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「現代日本語文法概説」「4.動詞文」補説§4.14「動詞文型調査」

動詞文型調査[6]

  「動詞文型調査」の[1]から[5]までは基本的な動詞を適宜選んで記述し  ていますが、この[6]はもう少し「基本度の低い」動詞を五十音順にとりあげ  ます。 この[6]の部分は、IPALという電子計算機用の日本語動詞辞書の記述に 全面的に基づいています。それを見ながら、文例を加えたり、削ったり、文型を まとめなおしたり、時には文型を加えたりしながら以下に書いていきます。   (動詞の番号は500から794だったのですが、都合により100番あとにずらして、    600からに書き直しました。抜け落ちを補充して906までとなりました。)  
[1]-[6][8]の【五十音順】
[6]目次  あおぐ あつらえる あてはまる あてはめる あなどる あばれる  あやしむ あやつる あやぶむ あんじる  いじる いつわる いどむ いる入る いる射る  うけいれる うけおう うけつける うけもつ うずまる・うずめる うちあわせる うちきる うちけす  うながす うやまう うらぎる うらなう うるおう えがく えぐる えんじる  おう負う おがむ おかす おちいる おそう おちつく おびやかす おびる おもいだす おもむく  害する かえりみる かおる かかげる かさむ かすむ かたよる かなう  かばう かまえる からむ 刈る 関する  利く きざむ 築く きずつける きたえる きらめく 禁じる くぎる くぐる 屈する  くぼむ くみたてる くやむ くれる くわだてる  講じる こうむる 肥える こころみる こしらえる こだわる  こばむ こぼれる こめる こもる こらしめる こりる  さかえる さかのぼる さからう さけぶ ささげる ささやく さしつかえる さずける させる さっする  さとす さとる さばく さびる さびれる さまたげる さらす さる しいる しいれる  しくじる しくむ したう しのぐ しのぶ しはらう しびれる しぼる しみる  湿る 占める 生じる じゅくす しりぞく  すえる すたれる 澄む 刷る 擦る ずらす ずれる せおう せっする せまる  ぞくする そこなう そなえる そなわる そびえる そむく そまる そめる そらす 反る それる  たいする 耐える 絶える たかまる たかめる たがやす たくわえる たずさわる ただす ただよう  たちきる たっする たとえる たどる たまる ためらう たもつ たるむ たれる  つうじる 支える つきあう つきる つくす つくろう つげる  つっこむ つつしむ つまずく つまむ 摘む つよまる つよめる つらぬく つりあう  であう できあがる てきする とがめる とがる とぐ とげる とざす ととのう ととのえる  とどまる とどめる とむ とむらう ともなう とらえる  とらわれる とりあげる とりあつかう とりくむ とりけす とりしまる とりのぞく とりまく  ながめる なぐさめる なげく なだめる なのる なりたつ にあう にくむ にごる  にじむ になう にぶる にらむ ぬぐう ねたむ ねだる ねばる ねらう 練る 除く 覗く  はう はかどる はがす はがれる はげます はげむ はじく はたす はねる はねる2 はやまる はやめる  はんする ひかえる ひきいる ひきうける ひきおこす ひきかえす ひきとる ひきのばす ひそむ  ひたす ひたる ひっこめる ひねる ひらめく ふくらむ ふくれる  ふさがる ふさぐ ふせる ふみきる ふりかえる ふりこむ ふるう ふるえる ふるまう  へだたる へだてる 経る ほうむる ぼかす ほこる ほどこす ほろびる ほろぼす  まう まかせる まかなう まぎれる まく撒く まさる まじわる  まつる まどわす まなぶ まぬがれる みたす 乱す みだれる みちびく みちる みなす  むくいる むす むらがる めいじる めくる めぐる めざす めだつ もうしでる もぐる  もつれる もてなす もとづく もむ もめる もよおす やわらぐ ゆがむ ゆきづまる  ゆびさす 要する よこす よびかける ろんじる わきまえる わびる わりあてる
600[あおぐ]
  人ガ ものヲ 仰ぐ     天・空・天井を 仰ぐ     毒・毒杯を 仰ぐ     人ガ 人ヲ ものト 仰ぐ     私はその人を師と仰いだ   生涯の師と    人ガ 人ニ ものヲ 仰ぐ     上司に指示を仰ぐ     助力・教え・寄付を 仰ぐ ▽文型の違いに対応する意味の違いが鮮やかに出る典型的な動詞
601[あつらえる]
  人ガ ものヲ あつらえる   彼女は春の新しいスーツを誂えた。     背広・服・靴を 誂える    すし・料理を誂える     二人が出会う機会をどうにか誂えましょう。
602[あてはまる]
  ものガ ものニ 当てはまる     次の空欄に当てはまる言葉を書きなさい。     この理論は現実の社会には当てはまらない。     彼女の経歴は募集条件にぴったり当てはまる。
603[あてはめる]
  人ガ ものヲ ものニ 当てはめる     理論を現実に当てはめる    現実を理論に当てはめる  ??     クロスワードに適当な言葉を当てはめる     計算問題を公式に当てはめて解く
604[あなどる]
  人・ものガ 人・ものヲ ものト あなどる     彼女は相手を世間知らずとあなどっていた  新人・経験不足と     敵を臆病者とあなどる  若造・年寄りと        対戦するチームを素人の寄せ集めとあなどっていた     弱小チーム・去年の最下位チームと        女・女子供と
605[あばれる]
  人・ものガ 暴れる     中学生が教室で暴れる  子ども・馬・ネズミ・台風が暴れる     新天地で大いに暴れた  政界で暴れる  (ひゆ的な意味ではデ格が必要)   複合動詞 暴れ回る
606[あやしむ]
  人・ものガ ものヲ 怪しむ     仲間が彼の言葉を怪しんだ  会社が情報の信頼性を  皆が二人の仲を   人ガ 人・ものヲ (ものト)    文ト     子どもが彼を誘拐犯と怪しんだ   隣人が彼を泥棒・誘拐犯と     裁判官が彼の証言・アリバイを偽証と 怪しまれないような服装   人ガ 文ト      皆が彼は正気かと怪しんだ   彼女はあれでも母親か     ウソじゃないかと怪しまれる   ▽IPALの用例であまり自然に感じられないものがある  受身の形がよく使われる
607[あやつる]
  人ガ ものヲ 操る     船頭が巧みに櫓を操る  小舟・船を操って海へ出た     彼女は五カ国語を    人形を   人・ものガ ものヲ     金で女を操る  委員会を  企業が金で世論・マスコミを     巧みな言葉で聴衆・大衆を
608[あやぶむ]
  人・ものガ ものヲ 危ぶむ     息子の前途を危ぶむ  会議の開催が危ぶまれる     友の安否・自分の健康・事業の成功を 危ぶむ     台風の接近でマラソン大会の実施が・その日の天候が 危ぶまれる   人ガ 文ト     委員長が 会議が開催できるだろうか・計画がうまくいくだろうかと 危ぶむ     何か問題が起こるのではないかと危ぶんでいる   人ガ 文ヲ     いい天気に恵まれるかどうか・当日がいい天気かどうか (を)危ぶんでいる     いい天気に恵まれるかどうか・当日がいい天気かどうか が危ぶまれる ▽「文ト」は述語の形に制限がある?  最後の例の「あやぶまれる」は受身ではなく、自発と考える
609[あんじる]
  人・ものガ ものヲ 案じる     彼は一計を案じた  政府が一策を   人ガ ものヲ     夫は妻の病気を案じた  親が子どもの健康を  自分の将来・友の身の上     成り行き・彼の今後が 案じられる     これからのことが案じられて眠れない。    人ガ 文ト     本当に大丈夫なのだろうかと案じていた。
610[いじる]
  人ガ ものヲ いじる       あちこちのつまみをいじってみたが、テレビの画面は元に戻らなかった。     汚い手でいじるんじゃない!       傘・おもちゃ・人形を  楽器・カメラ・機械・庭を  他人の文章を
611[いつわる]
  人ガ ものヲ 偽る     彼女は年齢を偽っていた  身分・名前・感情・本心・自分を      自分の心を偽ってはいけない    人ガ ものヲ ものト                       自分を家族の出と偽っていた   詐欺師が娘を社長の令嬢と     病気と偽ってさぼっていた   人・ものガ ものヲ ものト     画商が偽物の絵を本物と偽って高く売りさばく     デパートが粗悪品を一流ブランド商品と偽って販売する   人ガ 文ト     自分は社長の息子だ・大金持ちだ と偽って、相手を信用させた     知り合いに国会議員がいると偽って仲介料を要求した。     友達の家にいたと偽っていたのが警察の調べで明らかになった。 ▽「偽っている」「偽って、〜」の形が多い。
612[いどむ]
  人ガ 人・ものニ 挑む     先輩が作った記録に挑んでみたい。1時間にラーメン8杯だそうだ。     30歳のチャンピオンに挑む挑戦者は18歳。白熱した試合が期待される。      難関・難題・難コース・未知の世界・可能性に   人ガ 人ニ ものヲ     敵は我々に最後の決戦を挑んできた。     勝負を挑んできた挑戦者を次々に破り、名人の座を守り続けている。      争い・議論・試合・果たし合い・論戦を
613[いる(入る)]
  (人ガ) ものニ ものガ     鎖骨にひびが入った  骨・尾てい骨に      気に入る・悦に入る  ▽「気に入る」のような慣用表現以外は「はいる」が普通
614[いる(射る)]
  ものガ ものヲ 射る     矢が的・熊を射た   彼の鋭い目・眼光は人を射る  陽光・日が目を射る   人ガ (ものデ)ものヲ      弓で矢を射る   強弓で矢を      矢で敵将を射る   矢で的・熊を   人ガ (ものデ)ものニ ものヲ      的に矢を射る   弓で熊に矢を 
615[うけいれる]
人・ものガ 人ヲ 受け入れる     学校が帰国子女を受け入れる   大学が留学生を     日本政府がベトナム難民を   企業が失業者を     地域住民が外国人を隣人として受け入れる   人・ものガ ものヲ 受け入れる     外国の文化を受け入れる     世間の常識を無批判に受け入れるのはよくない     銀行強盗が警察の説得を受け入れて人質を解放した     上司の勧告・忠告を  警察が犯人の要求を  彼の提案を委員会が
616[うけおう]
  人・ものガ ものヲ     会社がマンションの建築を   業者が工事・会場の設営・資材の運搬を     管理人が会費の徴収・取り立てを 請け負う
617[うけつける]
  人・ものガ ものヲ 受け付ける     市役所が消費者の苦情を受け付ける     要求・質問・出願・申請・申込み・入会を      まわりの人の忠告を受け付けない  体が酒を受け付けない
618[うけもつ]
  人・ものガ ものヲ 受け持つ     国語学の講義を  英文法・三年生・授業・仕事・会計を     彼は一人で二役受け持っている (役割を?)
