ・大善ガニという名で売り出しているところもある。
ズワイガニはオスとメスで大きさがかなり違うため、多くの漁港では性別でも違う名前が付けられており、オスには上記のような、松葉ガニ・越前ガニ・香住ガニ・間人ガニなど、メスにはメガニ・オヤガニ・コッペガニ・コウバコガニ・セコガニ・セイコガニ・クロコといった名前が付けられている。
なお、標準和名としての「マツバガニ(松葉蟹)」は、ズワイガニ(ケセンガニ科)とは異なるオウギガニ科の名前である。
しかし、ズワイガニの別名として使われることが一般的で、「松葉ガニ」と呼べば「ズワイガニ」を指す。
紫蘇(シソ)は、シソ科シソ属の植物の総称で、エゴマもシソの一種であるが、一般的には赤紫蘇や青紫蘇を指す。
赤紫蘇は、梅干しや紅しょうがの色付けなどに使われ、青紫蘇は、香味野菜として刺身のつまや天ぷら、刻んで薬味にも用いられる。
大葉と呼ばれるのは青紫蘇の葉で、大葉と青紫蘇の葉は同じものを指す。
同じものなのに「青紫蘇」と「大葉」と呼び分けられるのは、昔、青紫蘇の芽と葉を区別して販売するため、青紫蘇の葉を束ねたものを「大葉(オオバ)」という商品名で売り出したことがきっかけ。
その後、流通量が増え、「大葉」の呼称が世の中に浸透していったため、現在でも青紫蘇の葉を「大葉」として販売されているのである。
「大葉」と呼ばれるのは、食用の香味野菜として販売される時であって、植物として青紫蘇の葉を指す時には「大葉」と呼ばない。
また、青紫蘇のように葉が緑色のシソには、縮れのあるチリメンアオジソや、葉の表面が緑色で裏面が赤色のカタメンジソなどもあるが、「大葉」として販売されるのは、縮れもなく両面緑色の青紫蘇の葉である。
日本で「砂糖」と言えば「上白糖」を指し、消費の半分以上を占めているが、上白糖を使用するのはほぼ日本のみ。
世界で最も一般的な砂糖は、グラニュー糖である。
砂糖の主原料は、サトウキビやテンサイ。
この原料を洗浄・濃縮し、不純物を排除して加熱精製することで、ブドウ糖と果糖が結合し、結晶化したショ糖が抽出される。
ショ糖の純度が最も高いのがグラニュー糖で、その割合は99.9%。
甘さにクセがなく淡泊で、サラサラしていて溶けやすいため、コーヒーや紅茶などに使用される。
また、上白糖に比べて焦げ付きにくいため、ケーキ・焼き菓子を作る際にはグラニュー糖が適している。
上白糖の製造工程は、ショ糖が抽出されるまではグラニュー糖と同じだが、最終工程で1.3%程度の転化糖(ショ糖を果糖とブドウ糖に加水分解したもの)がまぶせられる。
転化糖が含まれているため、表面に水分が保たれ、しっとりとした感触になる。
グラニュー糖のように淡泊過ぎず、三温糖のように濃厚過ぎないため、料理で幅広く使用される。
三温糖は、純度が高いグラニュー糖や上白糖を精製した後に残った糖蜜を数回加熱したもの。
この加熱により、カルメラ成分が形成され、薄茶色になる。
3つの中で最もショ糖の糖度が低いの三温糖だが、人間の味覚は純度の高い単調なものよりも、雑味が加わった方が味を強く感じるため、濃厚な甘さと独特の風味を感じるのは三温糖である。
強い甘みとコクを活かし、煮物などに使用される。
三温糖は、ミネラルが豊富で体に良いといわれることもあるが、グラニュー糖と上白糖と比べれば、ミネラルを含む割合がわずかに高いというだけである。
ミネラルを摂取することが目的であれば、野菜や海藻から摂取した方が効率が良い。
また、漂白していない三温糖の方が体に良いと誤解している人もいるが、白砂糖(上白糖など)が白いのは漂白剤や染料を使っているためではない。
不純物を取り除いた砂糖は無色透明の結晶で、雪が白く見えるのと同様に、光の乱反射によって白く見えるのである。
お店のメニューや加工食品には、「海藻サラダ」と「海草サラダ」の2通りの表記があり、一方は間違いと指摘されることも多いが、その指摘は間違いである。
海藻は「海の藻」と書く通り、海に生える藻の総称。
コンブ・ヒジキ・モズク・ワカメ・アオクサノリ・テングサ・アオサ・アオノリなどは、すべて海藻である。
海草は「海の草」と書く通り、海中に生える種子植物。
同音異義語の「海藻」と区別するため、「うみくさ」とも呼ばれる。
アマモ・スガモ・ウミヒルモなどは、「モ(藻)」と呼ばれるが海草である。
海草は陸上の植物と同様、根・茎・葉が分かれており、花を咲かせて種子によって繁殖する。