619[うずまる]
  ものガ ものニ/デ 埋まる     家が雪に埋まっている   街が火山灰に埋まってしまった     犬・木・学校・道路・山・庭が 泥・チリに   (ものデ)ものガ (ものニ) 集中豪雨で道路が土砂に  台風で 家・学校・街・庭が 泥に埋まる   所ガ ものデ     スタンドが群衆で 会場・駅・部屋が 観客・ファン・本・ゴミで
620[うずめる]
  人・ものガ 所ヲ 埋める     群衆が広場を  学生が 会場・公園を   人・ものガ 所ヲ ものデ     部屋を本で  主催者・土木局が 会場・池を 花・土・砂で   人ガ 所ニ/へ ものヲ     子どもが宝物を庭に  犯人が 山中・桜の木の下に 現金・死体を   人ガ 所ニ ものヲ     子どもが母の胸に顔を埋めた  枕・母のひざに頭を  襟にあごを
621[うちあわせる]
  人・ものガ ものヲ ものト/ニ 打ち合わせる     石を鉄に 石を鉄と 石と石を 火打ち石を  機械が物と物を   人ガ 人ト ものヲ     彼らは時間と場所を打ち合わせていた (について)     進行係と主催者が  会社と警察が  日取り・手順・やり方を  人ガ 人ト 文ヲ  (か(どうか)(を))     何時に始めるかを打ち合わせた     雨が降ったらどうするか、打ち合わせておかなければならない     雨が降ってもやるかどうかはまだ打ち合わせていない
622[うちきる]
  人・ものガ ものヲ 打ち切る     5時で仕事を打ち切って、急いで帰宅した。     この企画は、評判が悪いので早々に打ち切られた。     調査・交渉・援助・放送・質問・討議・演説・練習・送金を
623[うちけす]
  人・ものガ ものヲ (ものト)打ち消す     事件との関わりを打ち消す  相手の言葉・収賄・贈賄を     大臣はうわさを事実無根と打ち消したが、国民は信じなかった。    人ガ 文ト (ものヲ)     それは違うよとすぐ打ち消したが、心に何か引っかかるものがあった。     彼は、「そんなことはない!」と強く相手の言葉を打ち消した。 
624[うながす]
  ものガ ものヲ 促す     酪農が村の発展を促す  特需が経済復興を促した     カルシウムが骨の発育を   人ガ 人ニ ものヲ     妻は夫に反省を促した     専務が社長に決断を  再考・自粛・辞職・実行・帰国を   人ガ 人ニ 文ト     母親が子供に「もう帰ろう」と  早く行こうと 
625[うやまう]
  人ガ ものヲ 敬う     神仏を敬う心が大切だ   祖先の霊を敬い、おろそかにしない   人ガ 人ヲ (ものト) 敬う     母は祖母を女の鑑と敬っていた   教授を師と敬う
626[うらぎる]
  人・ものガ 人・ものヲ 裏切る     味方を 母国を     人・ものガ ものヲ 裏切る     友人の信頼を裏切る  ファンの期待を  政府が公約を  結果が予想を     「何でもない」といった時の彼の表情は、その言葉を裏切っていた。
627[うらなう]
  人ガ (ものデ) ものヲ 占う    トランプで今週の運勢を占ってみた    星座・血液型で 性格・将来を占う   手相を見て、結婚運・寿命を占う    最新データから世界経済の今後を占う
628[うるおう]
  (ものデ)ものガ 潤う     久しぶりの雨で田畑が  スプリンクラーで畑が  庭の樹木が   ものガ (ものデ)ものガ 潤う     臨時収入で懐が潤った  ボーナスで我が家の家計が     カジノの誘致により、市の財政が大いに潤った
629[えがく]
  人ガ ものヲ ものニ 描く     情景を心に描いた   母の顔をまぶたに   人ガ ものヲ ものニ/デ 描く     自らの体験を小説に描く    夢・幻想・情念を版画・壁画に描く     その時の情景・沸き立つような気持ちを 音楽で描く   人ガ ものヲ (ものデ)(ものニ) 描く     風景を水彩で画用紙に描く  人物・情景をパステルでスケッチブックに   複合動詞 描き出す 
630[えぐる]
  ものガ ものヲ えぐる     悲しみが彼の心をえぐった   はらわた・肺腑をえぐられるような苦しみ   人ガ (ものデ) ものヲ     ナイフで果物の芯をえぐり取る  リンゴの腐った部分・自分の目を   人ガ (ものデ) ものヲ     記者は矢継ぎ早の質問で問題の核心を 取材攻勢で事件の真相を   複合動詞 えぐり出す えぐり取る 
631[えんじる]
  人・ものガ ものヲ 演じる     彼女は新作の映画で主役を演じた     新人が難しい役をうまく演じきった       この物質の作成には、ある酵素が重要な役割を演じている    人・ものガ ものヲ     彼はパーティーで醜態を演じた     会社は派手な販売合戦を演じた
632[おう負う]
  人・動物が ものヲ ものニ 負う     荷物を背に負う 母が子を  山男・ロバ・馬が 大荷物・革袋・薪の束を     肩に負う     頭部に重傷を負う  深手を  肩に傷を    人・ものガ ものヲ ものニ 負う     心に重荷を 社長が全責任を リーダー・所長・内閣が 非難を 一身に     責任を肩に負う     ものガ ものヲ ものニ     彼の成功はその半ば以上を彼の兄に負っている   研究・勝利が     プロジェクトの完成はメンバーの努力に負うところ大である  妻・先人   
633[おかす]
 人ガ ものヲ 犯す・冒す・侵す   悪事・過ち・違反・過失・罪・殺人・タブー・犯罪・反則・不正・凡ミス・ミス   規則・権利・自由・主権・独立・なわばり・プライバシー・領海・領分を    肺・心臓・脳を    女・少女・妻・娘を    不文律を犯して、村から追放された。    危険を冒して財宝を得た。    結核菌に肺を冒されていた。    病に冒される    悪条件を冒して事業を成し遂げた。  雨を冒して
634[おがむ]
  人ガ ものヲ 拝む     人々が日の出を拝む  先祖のお墓を 神様・仏像を       村人が自らを犠牲にして村を救ってくれた恩人を拝む     ほこらにまつってある岩を  樹齢千年の大木を神木として拝む   「見る」の謙譲語  札束を拝ませてもらう  (冗談めかして言う)   複合動詞 拝み倒す  
635[おそう]
  ものガ ものヲ 襲う     強盗が旅人を襲う  熊が人間を襲う  地震が大都市を 経済危機が国を     暴風が船を  暴徒が交番を  疫病が全土を襲った   ものガ 人ヲ 襲う     眠気が突然彼を襲った  彼女は不安に襲われた     高まる不安・死の恐怖・深い悲しみ・激しい疲労感が 私を襲う      ▽文学的な表現
636[おちいる]
 人・ものガ ものニ 陥る   会社が経営困難に陥り、社長は寝る間もなく金策に駆け回った。    主人公は危機に陥ったが、なんとか切り抜けた。まあ、そういうものだ。    取り返しのつかない羽目に陥る前に、慎重に考えたほうがいい。      赤字・悪循環・インフレ・営業停止・逆境・窮地・経営不振・計略に      恋に 膠着状態・呼吸困難・昏睡・最悪の事態・錯乱状態・自己嫌悪に      自暴自棄・重態・手中・術中・スランプ・ジレンマ・人事不省・精神錯乱に      世界同時不況・泥沼・どん底・パニック・破滅・深み・不況・不信に      マンネリズム・無政府状態・欲求不満・絶望的な気分・深い眠りに
637[おちつく]
  ものガ 落ち着く      騒動・騒ぎ・物価・相場・(荒れていた)天候が 落ち着く   人ガ 所ニ/へ 落ち着く     新居に落ち着く  ホテル・移住先に   ものガ ものニ/デ 落ち着く                     結論は現状維持に落ち着いた その問題が   (ものガ) 文ニ/デ 落ち着く     結局、A氏を委員長に推すことに落ち着いた   (結論は〜)    人ガ (ものデ) ものガ 落ち着く     彼は薬で気分が落ち着いた     患者が 転居・転勤で 病状・痛み・心・生活が 落ち着いた
638[おびやかす]
  ものガ 人・ものヲ 脅かす     核兵器が世界の平和を脅かしている     原発の事故の恐怖が人々を   ガン・疫病が人々の命を     彼の発言・失言が大臣の地位を   軍備競争が平和を      彼は自分の王座を脅かす存在を消していった。
639[おびる]
  ものガ ものヲ 帯びる     水が電気を帯びる 話が現実味・熱気を帯びる  雨を帯びた雲     赤みを帯びた肉の色   酒気を帯びて山門に入ることを禁ず   人ガ ものヲ     代表が全権を帯びている  重大な任務・最高権力・社命・使命を帯びる     刀を帯びた武士
640[おもいだす]
  人ガ ものヲ 思い出す     ふるさとの景色を思い出す   昔の友達・学生時代・死んだ母を     死んだ友人のあれこれを思い出す     何となく、昔のことを思い出していた。     前の首相の名前が思い出せない。     夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空      おもいだす 春の日 ひとりぼっちの夜   人ガ 文ヲ 思い出す     手紙を書かなければいけないことを思い出した     今日は妹の誕生日だったのを・昔先生に叱られたことを 思い出す     パーティに誰が来ていたかを思い出そうとしたが、思い出せなかった。     ゆうべ、酒を飲んで、そのあとどうやって帰ってきたのか、思い出せない。    
641[おもむく]
 人ガ 所・ものニ 赴く     公務員が任地に赴く   一行は京都に赴いた  現場・奉公先・旅・死地に   ものガ ものニ      病気が快方に赴く  国の経済が独立自給に 
642[がいする]
  人ガ ものヲ 害する       スポーツもいいけれど、健康を害するほどやってはいけない。     このような出版物は、社会を害するものだから、出版禁止にすべきだ。      感情・気分・発展・風俗・平和を
643[かえりみる]
  人ガ 人・所ヲ 顧みる     母親が後ろの子どもを顧みた   夫が妻を  彼が後ろの席を   人ガ ものヲ 顧みる     老人が人生を顧みる   過去・歴史・あの日のこと・自分の言動を     日々の行いを省みて反省する   人ガ ものヲ     はたの迷惑を顧みない     家庭(のこと)・子どものこと・自らの危険を 顧みない     家族のことを顧みる余裕がない     (否定形が多い)
644[かおる]
  ものガ かおる     バラの花が薫る  梅・沈丁花・橘(の花)が    所ガ ものデ かおる     梅園は梅の香で薫っていた  花畑が花の香りでかおる 
645[かかげる]
  人ガ ものヲ ものニ/へ 掲げる     旗手が旗をポールに  看板・たいまつ・提灯を   捜索隊が   ものガ ものヲ ものニ 掲げる     新聞がエネルギー問題を一面に掲げた  雑誌が米価問題を巻頭に       社説・文化欄に   人・ものガ ものヲ 掲げる     政党・候補者が公約を掲げている  理想・スローガン・政策を   人・ものガ ものヲ ものニ 掲げる      公約に物価安定を掲げた  スローガンとして男女平等の実現を 
646[かさむ]
  ものガ かさむ     この不景気のため、赤字がかさんで事務所の存続が難しくなってきた。     楽しい会になったが、経費が予想以上にかさんでしまった。      維持費・失費・掛かり・交際費・借金・出費・人件費・費用が
647[かすむ]
  ものガ (ものデ) 霞む     霧で空が霞んでいる  もやで月が  山が   人ガ (ものデ) ものガ かすむ     寄る年波で目がかすむ  涙で目がかすむ   ものデ 人・ものガ かすむ     新人の活躍でベテランがかすんでしまった     若手の台頭で  ポップスの流行で演歌が CDの普及でLPレコードが 
648[かたよる]
  (人ガ)ものガ かたよる     肥満児は栄養が偏っている  彼は考え方が常に偏っている 彼の考え方は     性格・判断・思想・知識・選択・好みが     ものガ ものニ      飛行機の航路が北に偏った  船の針路が南に      彼の思想は右に偏っている  政治が資本家優遇に    
649[かなう]
  (人ガ)ものガ かなう     彼は希望が叶った  彼女の夢が叶った  望み・願いが   ものガ ものニ かなわない (否定形のみ)     太郎は次郎の体力に敵わない  ネズミは猫に   日本車がドイツ車に     彼の芸は師匠の芸に     ものガ ものニ 適う     彼のあいさつは時宜に適っている  彼は彼女の両親のめがねにかなった     やり方・あいさつ・意見が 法・礼儀・理・道理・上司の意にかなう
650[かばう]
  人・動物ガ 人・ものヲ かばう     兄が弟を  彼は痛む左足を  神父が罪人を 犬が傷口を 
651[かまえる]
  人ガ 所ニ ものヲ 構える     郊外に居を 東京に店を 小田原に城を 邸宅・一戸・家庭・本拠・陣を   人ガ ものヲ     カメラ・ピストル・銃・やりを    人・ものガ ものヲ     組合がストを  彼が事を構えた    人ガ      彼らは横柄に構えている   ゆっくり・斜に   副詞的表現が必要
652[からむ]
  人ガ 人ニ 絡む     彼は人によく絡む   妻・友人に   店の売り子・飲み屋の店員に   ものガ ものニ      朝顔が庭の竹垣に絡んでいる  糸・裾が  手・足に   ものガ ものニ     子どもの将来が離婚の調停に  この事件には女が絡んでいる     お家の事情・人情・利害得失・金銭・感情的な問題が   義理に
653[刈る]
  人ガ (ものデ)ものヲ 刈る     床屋がバリカンで彼の髪を刈った   羊毛・稲・草・芝を  鎌で     父が芝刈り機で芝生を   バリカンで頭を  植木ばさみで生け垣を    
654[かんする]
  (ものガ)ものニ 関する     論文は経済問題に関するものだ   教育問題に関して論じる     疑惑・報道・研究・ニュース・雑誌が  政治・名誉・日本語に       「に関して・に関するN」の形で
655[利く]
  ものガ (ものニ)     薬が腹痛・風邪・頭痛・下痢・裂傷に 効く     彼の一言・発言が決定に   ものガ/ニ ものガ                このスープは塩が利いている  料理に薬味・わさびが  シーツに糊が     この治療には保険が利く   手術・修理・旅行に 保険・学割が   人・ものガ ものガ      彼女は気が利く   機転・目先・無理・融通が利く やり直しが利く年齢     犬は鼻がよく利く  体が利かない       この車・自転車は ブレーキ・小回りが よく利く    人ガ ものヲ     口を利く  よくそんな口が利けるね  生意気な口・減らず口を利く   (ものデ)ものガ     霧・霧雨で 見通しが利かない   秋晴れで見晴らしが利く
656[きざむ]
  人ガ (ものデ)ものヲ     のみだけで仏像を刻む    小刀・ナイフで 像・碑を      包丁・ナイフで 大根・ネギ・肉を 刻む     人ガ (ものデ) ものニ ものヲ 刻む     ナイフで木に名前を刻む   机・こけし・石・仏像・碑に 文字を    ものガ ものヲ 刻む     時計が時を刻む
657[きずく]
  人・ものガ 所ニ ものデ ものヲ 築く     入り口にイスでバリケードを築く   企業が会場に鉄骨でパビリオンを     山頂に城を  石で土台を  土嚢で堤防を     人ガ もので ものヲ 築く     その小説で名声を築く  脱税で財産を  地道な努力で地盤・友好関係を   ものガ ものヲ 築く      国民の努力・願いが平和を築く   勤勉さが戦後の反映を  
658[きずつける]
  人ガ ものデ ものヲ 傷付ける     刃物・自動車事故で友達を傷付ける   大切な絵・タンス・自分の腕      不祥事で家名を  不用意な言葉で相手の感情を   ほこり・自尊心を     思いやりのない記事で人格・人権を   名声・威信を  会社の信用を   ものガ ものヲ 傷付ける     彼女の言葉が彼の心を傷付けた   その事件が会社の信用を大きく     不祥事が国会の威信を  週刊誌の記事がプライド・名誉を
659[きたえる]
  人ガ ものヲ きたえる     刀工が刀・鉄を鍛える   人ガ ものデ 人・ものヲ 鍛える       先輩が合宿で後輩たちを鍛える     マラソンで心身・足腰を  練習で計算力を     座禅で忍耐力を   運動で体力を      
660[きらめく]
  所ニ ものガ きらめく     夜空に星がきらめく   額に汗が     夜の街にネオンが    闇に狼の眼がきらめいた 
661[きんじる]
  人・ものガ 人ニ ものヲ 禁じる     医者が彼に酒を禁じている  医者に喫煙・飲酒を禁じられた     美術館では展示品の撮影を禁じている     国が国民に賭博を   外国の記者に入国を禁じる     放送でわいせつな表現・差別的表現を 禁じる   人・ものガ 人ニ 文ヲ 禁じる     担当者に勝手に持ち場を離れることを禁じた。     医者に酒を飲むことを禁じられた     事務所は観客に対してタレントを撮影することを禁じている   慣用表現 〜の念を禁じ得ない
662[くぎる]
  人ガ (ものデ)ものヲ     カーテンで部屋を区切る  杭・壁・立木で 土地・地面・空間を   人ガ ものヲ 区切る     司会者が話を区切った    時間を区切って調査する    人・ものガ ものヲ ものニ 区切る     コンピュータが自動的に文を単語・文節に区切る         人の一生を大きく三つの部分に区切る
663[くぐる]
  人・動物ガ 所・ものヲ 潜る     門をくぐる   戸・ガード・のれんを   垣根をくぐる     水をくぐる     弾丸の下を   人ガ ものヲ 潜る     法の網をくぐって悪事を働く     難関・非常線・監視の目を くぐって目的地に達した
664[くっする]
  人ガ ものヲ 屈する     ひざ・上体・身・指を 屈する   人・ものガ 人・ものニ 屈する     戦わずして敵に屈した  彼はどんな批判にも屈しない     マスコミは時の権力に屈した     ライバル会社・力・権力・要求・誘惑・説得・失敗に 屈しない 
665[くぼむ]
  人ガ ものデ ものガ くぼむ     疲労で目がくぼんでいる  睡眠不足で頬が    ものガ ものデ     道路が地震でくぼんだ     地面が爆発・地下の手抜き工事・トラックの往来で 
666[くみたてる]
  人ガ ものデ ものヲ 組み立てる     部品でラジオを組み立てる   車を組み立てる工場     プラモデル・本棚を        実話で小説の筋を組み立てる  子供の頃のエピソードで    人ガ ものヲ ものニ     部品を車に組み立てる  材料を完成品に     機関車・丸い形に    
667[くやむ]
  人ガ ものヲ 悔やむ     不用意な発言を悔やむ   不注意・失敗・失言を     彼は友の死を悔やんだ   弟子の早世を       悔やんでも悔やみきれない   人ガ 文ヲ 悔やむ     彼は不勉強だったことを悔やんでいる  彼女と結婚しなかったことを   人ガ 文ト 悔やむ     試験のあと、もっと勉強すればよかったと悔やんだが、遅かった。     何であんなヤツを呼んでしまったのかと悔やんだ。     選手たちは、あそこでもう少し頑張っていれば、と悔やんでいた。     「しまった!」と悔やんだが、後の祭り。
668[くれる]
  人・ものガ 人に ものヲ くれる     隣のおばさんが妹にケーキを  土産・手紙・花・お茶・小遣い・人形を     先日相談した件で、兄がが電話をくれた。(電話をしてきた)     人ガ 人・動物に ものヲ くれる             彼は息子にげんこつをくれた   小言をくれた  「くれてやれ」   ▽少し古い表現
669[くわだてる]
  人・ものガ ものヲ 企てる       会社が買収を  大統領側近が大統領暗殺を       家出・自殺・陰謀・悪事・政府の転覆・販路の拡大・新しい事実の発見   人ガ 文ト 企てる     過激派が駅を爆破しようと企てた     彼らは新製品で一儲けしようと企てた   ▽意志形の動詞を補文としてとるという独特の文型
670[こうじる](こうずる)
  人ガ ものヲ 人に 講じる     学生に文学を講じる  経済を     人・ものガ ものニ ものヲ 講じる     政府が大気汚染に対策を   県が事故防止の対策を     貿易摩擦に策を講じた   処置・解決策を  ▽「高じる(高ずる)」は別語
671[こうむる]
  人・ものガ ものヲ 被る     会社が円高で被害を被る     異常気象・不景気・第二次世界大戦・事故で  戦災・恩恵・おかげを   人ガ 人・ものカラ ものヲ こうむる     隣人から迷惑をこうむる  人はみな誰かの恩恵をこうむっている     非難・叱責・不興・愛顧を こうむる    
672[肥える]
  人・動物・ものガ 肥える     この赤ん坊はよく肥えている   うちの嫁さんが最近肥えてきた     牛・豚が 肥える  家畜が     土地・土が 肥えている     彼女は 目・舌・耳が 肥えている
673[こころみる]
  人・ものガ ものヲ 試みる     捕虜・ライオンが抵抗・脱出を  プロジェクトチームが実験を         犯人との接触を  能力測定を  暗中模索を  暗誦・鑑定を    人ガ 文ト 試みる     子どもたちが自分で夕食を作ろうと試みた。     市は地域の開発に市民団体の力を生かそうと試みている
674[こしらえる]
  人・ものガ ものヲ 拵える     おにぎりを パン・料理・だんご・おもちゃ・服を     言い訳をうまく  口実を拵えて会社をさぼる  話を     女を 身代金を  財産・身代・金・暇・妾・子供を     身なりを 笑顔を  体裁・表情を
675[こだわる]
  人ガ ものニ/デ こだわる     つまらないことに/で こだわる      体面に  ボーナスの額に   形式にこだわる   人ガ 文ニ こだわる     無農薬であるかどうかにこだわる     彼女は、だれが自分の作品を評価したのかにこだわっていた。
676[こばむ]
  人・ものガ ものヲ 拒む     軍隊が敵の侵入を  深い谷・大河が行く手を      人ガ ものヲ      彼が証言を   国が彼の入国を      申し出・証言・要求・入場・同行・支払い・亡命者の入国を    人ガ 文ヲ 拒む     真実を話すことを拒む  中に入るのを拒む 
677[こぼれる2]
   刀の刃がこぼれる   鋸の歯が   ▽対応する他動詞は「こぼつ」
678[こめる]
   人ガ ものニ ものヲ 込める      銃に弾・火薬を込める   筒に紙を      作品(の制作)に心を込める      訴えに感情を込める(感情を込めて訴える)       思い・希望・願い・万感を込めて        強敵打倒に力を込める  言葉に重い意味を込める    
679[こもる]
  人ガ 所ニ こもる     家・書斎・アトリエ・田舎・二階・寺・山に こもる     自分の殻にこもる      ものガ (所ニ) こもる     煙・ガス・臭いが 部屋・室内・会場・地下道に こもっている     音がこもる   声がこもっていてよく聞こえない   ものガ ものニ こもる     彼女の言葉・手紙・声には 愛情・熱意・心・力が こもっている     仕事に熱がこもる    生活感のこもったエッセイ     会場には若者の熱気がこもっていた      慣用表現  陰にこもる  
680[こらしめる]
  人ガ 人・ものヲ こらしめる     正義の味方が悪人を 懲らしめる     大人がいたずらをした子どもを    
681[こりる]
  人ガ ものニ こりる     失敗に懲りる   大損に懲りて、株に手を出さなくなった     離婚して、結婚に懲りたのかと思ったら、再婚した。     これに懲りず、またおいでください。     塀の中の懲りない面々
682[さかえる]
    ものガ 栄える     悪が栄える  一族が栄える   ロマン主義が栄えていた     国家・町・文化が 栄える     古代文明は大河のそばに起こり、栄えた。    平家はある時期大いに栄えたが、すぐに滅亡した。
683[さかのぼる]
  人ガ ものヲ(ものデ)(所カラ)(所へ/ニ)さかのぼる     探検隊は川を丸木船で下流から上流に20kmさかのぼった。     ボートで 船で  アマゾンを     時代をさかのぼると、現在とはちがったものの考え方が存在した。   ものガ ものニ さかのぼる     この町の歴史は500年前にさかのぼる。     物語・話が 過去に・江戸時代に  
684[さからう]
  人・ものガ 人・ものニ 逆らう     弟は父に逆らって、家を出てしまった。     権力者の言うことに逆らうと、後でひどい目に遭う。     彼は時代・世の風習・運命に 逆らって生きてきた。     日本は世界の潮流・神意に 逆らった     船が風に逆らって進む     車が群衆の流れに逆らう
685[さけぶ]
  人ガ ものヲ 叫ぶ    大衆に平和の重要性・生涯教育の必要・死刑反対を 叫んだ。    労組が再軍備反対・賃上げを   政府が改革を     遠くで何か叫んでいる声が聞こえた。   人ガ (ものデ)(人ニ)文ト    彼女は「たすけて!」と叫んだ。    彼は「みなさん、どうもありがとう」と支持者に向かって叫んだ。    警官がマイクで「早く避難してください」と叫んだ。  電話で・大声で 
686[ささげる]
  人ガ 人・所ニ ものヲ 捧げる    ファンが歌手・俳優に 花束を捧げた。    大司教が王に王冠を捧げる  神主が神前に玉串を捧げる   人ガ 人・ものニ ものヲ     神に感謝・祈りを    恋人に真心・愛を     一生を貧しい人々の救済に    芸術に一生を     科学の研究に    国のために命を捧げる 
687[ささやく]
  人ガ (人ニ) ものヲ ささやく     女の子が母親の耳に何かささやいた。  内緒話・愛の言葉を     電話で秘密の話をささやく    小声・甘い声・低い声で    人ガ (人ニ) 文ト     子どもが私の耳元で「母さんには内緒だよ」とささやいた。
688[さしつかえる]
  ものガ ものニ 差し支える     夜更かしは次の日の仕事に差し支える     麻雀のやりすぎが 勉強・予定・授業に 差し支える
689[さずける]
  人ガ 人ニ ものヲ 授ける     王が家臣に領地を授けた     神様がその夫婦に可愛い子どもを授けた。     勲章・優勝旗・賞・博士号・称号を     弟子に奥義を授ける
690[させる]
  人ガ 人ニ ものヲ させる     母親が子どもに家事の手伝いをさせる  教師が生徒に復習をさせている     学校が父兄に廃品回収を  政府が自治体に肩代わりをさせる 母に庭の掃除をさせられた
691[さっする]
  人ガ ものヲ 察する     相手の気持ちを察する  上司の立場を      彼女の驚き・気持・胸中・心中・親の気持を     苦労を  状況を      見張りが敵の夜襲を察した  ナマズが地震の気配を     神経痛の人が雨の気配を  動物が天変地異を  探検隊が危険を   人ガ 文ヲ 察する     彼が困っているのを察して、助け船を出した。   人ガ 文ト 察する     彼女は相手が迷惑していると察してそれ以上は言わなかった。
692[さとす]
  人ガ (人ニ) ものヲ 諭す     父親が我が子に不心得を諭す    息子の心得違いを     先生が生徒に考え違いを   人ガ 人ヲ 文ト 諭す     父親が本当のこと言うように(と)我が子を諭した。
693[さとる]
  人ガ ものヲ 悟る     人生の無常を  敵の襲来を悟った  過ち・死期・真理を   人ガ ものヲ ものト 悟る     人生を無常と悟る   自分を悪い父親と   人ガ 文ト 悟る     人生は無常だと悟る  ありのままが大切だと悟った    人ガ 文ヲ 悟る     物事の発生にはすべて動機が存在することを悟った     自分にはこれを成し遂げるだけの能力がないことを悟った
694[さばく]
  人ガ ものヲ さばく    釣った魚を捌く   料理長がニワトリ・魚を さばく    ショートが難しいゴロを  騎手が手綱を  師匠がばちを       デパートが夏物衣料を早めにさばいた   売れない商品をさばく    てきぱきと仕事をさばく  担当者が書類の山を一日で  滞った事務を     力士が下がりを  事務員が紙を   裾を    人ガ 人・ものヲ 裁く    親が子供のけんかを裁く  裁判官が被告の罪を裁く 
695[さびる]
  ものガ さびる     刀・包丁・ナイフ・鉄がさびる   さびたナイフ       はさみがさびてしまった    車・車体・鉄骨が       慣用表現 料理の腕がすっかりさびてしまった
696[さびれる]
  もの・所ガ さびれる     昔はにぎやかだった商店街が、すっかりさびれてしまった。     寂れた漁村  寺・神社が    
697[さまたげる]
  人・ものガ ものヲ さまたげる     吹雪が我々の前進を妨げた  狭い道路が 天候・病気・騒音・用事が     競争相手が 彼の出世・仕事・勉強・計画・投票・結婚・再任を 妨げる     貧しい生活が子どもたちの発育を妨げている      台風が敵の侵入を妨げた     結局、睡眠不足が彼の優勝を妨げたことになる      暴走族が騒音で住民の睡眠を   代議士が政治力で計画の実現を     スパイが破壊工作で軍港の建設を   知事が市民運動・リコールを     人・ものガ 文ヲ 妨げる     他人が幸せになることを妨げる人     個人が自由に行動することを妨げる法律があってはならない     緑茶が脂肪が身体につくのを妨げるそうだ
698[さらす]
  人ガ ものヲ ものニ さらす     布を日光に晒した  日・水・川に  粉をさらす      風に身を  寝具を日光に  蔵書を外気に     風雨にさらされた石仏    タマネギを水にさらす     王の首を街頭にさらした   国王・革命政府・奉行所が 罪人をさらす     人々・群衆の目に さらす   人目・世間・衆人環視に     自らを銃火に  肌を炎天に   身を危険に  体・首を攻撃に     醜態を人前に  名前・恥をさらす       我が国は敵の脅威にさらされている
699[さる]
  人・ものガ (所カラ) 所ニ/へ 去る     北海道から沖縄へさった  台風は東方海上へ     学生が大学から 先生が教室から職員室へ  雷が彼方へ    人ガ 所ヲ/カラ 去る     その場を/から  妻の元を/から  舞台・職・職場を/から   ものガ 去る     苦痛が 危機はすでに去った 痛み・悲しみ・危険が      夏が  時・時間・冬・楽しいひとときが    人ガ ものヲ 去る     雑念を去る  妻を去る  悪友・汚れを  
700[しいる]
  人・ものガ 人・ものニ ものヲ 強いる    会社が社員にサービス残業を強いる    大国・親会社・上司が 下請け・組合・小国に 犠牲・譲歩を強いる    弱者に 妥協・服従・無理を 強いる    警察が容疑者に自白を強いる       酔っぱらいが下戸に酒を強いる 寄付・感謝を  相手に自分の考えを    苦戦を強いられる  
701[しいれる]