海藻は胞子によって繁殖し、根・茎・葉が分かれていないため、海草と海藻を見分ける際には、根の有無を見るとわかりやすい。
普段、食用とされるカイソウは、ワカメやヒジキなどの「海藻」。
そのため、「海藻サラダ」と書くのが正しく、「海草サラダ」と書くのは間違いと指摘されるというのが、冒頭に書いた話である。
正確なのは「海藻サラダ」で間違いないが、海藻のサラダを「海草サラダ」と書いても間違いではない。
なぜなら、広義には海藻を含む海の植物を「海草」というからである。
植物学では、それよりも細かく、明確な分類・定義がされておらず、非常に曖昧なものである。
イメージとしては、パプリカは赤色や黄色・オレンジなどカラフルで、ピーマンは緑色一色。
ピーマンは小さく苦味があるもので、パプリカは大き甘みがあるものなどと分けられる。
しかし、ピーマンより小さいパプリカ、パプリカより大きいピーマンもある。
一般的に「ピーマン」といえば緑色だが、「カラーピーマン」と呼ばれる赤色や黄色のピーマンもあり、パプリカには緑色のものもある。
また、赤ピーマンはパプリカのように甘い。
このように、ピーマンとパプリカは、色や大きさ、味の違いで区別することはできないのである。
ピーマンとパプリカを区別する方法は、果肉の厚さと形の違いぐらいしかない。
果肉が薄くて細長いものがピーマン、果肉が厚くてリンゴの形に近いものがパプリカである。
ピーマンとパプリカは、栄養素も基本的には同じで、ビタミンCやカロテンを多く含むが、含有量はパプリカの方が圧倒的に多く、栄養価が高い。
芭蕉もバナナも、バショウ科バショウ属に分類される大型多年草。
バナナは熱帯性のため、本州の露地では育たないが、芭蕉は熱帯を中心に分布するが、耐寒性もあるため、本州の露地でも育つ。
芭蕉はバナナとよく似た花や実をつけるが、バナナのように大きな実にならない。
追熟させることで食用になるとも言われるが、種が多く実はほとんどないため、芭蕉の実が食用に向いているとは言えない。
実の大きさよりもハッキリと見分けやすいのは、苞(花の付け根に出る葉)の色の違いと、葉の裏の色の違い。
芭蕉の苞は黄色で、バナナは一般的なものであれば紫色。
葉の裏を見て、薄い緑色をしていれば芭蕉、白っぽい粉が拭いていればバナナである。
うなぎもあなごも、同じウナギ目に属するが、うなぎはウナギ科、あなごはアナゴ科の魚で、生態・見た目・栄養・味にも違いがある。
うなぎとあなごの生態の違い。
あなごは一生を海で過ごす海水魚だが、うなぎは海で産卵し、孵化した後に淡水域に遡上し、河川や湖沼で成長する降河性の回遊魚である。
うなぎとあなごの見た目の違い。
うなぎは黒に近い灰色、あなごは薄茶色で側面に白い斑点があり、背びれの下にも白い点が一列に並んでいる。
うなぎは下あごが出ているが、あなごは上あごが出ている。
うなぎの尾びれは丸みがあるが、あなごの尾びれは尖っている。
うなぎとあなごの栄養成分と味の違い。
うなぎはあなごの倍近い脂質を含んでいるため、うなぎの方がカロリーが高く、脂っぽくてこってりとした味だが、あなごは低カロリーでさっぱりとした味である。
あなごは魚の中でもレチノール(ビタミンA)を多く含む方だが、うなぎはその5倍近く含んでいる。
その他、ビタミンB1・B2・D・E、カルシウム、血液中のコレステロ-ルを減少させるEPAや、脳を活性化させるDHAなども、うなぎの方が多く含んでおり、栄養価が高い。
マグロの胴体部分の肉は、大きく「トロ」と「赤身」に分けられる。
トロは赤身に対して脂肪の多い部分で、そのうち、特に脂肪分が多くて色が白っぽく、とろけるような舌触りのものが「大トロ」、それ以外を「中トロ」という。
赤身は背骨周辺や背側にあり、マグロの中でも一番多く取れる部分で、単に「マグロ」と呼ぶ時は「赤身」を指す。
酸味があって、マグロ本来の旨みが感じられるのが赤身である。
トロは、背側よりも腹側から多く取れる。
マグロの身は、頭に近い方から「かみ」「なか」「しも」に分けられ、背側のかみを「背かみ」、腹側のかみを「腹かみ」などと呼ぶ。
中トロは、「背かみ」から「背しも」にかけた背側、「腹なか」から「腹しも」にかけた尾に近い部分から取れる。
赤身に脂の甘みが加わり、まったりとした感じがあるのが中トロである。
大トロが多く取れるのは、「腹かみ」から「腹なか」の頭に近い腹側。