  人・ものガ 人・ものカラ ものヲ 仕入れる    野菜・果物・商品を 農家・仲買人・問屋から 仕入れる 航空便・現金で    ネットから/で 情報・知識を 仕入れる   
702[しくじる]
  人ガ (ものデ)ものヲ しくじる     女性問題・営業拡大・遅刻で 大事な仕事を しくじった  酒で会社を     酒浸り・女性(問題)で 得意先・お店・師匠を      数学の試験でかんたんな計算をしくじった
703[しくむ]
    人ガ 所ニ ものヲ 仕組む     大工が小川に水車を仕組んだ  丘・山の麓に 水車小屋・茶屋を     精巧な落とし穴を    人ガ ものヲ 仕組む     会計主任が狂言強盗を仕組む   子どもの誘拐・詐欺を      入念に仕組まれたウソ  話を巧みに仕組む   人ガ ものヲ ものニ 仕組む     作家が事件を劇に仕組む  芝居・戯曲に 事故・伝説・民話・伝承を   ▽この用法は一般的でない
704[したう]
  人ガ 人・ものヲ 慕う     子どもが母親を慕う   子犬が飼い主を慕ってついて歩いている     以前からあなたのことをお慕い申しておりました     国民に慕われる国王・皇室      先生の人柄・教授の学風・高僧の人徳を 慕う        故郷・祖国を    
705[しのぐ]
  人ガ (ものデ) 人ヲ しのぐ     彼女はその頭脳と意志の強さで競争相手をはるかにしのいでいる     実力で男をしのぐ   互いに相手をしのごうと努力してきた   人ガ ものヲ しのぐ     飢えと寒さをしのいで生き延びた   暑さ・暴風雨を      雨風をしのぐに足りる家があれば十分だ     借金をして急場をしのぐ    年末・その日その日を      相手の厳しい攻めを何とかしのいだ   慣用表現 糊口をしのぐ  
706[しのぶ]
  人ガ ものヲ しのぶ      友の面影を・故人・師の遺徳・昔のできごと・故郷を 偲ぶ      恥を忍んで告白した  不自由・苦痛を忍んで       人目を忍んで外出した 人目を忍ぶ恋  世を忍ぶ     機の茂美に見張りが忍んでいた。  物陰に忍者が    複合動詞  忍び泣く
707[しはらう]
  人・ものガ 人・ものニ (ものデ)ものヲ 支払う     会社が社員に現金で給料を支払う     患者が医者に診察料を支払う  客がホテルに料金を  店に代金・勘定を     借金・手形・負債を 支払う
708[しびれる]
  (人の)ものガ (ものデ) しびれる     寒さで手がしびれている   衝撃で      正座をしたら、足がしびれて歩けない       電気ショックで身体がしびれた    人ガ ものニ しびれる     熱演・美声・あの声・名優の演技・彼女の美しさに しびれた     激しい音楽・鋭い指摘に しびれる  
709[しぼる]
  人ガ (ものデ) ものカラ ものヲ 絞る     機械でゴマから油を絞る   (乳牛から)牛乳を搾る     オレンジの汁をしぼる       手でふきん・タオル・雑巾を 絞る   人ガ ものヲ ものニ 絞る        議論を要点だけに絞る   問題を  論文の論点を2つに      目標を予選突破に絞る   決勝進出に  最小限に      候補者を3人に絞る  当選確実な者だけに      宣伝の対象を女性に絞る   人ガ 人・ものヲ 絞る     厳しい練習・難しい練習問題で 学生・選手・後輩・部員を 絞る     音量・ボリュームを絞る  テレビ・ラジオの音を  声を絞る     頭・知恵を 絞る     レンズを絞る   弓を絞る     複合動詞  絞り上げる 絞り出す しぼりとる 
710[しみる]
  ものガ ものニ しみる     大根にだしの味がよくしみている  シャツにインクが染みる     ふきんに醤油がしみてしまった   たばこの臭いが服に      雨が地面にしみる   海水が砂にしみていく       煙が目にしみる   冷たいものが虫歯にしみる  薬が傷口に      人の心の温かさが心・胸に しみる   親のありがたさ・恩が       朝の冷気・寒気が 身にしみる   複合動詞  しみ込む しみ出る しみ出す 染みつく しみ通る 
711[しめる湿る]
  ものガ 湿る     雨が続き、空気が湿っている。     洗濯物が湿っている   紙・髪が湿っている     湿ったふとん    暗く湿った雰囲気   湿った話       気分が湿っている   今日は打線が湿っている  
712[しめる占める]
  ものガ 所ヲ 占める     ベッドが部屋の半分を占めている       机・事務所・協会・公園が ビルの2階・市の南西部を 占めている   人ガ ものヲ 占める     女性が重要なポストを占める  日本が上位を 高い地位・首位・優位を    ものガ ものヲ 占める     与党が過半数を占める  賛成意見が80%を 食費・水分が 高い割合・半分   人・ものガ 占める     商社が巨利を占める   漁夫の利・勝ちを 占める
713[じゅくす]
  ものガ 熟す     果物が  かき・みかん・りんご・ぶどう・バナナが 熟す     たるの中でブランデーが熟す       機・時が 熟す   計画・考えが   構想が十分熟していない     日本語として熟していない表現
714[しょうじる]
  ものニ ものガ 生じる     壁にヒビ・亀裂が 生じる     木々の枝に新芽が     世代間に格差が     生活にゆとりが生じる   生活に無理が生じる       摩擦によって熱が生じる     誤解・問題が  不都合・困った事態が生じた  戦いが     不安・悩みが 生じる     大きな変化・違い・差・格差が 生じた       影響が     必要が       ものガ ものニ ものヲ 生じる     両者は見解に相違を生じた    世代間に格差を生じる     生活にゆとりを生じる    経済摩擦を生じる      カビを生じる   思わぬ結果を生じる  混乱を生じる     腹部に湿疹を生じている     無から有を生じる  有が      心に疑惑を  疑惑が        パンにカビが:パンがカビを 生じる
715[しりぞく]
  人・ものガ 退く     初出場のチームが一回戦で退く   先発ピッチャーは3回で退いた    人ガ ものヲ/カラ 退く      現役を退く  職・重職を  舞台を  政界を     責任ある立場から     第一線から退く     執事が主人の前から退く  御前を     人ガ 所ニ 退く      控室に 退く   後方に  二歩後ろに  別室・自室に 
716[すえる]
  人ガ ものヲ 所ニ すえる     教授は分析装置を机の上に据えた。     台座を広場の中央に  礎石を所定の位置に  機械を台に     像を玄関の脇に  長椅子を窓のそばに     本部にスーパーコンピュータを   正面にテレビカメラを      岩に腰を据えた      背中に灸を据える   人ガ 人ヲ ものニ すえる     委員会は田中氏を会長(の座)に据えた。  交渉役に     知事に・首相に   複合動詞  据え置く 据え付ける    慣用表現     腰を据えて(問題に取り組む)     腹に据えかねる 
717[すたれる]
  ものガ (ものデ) すたれる     近代化で古くからのさまざまな慣習がすたれてしまった。     新しい流行語が生まれ、すぐにすたれていく。     町・流行・商売・遊び・風習・伝統が すたれる
718[澄む]
  人・ものガ (ものガ) 澄む     この湖は水がとても澄んでいる。     彼女は目が澄んでいる。  澄んだ目をしている      音色が澄んでいる  心が澄んでいる   澄んだ声     空が青く澄んでいる    複合動詞  澄み切(ってい)る  澄み渡る 
719[刷る]
  人ガ ものヲ 刷る     版画・チラシ・ビラ・名刺・新聞を 刷る     プリンターで年賀状・資料を 刷る    印刷機・輪転機で    複合動詞 刷り上がる 
720[擦る]
  人ガ ものヲ する     マッチを擦る    ゴマ・みそ・墨をする     爪をヤスリで擦る       競馬でボーナスを全部すってしまった   株・賭博・競輪で    複合動詞  すり込む すり切れる すりつぶす すり抜ける すり寄る   慣用表現  人にゴマをする
721[ずらす]
  人ガ ものヲ 所ニ/へ ずらす     机・イス・本棚・箱・花瓶を 右・左・横・後ろに 少しずらした     腰・おしりを脇にずらして座る場所を空けた   人ガ ものヲ (ものカラ)ずらす     タイミングをずらす     下塗りから少しずらして色を塗った     議論を本筋からずらす     都合により、旅行の日程を一週間あとにずらします     予定・出発・時間を ずらす
722[ずれる]
  人・ものガ ものガ ずれる     彼は時代感覚がずれている この印刷は黄版がずれている     彼の話・カラー印刷が 論点・青版が    ものガ ものカラ/ト ずれる     歌が伴奏と  彼の仕事はプロジェクトの方針から 所期の目的   ものガ (ものデ) ずれる     積み荷が振動で 壁の額・眼鏡が 地震・汗で      人・ものガ 人・ものト ものガ ずれる     教授は助教授と論点・考え方が  日本政府は米政府と条約の解釈が
723[せおう]
  人ガ ものヲ せおう     子ども・荷物・リュックサックを 背負う     一家・親戚一同・借金を 背負う            責任・重荷・苦しみ・期待を     十字架を      一国・日本を 背負って立つ
724[せっする]
  人ガ ものニ 接する     さまざまな文化・風習に 接する     名作・名画・名曲に 接する     急報・訃報に 接する    謦咳に接する      線分ABに接する円   人ガ 人ニ/ト 接する     彼女と親しく接する機会が持てた     多くの人と接して、さまざまなことを学ぶとよい     客に接する態度が大事だ   ものガ ものト ものヲ 接する     マックがケンタッキーと軒を接して建っている。     客が互いにひざを接するほどの込みようだった。     フランスはドイツと国境を接している
725[せまる]
  ものガ ものニ 迫る     検察の取り調べが事件の核心に迫る  記者の取材が   ものガ 所ニ 迫る     山が海に迫っている  丘陵・岬・高層ビルが  海・都市の背後・岸に   ものガ ものニ 迫る     試験が三日後に迫っている     期限・完成・破滅・危険が 間近・目前・来年・半年後に 迫る   人・ものガ 人・ものニ ものヲ 迫る     組合が会社に回答を迫る     野党が政府に減税を実行するように  市民が企業に     夫が妻に復縁を 部下が上司に決断を 専務が社長に辞職を 反省・解決を
726[ぞくする]
  ものガ ものニ 属する     クジラは哺乳類に属する     バラ科・は虫類に      彼は社民党に属している。    保守党・反対派・第二組合に     これを決定する権限は議長に属する。  ▽活用は「属さない・属せ」のように「属す」の活用形をとる。
727[そこなう]
  人・ものガ (ものデ) ものヲ 損なう      彼は不規則な生活のために健康を損なった。     企業は公害問題で企業イメージを損なうことを恐れている。     不用意な言葉で相手の機嫌・意欲を 損なう     過保護が子供の自主性を損なう   (親が過保護で〜)     ちょっとしたことが/で 取引先との信頼関係を損なうことがある。     新しいホテルがあたりの美観・景観を 損なっている。     味わいを損なう
728[そなえる]
  人・ものガ 所ニ ものヲ 備える     部屋に百科事典を備えている  辞典・辞書を      大学が教室に消火器を・飛行機が脱出装置を・ビルが屋上にヘリポートを   人・ものガ ものヲ 備える     社長が威厳を  資格・能力・人格・才能を  短歌・曲が形式を   人・ものガ ものニ 備える     試験に備える  将来に備えて準備を始める  政府が経済危機に 万一に   人ガ 所・ものニ ものヲ 供える     仏壇に花を供える  神様・お墓・霊前に 御神酒・花を
729[そなわる]
  所ガ/ニ ものガ 備わる     研究室に最新式の設備が備わっている  学校・病院に 映写機・運動用具が   ものガ/ニ ものガ 備わる     彼には品のよさが備わっている ライオンに威厳が 顔に気品が 文章に風格 が   ものガ ものニ ものガ 備わる     彼は容貌に気品が備わっている     あのおじいさんは立ち姿に威厳が備わっている この文章は言葉に重みが
730[そびえる]
  ものガ 所ニ そびえる     高層ビルがそびえている 城が森の中に 富士山が東京の西方にそびえている     島の中央に火山がそびえている     西にそびえる富士山を仰ぐ   複合動詞 そびえ立つ  
731[そむく]
  人ガ 人・ものニ 背く     彼は国王にそむいた  親の信頼に背いた     先生の教え・命令・法律・法の精神・約束・期待・国・世・個人の自由に
732[そまる]
   ものガ ものニ 染まる      雲が夕日に赤く染まる   シャツが血に染まる      子どもたちが悪に染まる  国民が特定のイデオロギーに染まってしまう      布が紅/緑色に 染まった(結果)
733[そめる]
  ものガ ものヲ ものニ 染める     夕陽が山を暮色に染めている  空・木々・家々・町・あたりを 紅に   人ガ ものヲ ものニ 染める     染物屋が羽織を藍色に  布を茶色に     髪を茶色に染める  爪・歯を  ピンクに 
734[そらす]
  人ガ ものヲ 逸らす     全て的を逸らした  標的を     体・胸を 反らす   人ガ ものヲ ものニ/へ そらす     わざと弾を逸らした    ボール・石を   人ガ (ものニ/へ)ものヲ そらす     話を逸らす    他へ   非難・質問・答えを    人ガ ものカラ ものヲ そらす     ヒットラーは現実から国民の注意を巧みに逸らした。     母が子供・書物から 目・関心・気を   政治から
735[そる]反る
  ものガ (ものデ)ものニ 反る     棚が本の重さで弓形に反っている       板・本の表紙・指・枝が 重さ・暑さで     身体が後ろに大きく反った
736[それる]
  ものガ ものヲ それる    (ものカラ)     飛行機が航路・進路をそれる  弾丸が的を  ねらいが標的から     ボールがストライクゾーンを   人ガ ものニ/へ それる     年頃の男の子が悪の道にそれる   わき道に逸れる   ものガ ものニ/へ それる     台風の進路が脇に逸れた  飛行機の針路が西に      話がわき道にそれる  講演の内容・彼の気持ちが 脇に  
737[対する]
  ものガ (ものニ/ト) 対する     私の家は丘に対して建っている この部屋は道路に対している 窓が海に     警察署と学校が道を挟んで対している  二つの建物が 魚屋と八百屋が   人・ものガ (ものデ) 人・ものニ 対する     全力で敵に対した    政府がゲリラに     店員が笑顔で客に対する  親切な態度で 政府が強硬な態度で相手国に   人・ものガ ものニ 対する (「に対して」の形で)     この商品の品質が値段に対してよいとは言えない  兄に対して弟は     都会に対して田舎は緑が豊かだ   原価に対して売値が     質問に対して丁寧に答えた  地震に対して備えをする     災害・主人・中国・会社の方針に対して   強豪に対して善戦した 
738[耐える]
  人・ものガ ものニ 耐える      寺が200年の風雪に耐えた     耐熱容器が高熱に耐える  地震・震動・圧力・高圧・熱に 耐える     激務に耐える  任・役に          心の痛みに耐える  苦痛・手術・運命・貧困・批判・重圧・中傷に     チームが猛練習に
739[絶える]
  ものガ 絶える     一族・家・子孫・血が 絶える    命・気力・体力が 絶える  息・つき合い・消息・連絡・仕送り・人通りが     笑い声・心配・生傷が絶えない     このままでは我が家の血統が絶えてしまう。
740[高まる]
  (ものガ)ものガ 高まる     海は波が高まっていた   うねり・音・声が     名声が次第に高まった     地位・要望・感心・期待・自覚・気持・不安・機運・志気・水準・調子が   ものガ ものニ 高まる     常識が科学にまで高まる  思いつきが思想に  同情が愛に
741[高める]
  ものガ ものヲ 高める     教授の行動が大学の品位をたかめる  文明の進歩・技術の発達が     声を高める   地位・品質・価値・特質・重要性を     士気・調子を  水準・平均・数値を     人・ものガ ものヲ ものニ 高める     西鶴が戯作を文学にまで高めた 遊びを芸術・学問・体系・思想に
742[耕す]
  人ガ (ものデ) 所ヲ 耕す     農民が 田・畑・土壌・菜園・土地・荒れ地を 耕した
743[蓄える]
  人・ものガ ものヲ たくわえる     老人が小銭を貯える  熊が食糧を  魚・美酒・妾・財産・貯金を   人・ものガ ものヲ たくわえる     鋭気を 知識・活力・実力・力・精力を 蓄える   人・ものガ ものヲ ものニ たくわえる     脂肪を体内に蓄える仕組みを勉強する     電気をバッテリーに蓄える     雨水をタンクに蓄えて利用する
744[携わる]
  人・ものガ ものニ 携わる     教育・家事・農業・政治・陰謀・選挙運動に 携わる      重要な仕事に  
745[ただす]
  人・ものガ ものヲ 正す     政党が姿勢を正す  彼女が居ずまいを  行い・襟・服装・誤りを   人・ものガ 人・ものニ ものヲ 質す     相手に意向を質した  野党が与党に解散の有無を質す      親が子に小遣いの使い道を 政府が専門家に問題点・制度の欠陥・真偽を     警察が犯人の身元を   非を質す  誤解を    人・ものガ 人・ものニ 文ト 質す       質問者は首相に公約を実現させる気があるのかと質した。     「その事実を知っていたか」と質すと、校長は「知らなかった」と答えた。   人・ものガ 人・ものニ 文ヲ 質す     候補者に政府の計画を支持するかどうか(を)質す     今後どうするつもりかを質した     野党が首相にこうした実態をどう見るか質すと、首相は言葉を濁した。
746[ただよう]
ものガ 所ニ/ヲ 漂う     難破船が海に漂う  雲が春の空を      クラゲ・遭難者・救命ボート・空き缶が波間に     コーヒーの香りが漂う   ものガ ものニ 漂う     倦怠感が会議に漂う  和やかな雰囲気・妖気が  部屋・会場・交渉に
747[断ち切る]
  人・ものガ 人・ものト ものヲ 断ち切る     他国と外交関係を断ち切る  悪い仲間と腐れ縁を  本部と連絡を   人・ものガ (ものデ) ものヲ 断ち切る     海上封鎖で敵の輸送路を断ち切った     二人が関係・未練・思い出を 断ち切る   軍が敵の補給路・退路を     業界との癒着を断ち切る   悪循環・非行の根・固定観念を   人・ものガ (ものデ) ものヲ ものニ 断ち切る     裁断機で紙・写真を断ち切った  二つに・半分に  はさみで電線を 
748[達する]
  人・ものガ 所ニ 達する     登山隊が山頂に達する  先頭ランナーがゴールに  目的地に達する   人・ものガ ものニ 達する     両国が貿易交渉において合意に達した  彼ら・双方が 諒解・結論に   ものガ ものニ 達する     傷が心臓に達している     総数が数千に達する   収穫高・損失が5万トンに      彼の技は名人の域に  悟りの境地に  技術が世界的水準に     盛り上がりが最高潮に   人ガ ものデ ものヲ 達する     今度の当選で目的を達した  受験生が志望校合格で望み・志を 達する
749[たとえる]
  人ガ ものヲ ものニ たとえる     彼女をバラに譬える     美人を花に  眠りを死に  人生を航海にたとえる 
750[たどる]
  人・ものガ 所ヲ たどる     登山者が山道をたどる  カモシカが バスが 夜道・家路を   人・動物ガ ものヲ たどる     刑事が犯人の足跡をたどる  犬が犯人の臭いを 旅行者が地図を     雪の上のウサギの足跡をたどっていった。  先人の跡をたどる   人ガ ものヲ たどる     目撃者が記憶をたどる  刑事が事件の経過・被害者の足取り・記録を     文脈をたどって内容を理解する   人・ものガ ものヲ たどる     彼の人生は数奇な運命をたどった  会社の業績は下降線をたどっている     孤児が茨の道・不運な人生を   転落の道・衰退の一途を  売り上げが
751[たまる2]
  ものガ たまる(+否定)     こう暑くては彼もたまるまい  この日照りでは稲もたまらない     あんな要求を出されたら政府も堪らないだろう     これで給料下げられるなんて、たまったもんじゃない。
752[ためらう]
  人ガ ものヲ ためらう     返事・即答・受験・結婚をためらう     判断・決断・断定・決定・回答を   人ガ 文ヲ ためらう     彼女は彼らについていくのをためらった。     進むべきかどうか、ためらった。     進むべきか、引くべきか、一瞬ためらったのがよくなかった。     
753[保つ]
  人・ものガ ものヲ 保つ     人が 若さ・健康・好調・体面・面目・威信・地位を 保つ       政治が 町の秩序・安静・繁栄を 保つ       平均・調和・中立・一貫性を  部屋が一定の温度を保つ   飛行機が高度を保つ     相手と一定の距離を保つ   自動制御システムが速度を     空調が部屋の温度を一定に保つ  整備士が車の性能を一定に保つ     ホテルが空調設備で部屋の温度を一定に保つ     食品・野菜の鮮度を保つ冷蔵庫      母親が赤ん坊の肌を清潔に保つ     シャワーで肌を清潔に保つ    スポーツで体を健康に保つ     お互いの関係をこのまま保つ
754[たるむ]
  人・ものガ ものガ たるむ     彼は皮膚がたるんでいる  父の腹はまだたるんでいない   ものガ (ものデ) たるむ     洗濯ひもが強風でたるんでしまった     糸・縄・綱・テニスのネットが  風・重みで   人・ものガ (ものデ)(ものガ) たるむ     彼は連休明けで気分がたるんでいる  このごろ警察はたるんでいる     気持・精神・気・心・気分が  試験疲れで
755[垂れる]
  人・動物ガ ものガ (ものヲ)たれる     彼は汗が眉間を垂れている  鼻水・よだれが  頬を   ものガ 所カラ (所ニ/へ) たれる     インクがペン先から紙の上へ  雨滴・水・しずくが 軒・傘・天井から      地面・ベランダ・頭の上・肩・紙に      水が蛇口からぽたぽたと垂れている。   ものガ (ものデ)(所カラ)(所ニ/へ) たれる     木の枝が雪の重みで崖の上から崖下へ  雲が重く垂れている     旗・幕・糸が    ものガ (ものデ) ものヲ たれる     犬が恐ろしさでしっぽを垂れた 木が雪の重みで枝を垂れている     後悔で頭・首を     ものガ ものガ たれる     その犬は尻尾が垂れていた   人ガ 人ニ ものヲ たれる     父親が息子に説教を垂れる 先輩が新入社員に 訓戒・範・哀れみ・恩恵を
756[通じる]
  ものガ 所ニ/へ 通じる     電話が山奥にも通じている 海外・山頂に  電気・バス・道路がその村に   ものガ 人・ものニ     日本人には英語が通じない  冗談が相手に 意志・一念が天に通じた     英語はこの国では通じない。   人・ものガ 人・ものニ/ト 通じる     彼は敵と通じていた  スパイ・組合が 相手・敵国・会社と   人ガ 人と ものヲ 通じる     部長が課長と気脈を  父兄が先生とよしみを  意を通じる     人と気持ちが通じる     あの人とは何か通じるものがある。   人・ものガ 人・ものヲ 通じる     友人を通じて申し込む テレビを通じてPRする  外交官・雑誌を   人・ものガ ものニ 通じる     担当者はOA事情に通じている  事情・野球・法律・世情・世の中に   ものガ ものニ 通じる     その問題は現代に通じる  古代の建築様式が現代建築に    ものガ ものヲ 通じる     一年を通じて着られる 生涯を通じて変わらない 一生を 全国を
757[つかえる支える]
  (人・ものガ) ものガ (ものデ) つかえる     電話はつかえている   トイレ・車・順番が        泥で溝がつかえている   ゴミでパイプが         彼はモチでのどがつかえた  食べ物で胸・胃腸が   もの・所ニ ものガ つかえる     溝に泥がつかえている   パイプにゴミが    人ガ (所ニ) ものガ つかえる     あの大男は天井に頭がつかえる  私の頭が鴨居に     人ガ ものニ ものガ つかえる     彼はのどにモチがつかえた  のど・胃・胸に  食べ物・骨が     人ガ ものガ つかえる     私は今仕事がつかえている  予定が         人ガ ものニ つかえる     彼は詩の暗誦につかえてしまう  言葉に
758[つきあう]
  人ガ 人ニ つき合う     上司につき合う  得意先につき合ってゴルフに行く  近所の人に     ゆうべは加藤につき合って、一杯飲んだ。   人ガ ものニ つき合う     妻の買い物につき合う   友人の徹夜・食事に     映画・散歩・麻雀・飲み屋・ゲームセンターに つき合う   人ガ 人ト つき合う     彼と彼女はつき合っている  彼は外国人とつき合っている     今、つき合っている人がいますか。
759[尽きる]
  (ものガ) ものガ つきる     飛行機は燃料が尽きて落ちてしまった。     彼は命脈が尽きた。     彼・会社・車が  蓄え・命・力・運・話・資金・燃料・話題が     目的地まであと少しという所でガソリンが尽きた。     残業、残業で、精も根も尽きた。     このままでは石油資源がもうすぐ尽きてしまう。   ものガ ものニ 尽きる     彼の魅力はその誠実な心に尽きる。  彼の話が息子の自慢話に     郊外の魅力が美しい緑ときれいな空気に  彼の思想が弱者への思いやりに   複合動詞 尽き果てる
760[尽くす]
  人・ものガ ものニ ものヲ 尽くす     警察が犯人逮捕に全力を尽くす     妻・国・試合・戦争の廃絶に 誠意・最善・力・手・あらゆる手段を     発展に力を尽くす   最大限の努力を尽くす    人・ものガ ものヲ 尽くす     十分に論議を尽くした   国会・委員会が 討議・議論を      条理を尽くして説得した    意・委曲・数・言葉・情理を
761[つくろう]
  人ガ (ものデ) ものヲ 繕う     母がミシンで私の上着のほころびを繕ってくれた。     靴下(の穴)を繕う   破れ・ズボン  針と糸で   人・ものガ ものヲ 繕う     彼は何とか体面を繕った     欠点・体裁・世間体・体面・形式・表面・身なりを     失敗をいくら繕っても無駄だ。   人ガ ものヲ 繕う     彼は上役の前を繕った  細君の手前を繕うためウソをついた
762[告げる]
  ものガ (人・所ニ) ものヲ 告げる     チャイムの音が来館者に閉館時刻を告げている。     春一番が春の訪れを告げた。     渡り鳥・ツクシ・雪・鐘の音・鶯の鳴き声・梅の開花・時報が     人々・全世界・街に  春・冬・暁・時刻・5時・新時代の到来・春の訪れを   人・ものガ 人・ものニ (ものデ) ものヲ 告げる     監督が主審に選手の交代を告げた。     米大統領が外務省に親書で訪日の意向を告げた。     天使がマリアに何かを告げた。     大事・別れ・いとま・来意を 告げる   人・ものガ 人・ものニ (ものデ) 文ト 告げる     彼女は夫に「お父様がお見えです」と告げた。     社長はその社員に電話で「明日から会社に来なくていい]と告げた。
763[突っ込む]
  人ガ ものヲ もの・所ニ/へ 突っ込む     小学生が教科書をカバンに突っ込んだ     現金を財布に  蛙を袋に     ネズミが逃げ込んだ穴に棒を突っ込んだ。     ポケットに手を突っ込んでいる   指をのど・鼻の穴に   人・ものガ 所ニ 突っ込む     トラックが人家に突っ込んだ。  暴走車が商店に     バイクがカーブを曲がりきれず、ガードレールに突っ込んだ。     敵陣に突っ込め!    騎馬隊が砦に     人・ものガ ものに/を 突っ込む     野党が大臣の失言に突っ込んだ        会社は用地買収の失敗を総会屋に突っ込まれた   慣用表現     他人の話に首を突っ込むな。
764[つつしむ]
  人ガ ものヲ 慎む     言葉を慎みなさい。     行動・言動・交遊・酒・悪事・色欲・口・身を 慎む   人ガ 文ヲ 慎む     気ままに振る舞うことを慎んだ。     出歩くことを慎む     紛争をあおるのを慎むべきだ     正月の間は台所で煮炊きするのを慎む
765[つまずく]
  人・動物ガ ものニ つまずく     石につまずいて転んだ。  松の根につまずく   人ガ ものニ/デ つまずく     彼は事業拡大につまずいた  歌手が歌の出だしでつまずいた     初仕事の最初から、いろいろとつまずいた。     事業・仕事・人事問題・初回・大学入試・就職で   人ガ ものニ つまずく     彼は人生につまずいた   結婚生活に
766[つまむ]
  人ガ (ものニ) ものヲ つまむ     悪臭に鼻をつまむ   刺激臭・嫌な臭いに   人・動物ガ ものヲ (ものデ)つまむ     手・指で 小さなバッタをつまんだ。     猫の首をつまんで、部屋の外に出した。     チンパンジーがバナナをつまんだ      ゴミ・汚いもの・虫を    人ガ ものヲ つまむ     すしをつまむ  おかず・おやつ・お菓子・酒の肴を   複合動詞 つまみ上げる つまみ出す
767[摘む]
  人ガ ものヲ 摘む     野原で花・草を 摘む   葉・芽・枝を  つくしを  新茶を   複合動詞  摘みとる   慣用表現  悪の芽を摘む   
768[つよまる]
  ものガ 強まる     台風・風・雨が 強まる   日差し・風雨が     相手チームの攻撃・圧力が 強まってきた。     法案が通過する可能性が強まった。     反核運動を支えていこうという意識・気運・気勢が強まってきた      組織内部での対立・反感が強まる    保守化の傾向が     それに対する需要・要求が
769[つよめる]
  人・ものガ ものヲ 強める     ジョギングで足腰を強めている  肩・抵抗力を     自身・自尊心を強める  語気・発言権を 強める        コンロの火力を  爆弾の爆発力を        A社とB社が連帯を強めている。   結束を       両国は緊張の色を強めている。   労働組合と会社側が     紛争が長期化の様相を強めている     市民運動は 分裂傾向・政治色・革新色を 強めている   人・ものガ ものニ ものヲ 強める     彼はその仕事に自信を強めている。     会社は組合員に働きかけを強めてきた。     国民が政府に(対して)監視を強める  警察が過激分子に