「トロ」と呼ばれる部分の5分の1程度と希少で、脂の甘みが強く、身というよりも、脂の旨みを食べるのが大トロである。
一般的には上記のように分けられるが、明確な規定はないので、「中トロ」と思えるような部分を「大トロ」として提供している店もある。
トロと赤身は、栄養やカロリーにも違いがある。
赤身は、タンパク質が多く、低脂肪でカロリーが低い。
トロの脂は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含み、ビタミンA・D・Eも赤身より多いが、脂分が多いためカロリーは高い。
トロは取れる量も少なく、赤身よりも好んで食べられる部位だが、昔は、脂分の多い食べ物が好まれていなかったことや、保存や輸送の技術が未発達で、脂の味が悪かったことから、江戸時代には、猫も見向きもしない食べ物という意味で「猫またぎ」などと呼び、捨てられていた部位であった。
昔から、「左ヒラメに右カレイ」と言われる。
眼を上に向けて置いた時、頭が左向きになるのが「ヒラメ(平目・鮃)」、右向きになるのが「カレイ(鰈)」という意味である。
日本で見られるヒラメやカレイの多くは、この「左ヒラメに右カレイ」で見分けることが出来るが、海外では左に眼がついたカレイも多い。
ボウズガレイは眼の位置が決まっておらず、左と右が同じ頻度で出現し、日本でも、マヌガレイは左に眼がついているため、「左ヒラメに右カレイ」の見分け方は決定的ではない。
一般的にヒラメの成魚は体長80cm前後、カレイは40cm前後で、「ヒラメはカレイよりも大きい」と言われる。
しかし、カレイの仲間のオヒョウは大きなもので体長2m以上、体重200kg以上になり、カンゾウヒラメは体長25cm前後で、大きさによる見分け方も決定的ではない。
ヒラメとカレイの決定的な違いは、口の大きさと形である。
ヒラメは、小魚やエビなどを食べるため、アゴがしっかりしていて、歯は鋭く尖り、口が大きく裂けていて、獰猛な顔をしている。
カレイは、砂の中にいるゴカイやイソメ類を主食としているため、歯や口は小さく、おちょぼ口に見える。
日本の中華料理店では、紹興酒を頼んでも老酒(ラオチュウ)を頼んでも、紹興酒が出てくることが多いが、老酒が必ずしも紹興酒とは限らない。
老酒は「永く寝かせた酒」という意味で、長期熟成、保存されたものをいう。
紹興酒は、中国浙江省の紹興市で造られる、もち米と麦麹を原料とした醸造酒で、老酒の一種。
老酒の中でも、紹興酒が特に美味しく有名であることから、日本では「老酒」といえば「紹興酒」を指すようになり、混同されるようになった。
中国では、紹興酒と同じ製造方法の老酒であっても、紹興市以外の地域で造られた老酒を「紹興酒」と称してはいけないという法律が2000年4月20日にでき、取り締まりされる。
紹興で造られた老酒は正式名称を「紹興老酒」といい、他の地域で造られた老酒には、上海で造られた「上海老酒」、福建で造られた「福建老酒」などがある。
日本で販売されている牛肉は、「和牛」「国産牛」「輸入牛」に分類される。
和牛は品種、国産牛や輸入牛は産地を表したもので、和牛と国産牛は同じではない。
和牛は「黒毛和種」「褐色和種」「日本短角種」 「無角和種」の4品種と、これら4品種の交雑種をいう。
上記の品種であれば産地に関係なく「和牛」になるため、アメリカやオーストラリアなどで育てられた「外国産和牛」も存在する。
しかし、外国で生産された和牛は「アメリカ産和牛」や「オーストラリア産和牛」など「外国産牛」として店頭表示されるため、「国産和牛」ではなく「和牛」とだけ書かれていたとしても、国産の和牛品種と考えて問題ない。
和牛以外の国産牛には、「ホルスタイン種(乳用牛)」「交雑種(F1)」「アンガス種」「ヘレホード種」などがある。
これらが外国で産まれた牛であっても、日本国内での飼育期間が他の地域よりも長い牛は、国産の牛として「国産牛」と表示できる。
和牛で最も多い品種は「黒毛和種」で、和牛の90%を占める。
この「黒毛和種」は注意が必要で、「黒毛牛(黒牛)」と表示されているものは和牛ではないのである。
黒毛牛は、黒毛和種とホルスタインなどが掛け合わされた交雑種で、「黒毛和牛」の略ではない。
和牛である場合は、必ず「黒毛和牛」や「黒毛和種」と「和」の字が入っている。
卵も玉子も、共に「たまご」と読む。
使い分けに明確な基準はないが、一般的に、生物学上では「卵」と表記し、調理されたものや食材に使用するたまごは「玉子」を用いる。