770[つらぬく]
  ものガ ものヲ 貫く     弾丸が犯人の胸を貫いた。  銃弾・矢が 壁・板・頭を     槍が鎧を貫いた   ものガ 所を 貫く     運河が市の中央を貫いている。  川・大通りが 谷間・街を   人ガ ものデ ものヲ 貫く     彼は銃で自分の胸を貫いた。  槍で腹を  頭を     彼女はナイフで相手の胸を貫いた   人・ものガ (ものデ) ものヲ 貫く     論文で主張を貫く  著書・演説で 自説・志・信念・基本方針・原則を     最初の方針を貫く
771[つりあう]
  人・ものガ (ものガ) つり合う     二人は年がつり合っている    身分・身長が     二人の服装は色がよくつり合っている。     どう見てもこの二人はつり合わない。   人・ものガ 人・ものト (ものガ) つり合う     彼女は彼と年がつり合っている。     ものガ ものト/ニ つり合う     アクセサリーが洋服とよくつり合っている。     ネクタイ・いす・報酬・輸入が ワイシャツ・テーブル・功績・輸出と
772[であう]
  人ガ ものニ (所デ)であう     森の中でサルの群れに     山道で熊に     夕立に出合った     人ガ 人ニ/ト であう     駅で、偶然、友達・知り合い・上司・親に/と 出会った。
773[できあがる]
  ものガ できあがる     家・辞典・新製品・論文・企画案が できあがる     料理・作品が 
774[適する]
  人・ものガ 人・ものニ 適する    この職業は女性に適している     土地が米作に適する     トウモロコシが気候に  服装が風土に  登山にはズック靴が       この食事が子ども・病人に         彼は議長に適している  彼の性格は   彼の体格が相撲・水泳に 
775[とがめる]
  人ガ ものガ とがめる     彼は良心がとがめた。   気がとがめる   人ガ ものヲ とがめる     母は私の不作法をとがめた  私は母に/から 不作法をとがめられた     人の怠慢・息子の言葉・罪・不注意・悪口・人の過ち・自転車の二人乗りを    人ガ 人ヲ (文ト/ヲ) とがめる      警官が男を「そこで何をしているんだ」ととがめた。     図書館で話している若者を老人がとがめた。     図書館で若者が話しているのを老人がとがめた。     老人が若者に図書館で大声で話していることをとがめた。 ▽「人をとがめる」とはつまり何かを言ったことになる。「文ト/ヲ」があることが前提。
776[とがる]
  ものガ (ものガ) とがっている     針・ヤリ・ナイフが とがっている  とがった針      このハサミは先がとがっている   鉛筆の芯が       あの山は頂がとがっているので、形がいい。
777[とぐ]
  人ガ ものヲ 研ぐ     職人が 刀・包丁・のこぎりを 研ぐ   鏡を  米を      猫が柱でツメを研ぐ   砥石で刀を 
778[とげる]
  人・ものガ ものヲ 遂げる     思いを遂げる  目的・本懐・本望・志を         連続優勝を遂げる            名誉の戦死を 壮絶な最期を   覚悟の自殺を遂げる     重化学工業がおおきな進歩・発展を 
779[とざす]
  人ガ ものヲ 閉ざす     工場はぴったりと門を閉ざし、社員を中に入れなかった。     関係者はみな口を閉ざしていて、真実は隠されたままだった。     不都合な事実に対しても、目を閉ざしてはいけない。      雨戸・口・門・唇・市場・シャッター・ドア・城門・扉・未来・目を
780[整う]
  ものガ 整う                    テイル形が多い     パーティーの準備が整っている。   船団の隊列が     押し入れの中のものはきちんと整っていますか。     試合・食事の 用意・支度が    人・ものガ ものガ 整う     彼女は目鼻立ちが整っている。  顔立ち・プロポーションが     彼は旅行の準備がすっかり整った。     パーティーは準備がすっかり整っていた。     船団は隊列が見事に整っていた。    行進の列が     あの実験室は設備が整っている。     この分譲地は宅地としての条件が整っている。     大学・マンションが 設備・環境が     太郎と花子は婚約が整った。  二人の婚約が  縁組み・相談が     両国政府は協議が  両社は商談が 
781[整える]
  人・ものガ ものヲ 整える     本棚の本をきちんと整えて、内容別に並べてください。     実行委員会が会場を調えた。     服装・体調を  調子・格好・体裁・姿勢・交渉     部屋・家の中・会場・息・呼吸を     旅装を調えた  材料・調度品・設備・夕食を調える
782[とどまる]
人ガ もの二 とどまる     彼は現職に三年間留まっている  部長の座に当分の間留まる   人ガ 所ニ とどまる     博多に三ヶ月留まった  外国・赴任先に 一時・3年間   ものガ もの二 とどまる     損害は百万円程度に留まっている  被害が     負傷者・入場者が 10人・500人に      彼の悪事はこれだけに留まらない     責任の追求は彼だけに留まらない
783[とどめる]
     人・ものガ 人・ものヲ 所二 とどめる     彼は妻子を郷里に留めた。     弟を家に  車を東京に  兵・馬を国境に      兵士を監視役としてその場に   人・ものガ 人ヲ ものニ とどめる     弟を留守番にとどめた    社長は弟の部長を現職にとどめた   ものガ ものヲ ものニ とどめる     その事件は強烈な印象を彼の心にとどめた。     町並みは昔の面影を白壁にとどめている。  子どもの頃の面影を口元に     名を後世にとどめる   人・ものガ ものヲ ものニ とどめる     政府は予算を5兆円以内にとどめた。   被害を最小限度に   人ガ ものヲ ものニ      話を大略の説明にとどめた。   今回の報告は問題提起にとどめた
784[とむ]
  ものガ 富む     家が富む  国が富んでいる  一族が   ものガ ものニ 富む            テイルが多い     この土地は起伏に富んでいる      彼はなかなか感受性に富んでいる。     大豆は蛋白質に富む    日本近海は魚類に  この地方は農作物に     彼の発言は示唆に富む   彼の人生は波乱に     彼女は経験・柔軟性・創意に 富んでいる
785[とむらう]
  人ガ 人・ものヲ 弔う     彼は遺族を弔った。  未亡人・遺族宅を    人・ものガ 人・ものヲ 弔う     遺族が亡き人を弔う。  故山田太郎・故人の霊・菩提を
786[ともなう]
  人ガ 人ヲ 伴う     大臣が秘書を視察に伴う     母親は3人の子どもを海外旅行に伴った。     先生が生徒を旅行に伴う      ▽この用法ではあまり使われない。「連れて行く」など。   ものガ ものヲ 伴う     この仕事は責任を伴う。  今度の風邪は咳を伴わない     この作業は危険が伴う。     改革は痛みを伴う、などと政治家は気楽に言う。   ものニ ものガ 伴う     この仕事には危険が伴う。  権力には責任が伴う。     人気に実力が伴わない   ものニ 伴う     インフレに伴って生活が苦しくなる     教育の進歩に伴って留学するものが多くなった。      ▽「〜に伴って」の形で格助詞相当句に。
787[とらえる]
  人・ものガ 人・動物ヲ (もので)とらえる     カメレオンが舌で蛾をとらえた。       警官が暴徒を捕らえた  クモが獲物を  敵を     泥棒を捕らえてみれば我が子なり   人・ものガ ものヲ とらえる     警官が右手で賊の襟首を捕らえた。     暗闇の中で指先がつまみを捕らえた。   飛んでくるボールを     彼のバットがボールを真芯で捕らえた。  バッターがボールを       チャンピオンのパンチが挑戦者のあごを捉えた。     レーダーが機影を捉えた     その記事は真相を捉えている     この肖像画は彼の特徴をうまく捉えている。     批評が要点・核心を    似顔絵がモデルの個性を     彼はすぐに人の言葉尻を捕らえる。     機会を捉えて話をしてみよう。     相手の口実・隙を捉える      ものガ 人・ものヲ とらえる     疑惑の念が彼女を捕らえた。       彼は彼女の美しさに捕らえられた。      恐怖・絵・音楽・映画・富士山が 彼女の心・世界の人々の心を    人・ものガ ものヲ ものニ とらえる     記者がその惨状を映像に捕らえた。     カメラが画面にその瞬間を捉えていた     決定的瞬間を映像・視野に 捉える     物体を目に・物音を耳に・機影をレーダーに     表情を写真に
788[とらわれる]
  人ガ 所ニ とらわれる            テイル形が多い     地下牢に捕らわれている  元首相が収賄罪で獄に捕らわれた     容疑者が留置所に   政治犯・犯罪者が牢に   人ガ ものニ とらわれる     彼はいつも外見に捕らわれる。  先入観・メンツ・常識・恐怖に
789[とりあげる]
  人ガ (所カラ) ものヲ 取り上げる     テーブルから雑誌を取り上げた。  テーブルの雑誌を     床の上から新聞を   電話・受話器を     人・ものガ ものヲ 取り上げる     会社が彼女の企画を取り上げた。     教授が学生の意見を・裁判官が被告の申し立てを   人・ものガ ものヲ (ものニ) 取り上げる     今日の会議はその問題を議題に取り上げた。     マスコミがその事件をスキャンダルとして取り上げた。     新聞が読者の投稿を・市議会が市民の要望を・雑誌が環境問題を 議論・話題に   人・ものガ 人・ものカラ ものヲ 取り上げる     刑事が犯人から武器を取り上げた。  犯人の武器を     親が子どもからマンガの本・おもちゃを     祖父母が母親から子どもをとりあげた     債権者が社長から所有地を  政府が会社から利権を   人ガ 人ヲ 取り上げる     助産婦が船の中で男の子を取り上げた。  産婆さんが赤ちゃんを
790[とりあつかう]
  人ガ ものヲ 取り扱う         副詞表現とともに     店員が商品を丁寧に取り扱っている。     壊れ物を乱暴に取り扱ってはいけない。     コップ・ガラス製品・化石・本を   人・ものガ 人・ものヲ 取り扱う    副詞表現とともに     上司は部下を丁寧に取り扱ってやるべきだ。     国はわれわれを公平に取り扱うべきだ。   国民・中小企業を   人・ものガ ものヲ 取り扱う     この店は文房具を取り扱っていない。     当店では国産品だけを取り扱っています。     郵便局が電報を・書店が洋書を・売店が輸入品を・相談所がこの種の問題を   ものガ ものヲ 取り扱う     その小説は社会問題を取り扱っている     新聞・雑誌・ニュース・記事が 事件を   人・ものガ ものヲ ものデ 取り扱う         彼女はその問題を自分の小説で取り扱った。      社会問題・事件・彼のことを    小説・エッセイ・新聞・社内報で
791[とりくむ]
  人ガ 取り組む     今日は両横綱が取り組む。   人ガ 人ト 取り組む     小結が大関と取り組む  寺尾が小錦と    ▽以上の意味では、「AとBの取り組みがある」というのがふつう。    次の用法で使われることが多い。     人・ものガ ものニ/ト 取り組む     政府は貿易問題の解決に取り組んでいる。  課題・難題に     古代文字の解読に取り組んでいる。     改革・新しい事業・開発計画の遂行に 取り組む     防災・研究・卒業制作・新分野の開拓に     彼は税金問題と取り組んでいる。
792[とりけす]
  人・ものガ ものヲ 取り消す     警察が違反者の免許を取り消す     先ほど申したことを取り消させていただきます。     ホテルの予約・参加の申し込み・約束・前言・契約・婚約・合格を 取り消す
793[とりしまる]
  人・ものガ 人・ものヲ 取り締まる     上司が部下の行動を取り締まる         警察はスピード違反・飲酒運転を厳しく取り締まるべきだ     捜査官・税関が密輸を 取り締まる     法律・規則・条例で     選挙違反で運動員を取り締まる
794[とりのぞく]
  人・ものガ (ものデ)(ものカラ)ものヲ 取り除く     庭の雑草を取り除く   スコップで畑から石を  手で野菜から害虫を     粛正で党内から 不穏分子・危険思想の持ち主を 取り除いた      お祓いで不安を取り除けるか?    座禅で疑念・雑念を
795[とりまく]
  人・ものガ ものヲ 取り巻く     聴衆が演台を取り巻いている   反乱軍が宮殿を  警察隊が建物を     野次馬が爆発現場を遠巻きに取り巻いている     アリが砂糖のかたまりを     ファンが人気俳優を  腰巾着が権力者を  子分が親分を     厳しい国際情勢が我が国を取り巻いている     高い塀・柵が敷地を  垣根・木立が家を
796[ながめる]
  人ガ ものヲ     彼は娘の顔を眺めていた   彼女が古い写真を  相手の顔を     富士山・山並み・空・海・風景・遠くのほうを 眺める     ぼんやり彼女の顔を眺めていたら、彼女に怒られた。
797[なぐさめる]
  人ガ 人ヲ (文ト) なぐさめる     泣いている子どもをもう大丈夫だよと慰めた   友人・未亡人を     敗れた選手をがっかりするなとコーチが慰めている     負けた選手を「いい試合だった」とファンがなぐさめた。   人ガ ものヲ     友達の不幸を  人の苦しみを    ものガ 人・ものヲ     街路樹の緑が彼の心を慰めてくれた   快い音楽が 彼・彼の耳を     人ガ ものデ ものヲ     音楽で心・耳を慰める  公園の緑で目・心を      旅行・散歩で自らを慰めた   心の痛手を
798[なげく]
  人ガ ものヲ 嘆く        身の不運・運命・友の悲報・政治の腐敗を 嘆く     道徳の退廃・政治家の腐敗・社会の混乱・景気の低迷を 嘆く   人ガ 文ト 嘆く     叔母は今月も赤字だと嘆いていた     どうして私だけがこんな目にあうのかと嘆いた
799[なだめる]
  人ガ 人・動物を なだめる     泣きわめく子どもを   兄弟・犬を  調教師が檻の中のライオンを     父が怒った母をなだめていた。   人ガ ものヲ     母が父の怒りを  子どものおびえを  二人のけんかを    人ガ 人ヲ 文ト なだめる      怒る姉を「まあまあ、そう興奮しないで」となだめた。
800[なのる]
  人ガ ものヲ 名のる     あの人は源頼朝の子孫を名乗っているが、怪しいものだ。     それは偽名だろう。本名を名乗りなさい。      旧姓・芸名・名・実名を  プロ・名人を  
801[なりたつ]
  ものガ ものカラ 成り立つ     水は酸素と水素から成り立っている  日本列島は大小多数の島から     国会は衆議院と参議院から   ものガ (ものデ)      こんな給料では生活が成り立たない   契約が成り立った     あなたの主張は成り立たない     商談・商売・生活・経営・縁談・理屈・推測・考え方が 成り立つ     話し合い・給料・少ない資金で 成り立つ
802[にあう]
  人ガ/ニ ものガ     母には着物が似合う  バラが  彼には彼女が似合っている     彼女はセーラー服がよく似合う   ものガ ものニ     ネクタイがスーツに似合う   ヘアスタイルが彼の顔に ▽文型の違いがある?