ただし、魚類など鳥類以外のたまごは調理済みであっても「玉子」と表記せず、食材に使用されることが多い鶏のたまごは、調理に関係なく「玉子」と表記されることもある。
また、「ゆで玉子」と「ゆで卵」、「玉子焼き」と「卵焼き」の表記があるように、調理済みの鶏のたまごであっても「卵」と書かれることがあり、例外も多い。
「医者の卵」など比喩的に用いるたまごは、孵化に例えたものであることから、「医者の玉子」と表記することはない。
漢字の成り立ちから見ると、卵は魚などの丸くて連なったたまごの形を模した象形文字で、孵化すると子になるものを表す。
たまごの古名「殻の子(かひのこ)」にも当てられており、たまご全般を指すのは「卵」となる。
玉子は、殻に入った鳥のたまごの丸い形から「玉の子」で「玉子」となったもので、食材にされる鳥類のたまごが「玉子」と書かれるのはこのためである。
和食に欠かせない調味料の「みりん」には、「本みりん」と書かれたものと「みりん風」と書かれたものがあります。 調味料としては同じような使い方ができますが、この2つには次のような違いがあります。
本みりんとは
蒸したもち米、米麹、焼酎または醸造アルコールが主原料です。40日?60日間をかけ熟成してつくります。 「本みりん」はアルコール分が14%程あり、煮込み料理などのうまみを引き出します。このアルコールの度数が「みりん風」と大きく異なる点です。
みりん風とは
水あめなどの糖類や米、米麹、酸味料、うまみ調味料などをブレンドして作ります。 アルコール度数は1%未満なので、火を通してアルコールを飛ばす、いわゆる「煮切り」をする必要が無いので、火を通さない料理にも使えます。
要するに!
・「本みりん」→アルコールが主原料で度数が14%程度。
・「みりん風」→アルコール度数が1%未満。
料理やお菓子のレシピ等でよく見かける、「強力粉」と「薄力粉」。 小麦粉の種類という事はわかっているけど、いったいどこがどう違うの?っと思ったことはありませんか? 「強力粉」と「薄力粉」には次のような違いがあります。
強力粉とは
水分を加えて練ると「グルテン」と呼ばれる成分ができるタンパク質を11?13%含みます。 歯ごたえやコシがでるため、パンやピザ、餃子の皮などの材料として使われます。
薄力粉とは
水分を加えて練ると「グルテン」と呼ばれる成分ができるタンパク質を7?9%含みます。 柔らかい出来上がりとなるため、お菓子や天ぷらの衣などに向いています。
要するに!
・「強力粉」→歯ごたえやコシがでる。
・「薄力粉」→柔らかい出来上がり。
洋風のスープや煮込み料理などに用いる、「コンソメ」と「ブイヨン」。 この二つには次のような違いがあります。
ブイヨンとは
ブイヨンとはフランス語で「出汁」を意味して、スープを作るベースとなるものです。 牛肉、鶏肉、魚、またはその骨などにセロリや玉ねぎ、にんじんなどの野菜、さらに香辛料を加え時間をかけて煮て作ります。 いわゆる「ダシ」のようなものです。
コンソメとは
コンソメとはフランス語で「完成された」という意味を持っていて、名前のとおり、そのまま飲めるスープなのです。 上記ブイヨンをベースに、肉や野菜をさらに加えて煮詰め、アクを取りをしスープとして飲める形まで調えたものなのです。
作り方は、ブイヨンをベースに肉や野菜を入れてアクを取りながら丁寧にじっくりと煮込んでいき、最後に具材を漉して透明に仕上げます。 透き通った琥珀色が特徴で、具材の旨味がスープにしっかりと溶けだして濃厚な美味しさを感じられるスープです。
要するに!
・「ブイヨン」→西洋料理のダシ。
・「コンソメ」→ブイヨンをスープとして調えたもの。
食材を切る等して調え、火を入れたり味をつけたりして、料理を作り上げる。この作業を「調理」と言いますが、そのまま「料理」という事も出来ます。 「調理」と「料理」には次のような言葉の違いがあります。
調理とは
料理を作り上げるまでの工程、その作業の事を言います。ですからその作業の際に使用する器具は、「料理器具」ではなく「調理器具」と言います。
料理とは
食材が「調理」され出来上がったものが「料理」です。しかし「調理」そのものを「料理」と表す場合もあります。 「料理を作る」から「料理する」→「料理」と、作る事自体を「料理」と呼んでも間違いではありません。
要するに!