803[にくむ]
  人ガ 人・ものヲ 憎む     彼女は夫を憎んでいる   彼は上司の冷たいやり方を憎んだ  病人・被害者が 病気・公害・不正を     薄情な友人・世の中・車・社会・金・会社・罪・親・運命を 憎む     彼の身勝手・利己主義を憎む   人ガ 文ヲ 憎む       誰も助けてくれなかったことを強く憎んでいた     こんな家庭に生まれてきたことを憎む
804[にごる]
  ものガ (ものガ)濁る     この湖は水が濁っている  川の水が     海・池・沼・井戸が  流れ・底のほう・下流が   笛の音色が       酒が 濁っている   ものガ ものニ 濁る       「く」が「ぐ」に濁る    発音が  
805[にじむ]
  ものガ ものデ にじむ     地図が染みでにじむ  ハガキの字が雨で 色がにじむ     紙・包帯・地図が  インク・血・涙で    涙で景色がにじむ   ものニ ものガ      用紙にインクがにじむ  紙・包帯・地図に   血液・涙・染みが    人ガ ものニ ものガ にじむ     額に汗がにじむ  目に涙がにじむ   額に血が
806[になう]
  人ガ ものヲ ものニ 担う     カゴを肩に担う   重い荷物を背に     人・ものガ ものヲ ものニ 担う     国中の期待を双肩に担っている  未来・重責・運命を 一身に担う
807[にぶる]
  ものガ ものデ 鈍る     刀の切れ味が血で鈍った  さびで   人ガ (ものデ)ものガ 鈍る     彼は練習不足で腕が  交渉の失敗で彼の判断力は鈍った     腕・頭・視覚・決心が  カンが鈍ってきた   ものガ (ものデ) ものガ 鈍る     工場がストで製品の出荷が鈍った  車の速度が渋滞で     
808[にらむ]
  人ガ ものヲ にらむ     対戦相手をにらむ  相手の目を    人・ものガ ものヲ にらむ     政治情勢をにらむ  政府は某国の成り行きをにらんで対応策を練る     原稿用紙・盤面・情勢・動きを     人・ものガ ものヲ ものト にらむ      彼は彼女の出身地を関西とにらんでいる     警察はその男を犯人と  40才ぐらいと   人・ものガ 文ト にらむ     刑事は彼が犯人だとにらんでいる
809[ぬぐう]
  人ガ (ものデ) ものヲ 拭う     手でほこりを拭った     手・ハンカチ・布・玄関マット・雑巾で 靴の汚れ・足の泥を     雑巾で足を   身体・額・汗・涙を ぬぐう       レンズをぬぐう   レンズの曇りをぬぐう     周りの疑いをぬぐう  自らの汚名を  恥・不安を  仕事・業績・言葉で
810[ねたむ]
  人ガ 人・ものヲ ねたむ     彼女の成功をねたむ  友人・友の名声・才能・財産を 幸福・幸せな結婚を   人ガ 文ヲ     妻が有名になったことをねたんでいた     同僚の財産が多いことを   友人が金持ちであることを
811[ねだる]
 人ガ 人ニ ものヲ ねだる    子どもがお小遣いをねだっても、毎月決まった以上のお金は上げません。     妻にねだられると、つい余計なものを買ってしまう。      おもちゃ・おやつ・着物・サイン・話・服・前借り・高い物を 
812[ねばる]
  ものガ 粘る     この納豆・もちは よく粘る   人ガ     負けそうだったが、最後まで粘って、とうとう勝った。
813[ねらう]
  人・動物ガ ものヲ 狙う     ライオンが獲物を狙っている  警官が犯人を狙って撃った  的を     空き巣・猫が 留守宅・ネズミを       銃・弓で 的をねらう   人・ものガ ものを      優勝・賞金を ねらう   社長・彼女の後がまを狙う     次期総裁・社長の座・放映権独占・すき・つけいるすきを     事務経費の節減・新しい効果・士気の高揚・親睦・映像効果・目標の達成・     政府転覆を 狙っている    玉の輿を
814[ねる練る]
  人・ものガ ものヲ 練る     委員会が選挙対策を練る   具体案・計画・案・作戦・対策を 練る   人ガ ものヲ      刀鍛冶が刀を練る  職人が飴を  職人が絹を練って上質の布を作る    ▽一般にはまれな用法か   ものガ 所ヲ      テ形が多い     祭りの行列が街を練って歩いた  列が 町中・街なか・通りを
815[のぞく]除く
  人ガ ものヲ (ものカラ) 除く    名簿から知らない人の名前を  商品の中から不良品を    邪魔者・雑草を    不安・不満・反対・抵抗を       未成年者は公募の対象から除く    委員長を除いて全員が反対した    いくつかの例外を除くと     島しょ部を除いた東京都全域で       
816[のぞく]覗く
  所カラ ものガ 覗く     ポケットからハンカチが覗いている  雲の切れ間から月が覗いた     窓から小さな顔がのぞいた   人ガ 所ヲ 覗く     変な男が家の中を覗いている   隣の部屋・向こう側を  窓から     暇があると古本屋をのぞく  おばさんの家・近所の居酒屋を   人ガ ものヲ 覗く     望遠鏡を覗く   穴を  顕微鏡を      他人の私生活を  未知の世界を  人の秘密を   人ガ (所カラ) ものヲ 覗く     崖の上から谷底・崖下を覗く   窓・屋上から下を
817[はう]
  人・動物ガ (所ヲ)(所カラ)(所ニ/へ)這う     蛇が床を  部屋・道路・壁・草むらを  こちらからあちらへ     蛇・トカゲ・カエルが 地面をはっている     この赤ん坊は、立って歩くより這ったほうが早く進む。     はえば立て、立てば歩めの親心   ものガ 所ニ                文末ではテイル形が多い     ツタが壁に這っている  アイビー・朝顔のつる・木の根が 窓・地面を
818[はかどる]
  ものガ (ものデ) はかどる     OAの導入で仕事がはかどる   工事・交渉・勉強が     今日は涼しいので、仕事・勉強・作業・宿題が はかどる
819[はがす]
  人ガ (ものデ)(ものカラ) ものヲ 剥がす      足からサロンパスをはがす   指からバンドエイドを     やかんの湯気で封筒から切手を  濡れたモップで壁からポスターを     塀から張り紙を  電信柱からビラを  靴の底からガムを     寝ている人からふとんを  木から皮を     ツメをはがしてしまって、猛烈に痛い。   慣用表現     ヤツの化けの皮をはがしてやろう
820[はがれる]
  ものガ (ものデ) ものカラ 剥がれる       ポスターが雨で壁からはがれてしまった。     張り紙・ビラが電柱からはがれて落ちた。     封筒から切手が  傷跡からかさぶたが     漆・ペンキがはがれてきた   ガムテープ・セロテープがはがれる
821[はげます]
  人ガ 人・ものヲ (文ト) 励ます     観客が選手を励ました   コーチがチームを     落伍者・生徒・友達・仲間・馬を     負けた選手を「いい試合だった」とファンが励ました。     先生は「まあ、そう落ち込むな」と僕を励ましてくれた。
822[はげむ]
  人・ものガ ものニ 励む     スポーツに励む  業績達成・学業・学問・勉強・研究・仕事・会社再建に     みんなに励まされた
823[はじく]
  ものガ ものヲ 弾く     水鳥の羽は水をはじく    防弾ガラスは弾丸を     油紙・レインコート・下敷き・ガラス・葉が 雨・インク・露を   人ガ (ものデ)ものヲ 弾く     指でギターの弦をはじく     爪先・ピック・鉛筆で 小石・おはじき・算盤の珠を
824[はたす]
  人・ものガ ものヲ 果たす     政治家が公約を果たさない。       彼との約束を  自分の責任を  当初の目的を  最低限の義務を     指導的役割・機能・使命・願望・望み・公約を 
825[はねる]
  人・ものガ 跳ねる     馬が跳ねた  魚が水面で跳ねた。  子ども・ウサギが     栗がはねた  薪がパチパチはねている  豆・炭が     芝居がはねる  芝居は十時にはねた  映画・コンサートが   ものガ ものニ はねる     油がはねる   床・台の上・手・腕に油がはねた     服・裾・靴下・靴・スニーカーに泥が跳ねた        イルカが水中からジャンプした時、観客席にまで水がはねた。 
826[はねる2]
  人ガ ものヲ はねる     役人が囚人の首をはねる。     係員が不良品をはねた。    選別係が腐ったリンゴを    もの・人ガ 人・動物ヲ はねる     急行電車が子どもをはねた。  自動車・トラックが 人・動物を     彼は不注意で年とった犬をはねてしまった。   
827[はやまる]
            ものガ 早まる・速まる     予定が少し早まった。     電車のスピードが速まったようだ。      足・時間・時期・速度・死が 
828[はやめる]
  人ガ ものヲ 早める・速める     少し予定を早めて、来週の月曜に帰国することにした。     回転が安定しているので、もうちょっと回転速度を速めても大丈夫だろう。      足・足取り・歩み・解決・回転・時期・衰退・進め方・スピード・調子・      手・テンポ・歩調・滅亡・予定を
829[はんする]
  ものガ ものニ 反する     彼の行為は規則に反する。       そんな服装は礼儀に反する。     法律・道義・礼儀・公序・国益・趣旨・条約・取り決め に反する行為     調査結果は初めの予測に反していた。     現実・実績が 期待・方針・目的に 反する
830[ひかえる]
  人・動物ガ 所ニ 控える     盲導犬が主人の横に控えている。   召使いが      面接の前は、別室に控えていた。     彼の背後には暴力団が控えている。    人ガ ものヲ 控える     水分・塩分・糖分・調味料・刺激物を控える  お菓子・外食を控える     酒・アルコール・タバコを 控える   深酒を         偉い人の前では、言葉を控えなさい。  発言・外出・無駄遣いを     いたずらっ子も、恐いおじいさんの前では悪さを控えていた。   人ガ 文ヲ 控える     主賓が来るまで食べ始めるのを控えていた。     お酒を飲むの/ことを 控える     言うのを 話すのを 出歩くのを     使用することを  報道することを控えていた     人ガ ものヲ ものニ 控える     電話番号を手帳に控える   発言をノートに控える     結婚式を三日後に控えていた  受験・入学・デビューを
831[ひきいる]
人ガ 人・ものヲ 率いる     将軍が全軍を率いた     教師・王・当主が 子ども・生徒・兵・艦隊・一族を 率いる
832[ひきうける]
  人・ものガ ものヲ 引き受ける     私が宣伝を引き受けた。     父は部下の仲人を引き受けてしまった。     注文・依頼・資金調達・支払い・宣伝・憎まれ役・後任を     彼が敵を一手に引き受けた。     宣伝関係を    株・事件・問題・手形・損失・負債・責任を     会社が/で 損失を全額引き受けた。     子どもを引き受ける
833[ひきおこす]
  ものガ ものヲ 引き起こす     放射能が遺伝子の突然変異を引き起こした。     その番組が女子高校生ブームを引き起こした。     彼・地震・台風・本・論文が 惨事・事件・問題・騒動・流行を 引き起こす
834[ひきかえす]
  人・ものガ 所(カラ) 所ニ/へ 引き返す     彼は急いで学校から家へ引き返した。     勤務先・現地・事故現場から 家・職場・会社へ    人ガ 所ヲ 引き返す     彼は山道を1キロほど引き返した。     来た道を500メートルくらい引き返して右へ曲がりなさい。
835[ひきとる]
  人ガ 所ヲ 引き取る     彼はその場をそうそうに引き取った。  その場から   人ガ ものヲ 引き取る     母がぼくの話を引き取って説明してくれた。     人のことばを引き取る   人・ものガ 人・もの・所カラ もの・人ヲ 引き取る     彼は施設から友人の遺児を引き取った。     彼が彼女から荷物を  ちり紙交換が古新聞を  企業が小売店から不良品を     施設から不用品を  病院から遺体を引き取る      本を古本屋に引き取ってもらう     古いパソコン・テレビ・冷蔵庫・車を 引き取る
836[ひきのばす]
  人ガ ものヲ (ものニ) 引き延ばす     彼は撮った写真を等身大に引き延ばした。     文・要旨を 4行・3倍に   人ガ ものヲ (ものデ) 引きのばす     曲がった針金をペンチで引きのばした。 まっすぐに     金属・針金・ゴムひもを 引き伸ばす     彼は文章を4行引き延ばした。  要旨を1枚分引き延ばす     議長は審議を5分引き延ばした。     裁判官が審議を  議長が会議を   議員が演説を     何とか話を引き延ばす    雑談で     絵の具を薄く引き延ばして塗る
837[ひそむ]
  人・ものガ 所ニ 潜む     小さな獣が茂みにじっと潜んでいる。     子ども・戦車が 物陰・背後・電柱の後ろに     彼は東京に潜んでいる。     悪魔が彼の心の中に潜んでいた。     疑い・謎・病魔・犯罪が 心・心の内・事件の裏・健康な体に     ゴキブリが台所のどこかにひそんでいる     この森に潜んでいる敵を探し出す     プログラムに潜むバグを見つけ出す
838[ひたす]
  人ガ ものヲ ものニ/へ 浸す     彼女は足を清水に浸した。     手・傷口を ぬるま湯・流水・清水・川・井戸に 浸す     脱脂綿をヨードチンキに  セーターを石鹸液に     布・コットン・ガーゼ・米・ほうれん草・大根の葉を     水・ベンジン・薬に 浸す     冷えた体を温泉の湯にゆっくり浸した     茶碗と皿を水に浸しておいた     感傷に身を浸している  思い出に
839[ひたる]
  人ガ ものニ 浸る     患者が薬湯に浸っている  湯・温泉に     温泉の湯にゆっくり浸った     その場の暖かい雰囲気に浸った     思い出・楽しい雰囲気に     チームは勝利の喜びに浸っている。      子どもが両親の愛情に浸る   ものデ ものガ 浸る     洪水で田畑が浸った。  台風で 家・線路・街が   
840[ひっこめる]
  人・動物ガ ものヲ 引っ込める     亀が首を引っ込めた   子どもが手・足・頭を     ボールペンの芯を引っ込めた  ライター・ランプの芯を   人・ものガ ものヲ (所カラ)(所ニ) 引っ込める     監督が打たれた投手をベンチに引っ込めた     演出家が大根役者を舞台から引っ込めた     母親がうるさい子供たちを奥の部屋に引っ込めた   人・ものガ ものヲ 引っ込める     出した提案のミスに気づき、すぐ引っ込めた     政府が議案を    意見・希望・辞職願いを
841[ひねる]
  人ガ ものヲ (ものデ)(ものニ) ひねる     水道の栓を左にひねった。     スイッチを手で   太い針金をペンチで   人ガ ものヲ ひねる     腰をひねって後ろを見た。     サッカーで足首をひねってしまった。 (けがをする)     あの大学はひねった問題を出す。    出題者が   人ガ 人ヲ ひねる     弱い相手をかんたんにひねって勝った。   慣用表現     難しい問題に彼は首をひねっていた。     赤子の手をひねるように
842[ひらめく]
  (もの・所ニ) ものガ ひらめく     暗闇に稲妻がひらめいた。  山際に閃光が 月影に白刃が   人ガ ものガ (ものニ)ひらめく     彼はあるアイディアがひらめいた。  彼女の心に
843[ふくらむ]
  人・ものガ ものガ ふくらむ     桜もつぼみが膨らんできた   桜のつぼみが     うちの娘も少し胸が膨らんできたようだ    もの・所ガ (ものデ) ふくらむ     帆が風でふくらんだ     ポケットはキャンデーでふくらんでいた     ズボン・財布・パンが  小石・小銭で     もち・風船・気球が ふくらむ            赤字が不景気でふくらんだ  借金が経営不振で   ものガ ものニ/デ ふくらむ     彼の胸は希望に膨らんでいる  期待で胸が 