・「調理」→食材を切る等して調え、火を入れたり味をつけたりする作業
・「料理」→調理されて出来上がったもの
納豆やチーズ等の食品を発酵食品と言いますが、この発酵食品の「発酵」と、食べ物が傷(いた)んで腐った状態、つまり「腐敗」とはいったいどう違うのでしょう。 この二つの言葉を辞書で調べると、どちらも「微生物の働きで有機物が分解され、特定の物質を生成する現象」などと記されています。では、「発酵」と「腐敗」は厳密にどのような違いがあるのでしょう。
実は、二つの言葉の違いは「生成される物質」により分けられています。
発酵とは
微生物の働きで有機物が分解され、人体に害のない物質が生成される事を発酵と言います。生成される物質はアルコール、乳酸、メタンなどがあり、酒、醤油、味噌、チーズなどの製造の技術として用いられています。
腐敗とは
微生物の働きで有機物が分解され、人体に有害な物質が生成される事を腐敗と言います。代表的なものではタンパク質やアミノ酸が分解される事で硫化水素やアンモニアが生成されます。 食べると有毒で悪臭を放つ、俗にいう「腐った状態」の事です。
要するに!
・「発酵」→微生物の働きで有機物が分解され、人体に害のない物質が生成される事
・「腐敗」→微生物の働きで有機物が分解され、人体に有害な物質が生成される事
おでんや肉まん、トンカツ、シューマイ等、様々な料理にトッピングする少し刺激のあるスパイスといえば「からし」ですが、これと似たものに「マスタード」と呼ばれるものがあります。 この「マスタード」はイタリア語で、訳すと「からし」という意味ですが、調味料としての「からし」と「マスタード」には次のような違いがあります。
からしとは
原材料は、アブラナ科の植物、からし菜の種子のみです。種子をすりつぶし粉状にしたものを湯で溶いて練ります。 通称「和からし」また「オリエンタルマスタード」とも呼ばれ、辛み成分の強いからしです。
マスタードとは
アブラナ科の植物、からし菜やシロガラシの種子が原材料です。マスタードは、原材料に加えてお酢や砂糖などで味を調整します。 そのため「からし」よりマイルドな辛さになり、酸味や甘みなどが多いものもあります。からしと区別するために「洋からし」とも呼ばれています。
要するに!
・「からし」→からし菜の種子をすりつぶし湯等で溶いて練たもの
・「マスタード」→からし菜やシロガラシの種子にお酢や砂糖などで味を調整したもの。
水の中に具材を入れて火にかける調理方法を、「茹でる」または「煮る」と言います。この2つの違い、わかりますか? 「茹卵」と「煮卵」を考えてみれば分かりやすいかもしれません。
茹でるとは
具材に火を通す事、またはアク取りを目的として具材を火にかけることを言います。 味付けを目的としていないところがポイントです。
煮るとは
具材に火を通すとともに、水にダシ、調味料などを入れて味付けも行います。「茹卵」には味が付いていない、「煮卵」には味が付いていると考えれば分かりやすいですね。
要するに!
・「茹でる」→火を通す事やアク取りを目的としている
・「煮る」→味付けを目的としている
醤油の種類には、「濃い口」と「薄口」があります。もし、「濃い口」は味が濃く「薄口」は味が薄いと思っているとしたら、それは間違いです! 「濃い口」と「薄口」の正しい違いは次の通りです。
濃い口醤油とは
「濃い口醤油」は、味が濃いのではなく色が濃いので「濃い口」と言います。と言っても、醤油は本来色が濃いのが当たり前なので、「濃い口醤油」=「普通の醤油」と言えます。 現在家庭で使用されている醤油の8割は、「濃い口醤油」です。
薄口醤油とは
「濃い口醤油」より色が薄いのが「薄口醤油」で、料亭など見た目を重んじる場面で、白い具材にも色がついてしまわないようにと作られたものです。 現在の兵庫県たつの市で円尾孫兵衛が醤油もろみに米を糖化させたものを混ぜる事により色の薄い醤油を創り出したのが最初と言われています。
要するに!
・「濃い口醤油」→色の濃い醤油、普通の醤油
・「薄口醤油」→濃い口より、色の薄い醤油
洋食にはさまざまな調理法があります。中でも洋食屋さんのメニューやレシピ等でよく見かけるのが「ムニエル」と「ソテー」です。 この二つの調理方法の違い、分かりますか?漠然としたイメージは思い浮かぶものの、きちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか? 「ムニエル」と「ソテー」は次のような違いがあります。
ソテーとは
フランス語が由来のソテーとは野菜や肉、魚を油やバターを用いて炒める調理方法です。 平らなフライパンに少量のバターもしくは油をひいて強火で食材を短時間で焼いていきます。 速やかに済ませるべくフライパンを何度も揺すったりヘラを使用してかき混ぜるのが特徴的で、材料に関してもすぐに熱が通るように薄くカットしたり柔らかい物に拘って選定します。
因みに、フランス語のソテーには「飛び跳ねる」という意味もあり、調理油や食材が飛び跳ねるように見えることから名づけられたと言われています。
ムニエルとは
「ムニエル」も、「ソテー」と同じくフランス語が由来です。直訳すると製粉業や粉屋といった意味があります。その名の通り魚の切り身に小麦粉や塩コショウを振りかけてバターを使って焼く調理法です。 外側は香ばしく程良い硬さがあり、内側は柔らかい食感が保たれています。 ソテーは、野菜や肉、魚などあらゆる材料に対して使われる調理方法方ですが、ムニエルは魚料理限定の調理方法というところにも大きな違いがあります。。
要するに!
・「ソテー」→野菜や肉、魚を油やバターを用いて短時間で炒める調理法
・「ムニエル」→魚の切り身に小麦粉と調味料を振りかけバターを使って焼く調理法
ジューシーな味わいで大人から子供まで人気の、「から揚げ」は夕食のおかずや酒のつまみ、子供のお弁当など様々な場面で大活躍するメニューの1つです。 しかし「から揚げ」と似た食べ物に「竜田揚げ」というものがあります。この2つは一体どこが違うのと疑問に思った事はありませんか?
似ているようで異なる「から揚げ」と「竜田揚げ」の違いをご紹介します。家で作っていた「から揚げ」が実は「竜田揚げ」だったということもあるかもしれませんよ。
から揚げとは
から揚げとは、本来肉に下味をつけずにそのままの状態で揚げる調理法の事でした。その名残で、漢字で書くと「唐揚げ」の他に「空揚げ」と書く事があります。
しかし市販されている唐揚げ粉を見ても分かるように、今では下味をつけて揚げた場合も、「から揚げ」と呼ばれています。また、肉に限らず魚介類などを、小麦粉や片栗粉で衣をつけて揚げたもの全般を総じて「から揚げ」と呼ばれることが多いようです。
竜田揚げとは
竜田揚げとは、肉や魚に醤油などで下味をつけて片栗粉まぶして揚げた料理です。そのため揚げた後の衣は唐揚げに比べて白っぽく、やや粉が吹いた状態に見えます。
唐揚げと違うのは下味をつけること、そして衣は片栗粉だけと言う点です。
上記の「から揚げとは」で説明したように、「から揚げ」は本来、肉に下味を付けません。 ですから、魚などの臭みのある食材には向いておらず、肉や魚の臭みを取るためにニンニクや生姜などを用いてしっかりと味付けをしたのが「竜田揚げ」の始まりとも言われています。
要するに!
・「から揚げ」→本来は肉に下味をつけずそのままの状態で揚げる調理法。
・「竜田揚げ」→肉や魚に醤油などで下味をつけて片栗粉まぶして揚げた料理。
お肉が好きな人ならバーベキューと焼肉はどちらも大好きでしょう。バーベキューと焼肉の違いもなんとなくは理解しているのではないしょうか。 基本的にバーベキューは公園や専用の会場などの屋外で行うもの、焼肉は店内や家の中で食べるものというのが一般的な認識です。 肉や野菜、魚などの具材を焼いて食べるものだという点では共通していますが、実はこれらは少しずつ違いあるのです。
バーベキューとは
バーベキュー(BQQ)とは、屋外で調理を行うものでアメリカで発祥されたものです。基本的に牛肉やエビやホタテなどの魚介類、野菜など使用するものは変わりませんがアメリカでは全て焼き終わってから食べ始めるのがバーベキューの特徴です。
また、日本ではないようなマシュマロやチョコレートなどを使ったメニューがあるのも特徴となっています。屋外で大人数のグループで賑やかに食べるのがバーベキューの定番とも言えます。
焼肉とは
焼肉とはお店の中や家の中で食べるもので、こちらの発祥は日本です。焼き終わってから食べ始めるのではなく焼きながら食べ進めるというのが特徴です。
バーベキューは時間のかかるメニューが多いのに対して、焼肉は基本的に数分ぐらいで焼きあがるものが多いです。日本ではバーベキューはカジュアルな印象がありますが、焼肉は叙々苑などの高級店も多く比較的オフィシャルな会合にも使われる傾向があります。
要するに!
・「バーベキュー」→屋外で行うアメリカで発祥の調理方法。
・「焼肉」→お店や家の中で肉を焼いて食べる日本発生の文化。
料理のレシピには、「適量」や「適宜」という分量表記があり、似た言葉ではあるが意味に違いがある。
適量とは、適度な量を加減して入れること。
適宜とは、必要であれば入れること。
砂糖を「適量」と書かれていれば、必ず入れることが前提としてあり、量に関しては、ちょうど良いと思う量を入れてくださいという意味である。
砂糖を「適宜」と書かれていれば、その時の状態に応じて、甘味が足りないと感じたら入れても良いし、甘味が十分と感じたら入れなくても良いという意味である。
足りないから必要だと思って入れる場合は、ちょうど良いと思われる「適量」を入れることになる。
旨味(旨み)とは、食物が良い味であること。また、その度合い。
その他、芸などが巧みなこと。仕事や商売などで、普通よりも利益や儲けが多く、都合がよいことの意味でも使われる。
うま味とは、明治41年(1908)に、東京帝国大学(現:東京大学)教授の池田菊苗が、昆布のだしから発見した味覚の名前。
主成分は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などである。
味の素の「うま味調味料」は、このうま味の成分から作られている。
うま味と旨味は区別されないことも多いが、うま味は、甘味・酸味・塩味・苦味と並ぶ、5番目の基本味として位置づけられる独立した味である。
一方の旨味は、甘味や苦味などの様々な味のバランスによって感じるもので、匂いや食感、体調や一緒に食事をする相手といった環境にも左右されるものである。
塩を大量に入れた料理は「塩味」が増すが、うま味調味料を大量に入れて増すのは、「うま味」であって「旨味(おいしさ)」ではない。
「寝かせるとうまみが増す」という時の「うまみ」は、おいしさをいうため、「旨味」であって「うま味」ではない。
「うまみとコク」という時の「うまみ」は、おいしさをいうのであれば「旨味」、うまみ成分の入った出汁などであれば「うま味」と書くのが正しい。
本膳料理は、正式な日本料理の膳立てで、室町時代に武家の礼法をもとに確立し、江戸時代に発展したが、明治時代以降に廃れ、現在では、冠婚葬祭などに用いる儀式料理に残る程度である。
食事をとる行為自体に、儀式的な意味合いを強く持たせているのが特徴。
本膳料理では、本膳(一の膳)、二の膳、三の膳から成り、鄭重なものでは、与の膳、五の膳までを供し、料理が一度に並べられる。
献立には、一汁三菜・一汁五菜・二汁五菜・二汁七菜・三汁七菜・三汁九菜・三汁一一菜などの種類があるが、二汁五菜が一般的である。
懐石料理は、茶の湯で濃茶をすすめる前に出す簡単な料理のこと。
空腹の状態で濃茶を飲むと、茶の味が分からなかったり、気分が悪くなるといけないため、軽い食事を出したことに由来する。
温石を懐に抱いて腹を温めるように、腹中を温め空腹をしのぐ程度の料理という意味で「懐石」と呼ばれる。
同音の「会席料理(かいせきりょうり)」と区別するため、「茶懐石」とも呼ばれる。
「懐石」には「料理」の意味が含まれているため、本来は「懐石料理」ではなく「懐石」が正しい。
流派によって違いはあるが、懐石料理では、飯・吸い物・向付、煮物、焼物、預け鉢、吸物、八寸、湯桶・香の物、菓子の順に、一皿・一鉢ずつ出される。
会席料理は、本膳料理を簡略化した料理。
元々は、連歌や俳諧の後、俳人たちが楽しむ食事として出された料理で、会席とは連歌や俳諧の席のこと。
現在では、酒宴の席の上等な料理をさすようになり、本膳料理に次いで、正式な日本料理とされているのが会席料理である。
会席料理は酒を中心とした宴席料理であるため、懐石とは反対に、前菜、吸物・煮物、刺身・膾、焼物などが先で、最後に飯と汁が出される。
懐石は茶席に入る人数が少ないため、多くても5人程度だが、会席料理は酒宴料理であるため、10人以上ということも少なくない。
ブイヨンはフランス語で「だし汁」を意味する。
肉や骨、魚類、野菜、香辛料などを長時間煮込んで作る煮出し汁で、スープやソースの素にするもの。
英語でいえば、「スープストック」のことである。
コンソメはブイヨンを素に肉や野菜、調味料などを加え、アクを取り、漉したスープのことで、澄んだ琥珀色をしている。
もともとコンソメは、フランス語で「完成された」や「完全」の意味があったように、そのままスープとして飲めるものである。
ブイヨンとコンソメは、固形や顆粒のものがスープの素として市販されている。
メーカーによって異なるため、必ずとは言えないが、市販のブイヨンとコンソメは、どちらも塩分が加えられており、湯に溶かせばコンソメスープとして飲めるものが多く、基本的に違いはない。
強いて違いを挙げるとすれば、ブイヨンの方がシンプルな味で、湯に溶かすと素材のエキスで多少の濁りがあり、コンソメはブイヨンに比べ、香りが強く、うま味のある深い味で、湯に溶かすと澄んだ透明になることである。
ブイヨン(コンソメ)には牛や鶏の肉や骨を使うが、鶏ガラスープはその名の通り、鶏ガラが使われる(鶏ガラは、肉を取り去った鶏の骨や髄で、肉はわずかに残る程度ついている)。
鶏ガラスープに使う野菜はネギやショウガなどで、ニンジンや玉ねぎ、セロリ、パセリなどを使うブイヨン(コンソメ)とは異なる。
また、鶏ガラスープは西洋料理よりも中華料理に使用することが多いため、市販の鶏ガラスープの素には、ニンニクや醤油が入ったものも多い。
コース料理とは異なり、並んだ料理から好きなものを取って食べる形式・食べ放題のことを、「ビュッフェ」や「バイキング」と言うが、ビュッフェは食べ放題とは限らず、バイキングは使われる地域が限定される。
ビュッフェは、フランス語の「buffet」からで、元々は、立食形式の食事・食卓を意味し、列車内や劇場などの簡易食堂を指した。
そこから、セルフサービスで食べる食事も意味するようになった言葉で、ビュッフェは「立食の食事」「セルフ方式の食事」という意味が中心にあり、そのような形式が結果的に食べ放題に繋がるというだけで、バイキングのように食べ放題とは限らない。
また、ビュッフェには、食器棚や配膳台などの意味もあり、使用場面・場所によって意味が異なる。
バイキングは、1958年に帝国ホテルのレストランが、好みの料理を自由に選んで食べるスカンジナビアの伝統料理「スモーガスボード」の様式を取り入れた際、「インペリアル・バイキング」と名付け、この食事スタイルが人気を博したことから、「食べ放題」と言えば「バイキング」として広まった。
食べ放題の意味で「バイキング(Viking)」というのは、日本のみで通じる表現で、海外ではハワイ・韓国などの日本人を対象とした一部の店に限られる。
現在では、日本でも「バイキング」と呼ぶ人が減り、並んだ料理から好きなものを選んで食べるという意味では「ビュッフェ」、一定の時間内に好きなだけ食べるという意味では「食べ放題」と表現することが多くなっている。
調理も料理も同じ意味で使われる言葉だが、調理よりも料理の方が意味は広い。
調理には、「物事をととのえる」「調整」といった意味もあるように、食材を加工して、食べやすくする過程。また、その行為を表す。
食材を切る、煮る、焼くといった技術・過程を指すため、料理を作る際に使用する器具は、「料理器具」ではなく「調理器具」という。
料理は、食べ物をこしらえることや、そのこしらえたもののことで、料理は調理の意味も含んだ総称である。
広い意味で解釈すれば、食事を作る前の企画の段階から出来上がりまでが「料理」といえる。
調理と料理の意味を分けて使う場合は、料理をする過程や技術が「調理」、調理して出来上がった食べ物が「料理」となる。
調理の方が「食事を作る技術」という意味合いが強いため、明確な使い分けではないが、飲食店などが大勢の人のために仕事として食事を作ることを「調理」、家族や仲間内など少人数のために食事を作ることを「料理」として分けられることもある。
ただし、「作る」という過程だけを区別したものであり、「料理屋」や「料理店」とは呼ぶが「調理屋」や「調理店」とは呼ばないように、飲食店であっても最終的に食べる人に提供されているものは「料理」である。
魚屋が魚をさばいて切り身に加工することは「調理」である。
その切り身は、食べられる状態のものだが、皿に盛り、卓に並べるといった食べる直前の状態になったものではないため、魚屋がさばいた切り身そのものは「料理」ではなく、「調理済み食材(食品)」となる。
本来、焼くは火を食品に直接当てて加熱することを意味した。
最も原始的な加熱調理法であるため、火を通す際の表現として使用される範囲も広く、フライパンや鉄板などの調理器具を使う場合でも用いられるようになっている。
また、「日光で肌を焼く」「世話を焼く」「写真を焼く」など、調理以外の場面でも多く使われる。
炒めるは、加熱したフライパンや鍋などで、素早く食材を加熱する調理法のこと。
炒るは、水気がなくなるまで焦げ付かないように揺すりながら、煮詰めるように火を通す調理法のこと。
「焼く」の範囲が広いため、「炒める」との差がわからない料理も多いが、基本的には、食品の中までじっくり火を通す際には「焼く」を用い、食材をかき混ぜながら加熱する際には「炒める」を用いる。
かき混ぜる料理の中にも、焼きそばなど「焼く」の文字が入る料理もある。
焼きそばが「焼く」を使うのは、焼くの表す過熱の範囲が広いからともいえるが、かき混ぜるのは油や調味料を全体に行き渡らせるためで、加熱の際には鉄板の上に置いた状態で焼いているからともいえる。
また、「焼きそばを焼く」とも「焼きそばを炒める」とも言うように、焼きそばは「焼く」と「炒める」の中間的な料理といえる。
茹でるは、熱湯で煮ること。
パスタなどは「湯がく」と言わず「茹でる」と言うように、芯まで火を通す時に使う言葉。
茹でるは「ゆでる」と「うでる」の読みがあるが、「うでる」は「ゆでる」が変化したもので、意味は同じである。
湯がくは、短時間でさっと茹でることや、熱湯にしばらく浸けておくこと。
野菜のアク抜きなど、下ごしらえの時に使う言葉で、中央部分が柔らかくなるまで煮る意味の茹でるとは違う。
湯通しは、下ごしらとして、熱湯にさっと通したり、湯をかけたりすること。
「湯がく」と「湯通し」は似ているが、「湯がく」は主に野菜類などに使う言葉で、臭みや油気を抜くために肉や魚などを熱湯に通すことは「湯通し」と言う。
湯通しと同じ意味の言葉には、「湯引き」や「湯洗い」がある。