844[ふくれる]
  ものガ (ものデ) ふくれる     ポケットが小銭で膨れている  餅・風船が膨れる     タイヤが暑さで        かかとの豆がふくれてきた   ものガ (ものニ) ふくれる     会員が1万名に膨れた     日本のGNP・輸出量が2倍に 膨れる   人ガ (ものデ) ふくれる     彼女はささいなことで膨れる     彼は少し小言を言うとすぐ膨れる   人・ものガ (ものデ) ものガ ふくれる     ビールで腹がふくれた   食べ過ぎ・ポテトで     その花瓶は胴がふくれている  ▽「ふくらむ」との使い分けの説明はかなり難しい
845[ふさがる]
  もの・所ガ ものデ ふさがる     溝はたくさんの落ち葉でふさがっている     往来は群衆でふさがっていた     その港は泥でふさがりかけている     管・パイプ・家・道・傷口・穴・席・部屋・川が ふさがる   人ガ ものガ ものデ ふさがる     私は今ちょっと仕事で手がふさがっています。     この日の午後はあいにくふさがっています。  授業・著述で
846[ふさぐ]
  人・ものガ (ものデ) ものヲ ふさぐ     警察がバリケードで道を塞いだ。     会社は今度来た新人でやめた人のあとを塞いだ。     管・パイプ・家・穴・傷口・席・部屋・川を ふさぐ   人ガ (ものデ) ものヲ ふさぐ     彼女の口を手で塞いだ。     耳をふさぎたくなるような騒音     目・鼻を ふさぐ     人ガ (ものデ) ものガ ふさぐ     彼は入試の失敗で気分が塞いでいる。     天気が悪いと気が塞ぐ。    失恋・長雨で     彼は最近どうもふさいでいる。
847[ふせる]
  人ガ (所ニ/へ) ものヲ 伏せる     彼は机にコップを伏せた。     本を伏せて机の上に置いた。  台の上・膝の上に     皿・杯・カード・トランプを 伏せておく     彼は草むらに身を伏せた。  地面に体を      床に伏せろ!      人ガ (ものデ) ものヲ 伏せる     彼は恥ずかしさで目を伏せた。  羞恥で顔を伏せる   人・ものガ 人ニ ものヲ 伏せる     彼はT氏に事情を伏せている。  名・話・事実を      医師が患者に病名を  政府が国民に真相を   ▽「母は長い間伏せっている」は五段活用 
848[ふみきる]
  人ガ ものヲ 踏み切る     選手が跳躍版を踏み切った。         人・ものガ ものニ 踏み切る     政府が公害対策基本法の制定に踏み切った。     大臣・会社・警察が 改革・大量生産・公開捜査に 踏み切る     計画の実行・手術に踏み切った
849[ふりかえる]
  人ガ (所ヲ) 振り返る     彼は今まで歩いてきた道を振り返った。  後ろを   人ガ ものヲ 振り返る     監督が今日の試合を振り返る     自分の行いを振り返る     自分・試合の経過・一年・入社当時・過去・歴史・子供時代を
850[ふりこむ]
  人・ものガ ものニ ものヲ 振り込む     銀行口座に代金を振り込んだ。     企業が口座に小切手を振り込む      親に役満を振り込んだ(マージャン)
851[ふるう]
  (人・ものガ) ものガ ふるう     否定形が多い     彼は成績が振るわない。     チームは士気が振るわなかった。     最近店の売り上げがふるわない。     日本は国力が  この会社は経営・営業部が 振るわないそうだ     風采・打撃陣・商売が    人ガ ものヲ ふるう     彼女が長刀をふるう   槍・刀・木の枝を 振るう   人・ものガ 人・ものニ ものヲ ふるう     彼は妻に暴力を振るった。     子ども・群衆・警察が  母親・飼い猫・犯人・デモ隊に 暴力を振るう   人ガ (ものニ) ものヲ ふるう     料理に腕を振るう    新チームで采配を振るった     経営・事業拡大に手腕を 応援演説に熱弁を  書き初めに筆を振るう
852[ふるえる]
  人・動物ガ (ものニ/デ)(ものガ) 震える     寒さでひざが震えた。       彼女の声は怒りに震えていた。     疲労・ニコチン中毒・興奮・感動・恐ろしさで/に 震える     手・唇・足・ひざ・胸・身体・声が 震える   ものガ ものデ 震える     地震で窓ガラスが震えた。 ジェット機の爆音・大型トラックの通過で     大地・山・木が 震える  
853[ふるまう]
  人ガ ふるまう            副詞的表現が必要     彼は人の家でもかってに・自由に ふるまう。   人・ものガ 人ニ ものヲ ふるまう     客に豪華な食事をふるまった。     上司が部下にただ酒をふるまった。     来客・学生たち・社員に ふるまう
854[へだたる]
  ものガ (ものカラ) 隔たる     彼の感覚は現代感覚から隔たっている。  彼の理想が現実から     彼との間が隔たってしまった。     先生の考え方が現実感覚から  彼の行動が彼の主張・気持ちから    所・ものガ 所・ものト/カラ 隔たる     この町はあの町と20キロ隔たっている。     八丈島が本土と     もっとも近い町はここから10キロ隔たっている。  この家は隣と2キロ      現代は明治維新から百年隔たっている。
855[へだてる]
  ものガ ものヲ 隔てる     2軒の家は道を隔てて向かい合っている。     彼と彼女はテーブルを隔てて向かい合った。     二人は十年の歳月を隔てて再会した。     机と椅子・犬と猫・桜と梅が 2mの距離・こたつ・道・川を    ものガ 所ヲ 所ト 隔てる     ピレネー山脈はスペインをフランスと隔てている。     小川がぼくの家とその子の家を隔てていた。     垣根がうちと隣を  ついたて・カーテンがこちらのテーブルを隣と     道がこのビルとあのビルを   所ガ 隔てる     5メートルほど隔てて外に水飲み場がある。     壁一つへだてた隣室  
856[へる経る]
  ものガ 人・所ヲ 経る     書類が課長を経て部長に渡った。     列車は静岡を経て東京に着く。   ものガ ものヲ 経る     法案は諮問委員会の審議を経ている。     学生が試験を経て卒業した。     手続き・審議・衆議院を経る     時ヲ 経る     十年の歳月を経て二人は再会した。     一ヶ月を経て  
857[ほうむる]
  人・ものガ ものヲ 葬る     彼は妻の亡骸を菩提寺に葬った。     遺族が死者を   彼が愛犬を    人・ものガ 人・ものヲ ものカラ 葬る     彼は加害者を社会から葬った。  被害者同盟が商事会社を世間から   人・ものガ ものヲ (ものカラ) ものニ/へ 葬る     権力者が事件を闇から闇に葬った。     事件・議案・事故・不祥事・軍国主義・子供・ライバル・独立政党を
858[ぼかす]
  人ガ (ものデ) ものヲ ぼかす     画家はスプレーで濃淡の境をぼかした。     筆・指で 絵の背景・町の輪郭・色・油絵を ぼかす   人ガ ものデ ものヲ ぼかす     彼は冗談で話の重要な点をぼかした。     レトリックで  主旨・態度・意味を ぼかす     話を広げて問題の焦点をぼかす     人物の輪郭線をぼかして色を塗る
859[ほこる]
  人・ものガ (人・ものニ) ものヲ 誇る     彼は同僚に自分の技量を誇った。  仲間に     自分の才能・能力・技術・家柄・財産・美貌・学歴を     A社は生産管理システムを世界に誇っている。     チームが他のチームに五年連続優勝を     研究者が 同業者・業界に 先端技術・二十年の研究歴を 誇る     日本が世界に誇る発見  三百年の歴史を誇る大学   人ガ (人ニ) 文ト 誇る     うちの社長は「わが社の技術は世界一だ」と誇っている  ▽文末ではテイル形が多い  連体用法も多い
860[ほどこす]
  人・ものガ ものニ ものヲ 施す     農民は稲に肥料を施した。  農協が 草・木・果樹に 堆肥を     政府・企業が 中小企業・冷害の被害・欠陥車・予算の不足に     対策・処置・手段を 施す   人・ものガ 人ニ ものヲ 施す     教会が貧しい人々に食べ物を施した。     篤志家が恵まれない子たちに恵みを施した。      医師が患者に応急手当を施した。     教育・仁政を 施す     国王・政府が 国民・貧しい人々・貧民に 慈善・恩恵を 施す    人ガ ものニ (ものデ) ものヲ 施す     彼女はハンカチに金糸で刺繍を施した。     家主・船員・画家が 家・船・陶器・壁画・文字に ペンキ・朱で     冷暖房装置・着色・彩色・満艦飾・濁点を 施す   慣用表現     面目を施す
861[ほろびる]
  人・ものガ 滅びる     豊臣家は大阪城とともに滅びた。     トキはこのままでは滅んでしまう。     人類・国・伝統・文化財・悪が 滅びる
862[ほろぼす]
  人・ものガ 人・ものヲ 滅ぼす     核戦争は人類を滅ぼすだろう。     日本人・自然破壊・神が 日本狼・人類・悪を 滅ぼす     酒は若者を滅ぼす     麻薬・覚醒剤・スキャンダルが 彼を 滅ぼした   人ガ ものデ ものヲ 滅ぼす     彼は酒で身を滅ぼした。   酒・女・ばくち・スキャンダルで 
863[まう]
  人ガ ものヲ 舞う     日本舞踊を舞う  娘道成寺を舞っている   舞を舞う     鶴が舞うように羽を動かしている   ものガ (ものニ/デ) 舞う     木の葉が風に舞う。  雪が風で舞う  書類が扇風機で   ものガ (所ニ/ヲ) 舞う     小雪が空に舞う。     木の葉・蝶が     鷹がゆうゆうと空を舞っている。  ▽文学的な表現
864[まかせる]
  人・ものガ 人・ものニ 人・ものヲ 任せる     彼女は女中に子どもを任せた。     学校に子どもの教育を  家事を家政婦に       弁護士に訴訟の手続きを   祖父に子どものけんかの仲裁を   人・ものガ ものヲ ものニ 任せる     運を天に任せた。       今後のことは、まあ、成り行きに任せよう。     研究を続けるかどうかは、君たちの自主性に任せる。
865[まかなう]
  人・ものガ ものヲ まかなう     3人の職員が100人分の昼食を賄っている。     市では休職センターで小学校の給食を賄っている。     パートタイマーが 患者の昼食・寮の食事を   人・ものガ ものヲ ものデ まかなう     党は活動資金を寄付で賄っている。     主婦・同好会が 運営費・食費・選挙費用を     少ない費用・10万円・献金で なんとかまかなっている  ▽上の意味で使われることは少ないか
866[まぎれる]
  ものガ ものニ 紛れる     彼の姿は人込みに紛れてしまった。  雑踏に     黒い牛が暗闇に  ボールが草の中に     話が冗談に紛れた。     細かいところが 騒音・騒ぎ・笑い声に 紛れてよく聞こえなかった   人が ものニ/デ ものガ 紛れる     彼は忙しさで悲しみが紛れた。  旅行で心の痛みが     子どもの無邪気さに苦痛が紛れる   酒で苦しみが  
867[まく撒く]
  人・ものガ (所カラ) 所ニ ものヲ まく       農協が飛行機から田んぼに農薬をまいた。     彼は地面に水をまいた。     彼らは裏の畑に麦の種をまいた。     二階・屋上から 芝生・道・往来・庭に 花・砂・ビラ・金を   ものガ ものニ ものヲ まく     その事件は世間に恐怖の種をまいた。     民族感情が両国の間に争いの種をまいた。     二人の結婚がそれぞれの家庭に騒動の種を   世間に
868[まさる]
  ものガ 増さる     雪の深さは次第に増さった。   水かさが   ▽上の用法では「増える・増す」がよく使われる     いとおしさがいっそう増さった。   ものガ ものニ/ヨリ まさる     兄の能力は弟より勝っている。  弟の体力は兄に勝る     日本車がアメリカの車に勝るところはどこか     私の芸が師匠の芸に勝るはずがない   ものガ ものガ ものニ/ヨリ まさる     兄は能力が弟に勝っている。      日本は先端技術がヨーロッパに勝っていた。   ものガ ものデ ものニ/ヨリ まさる     兄は能力で弟に勝っている。  弟は体力で兄より
869[まじわる]
  ものガ 交わる     二直線が交わる。  道路が  木曽川と長良川が    ものガ 所ニ 交わる     三直線が一点に交わる。   ▽この用法はまれ?      ものガ ものト (所デ) 交わる     この道路は国道一号線とこの先で交わる。     直線Aが直線Bと点Cで   線路が国道・川と    人ガ ものニ/ト 交わる     われわれは自然にもっと交わるべきだ。  山・海に   人ガ 人ト 交わる     その小説家は昔から彼らと親しく交わっている。  友・先輩と     彼は情婦と交わった。  異性・妖婦と
870[まつる]
  人・ものガ 人・ものヲ まつる     彼は祖先の霊を祭った。  神社が霊を  魂を     乃木神社は乃木大将を祭っている。  靖国神社はA級戦犯を祭っている     戦死者はここに祭られている。   人・ものガ ものヲ (所ニ) まつる      あの神社は鏡を御神体として社殿に祭っている。 剣・神木を      熱田神宮は三種の神器を祭っている。   
871[まどわす]
  ものガ 人・ものヲ まどわす     デマが国民を惑わした。   教師の失言が生徒を マスコミが人心を     彼女の魅力が男の心を惑わす。  うわさ・流行が     敵の陽動作戦に惑わされるな。   人・ものガ (ものデ) 人・ものヲ まどわす     男は甘い言葉で人妻を惑わした。  女が美しさ・色香で     政治家が甘言で国民を       
872[まなぶ]
  人・ものガ 人・ものニ/カラ ものヲ 学ぶ     彼は先生から柔道の精神を学んだ。     学問の方法・バイオリン・化学・経営哲学を     彼はアリの知恵に人生を学んだ。   人は歴史から教訓を学んでいる。     彼女はその経験によって大事なことを学んだ。  動物の行動から   人ガ (ものデ)ものヲ 学ぶ     テレビで外国語を学ぶ  本・ラジオ・テレビ講座・大学で 茶道・ヨガを   
873[まぬがれる]
  人・ものガ (ものデ) ものヲ まぬがれる       彼は時効で罪を免れた。     新しい治療法の発見によって多くの人が死を免れた。     政府が民間の協力で感染の拡大を  車が衝突を     飛行機が墜落を        罪・責任・訴追・難・当番・事故・出費・借財・溺死・感染・けがを   所ガ ものヲ まぬがれた     彼の家は類焼を免れた。     堤防が損壊を免れた。  学校が床上浸水を  ▽「まぬかれる」ともいう
874[みたす]
  人ガ ものヲ (ものデ) みたす     水でコップを満たす  酒で杯を     物資の不足を輸入で充たす  生産増加で需要をみたす     暴露記事で読者の好奇心を  募集条件を充たす候補者    人ガ ものニ ものヲ     水槽に水を満たす  浴槽・バケツに  杯に酒を  
875[みだす]
  人・ものガ ものヲ 乱す     子供たちが列を乱した  隊列・足並みを乱す   順番・順序を     愚か者が秩序を乱す  風紀を乱す行為  風俗・規律を       首相の不注意な発言が党内の結束を  
876[みだれる]
  ものガ 乱れる     大雨でダイヤが乱れた  秩序・規律・風紀が  列・足並みが  順序が     風で髪が乱れる   乱れた服装・ことば
877[みちびく]
  人・ものガ 人・ものヲ ものニ/へ 導く     消防が群衆を安全な場所に導く  係員が車を駐車場に手際よく導く     流れ星が人々を目的地へと導いた     小さなミスが彼を破滅へ導く  彼女の努力・彼のシュート・労働者の勤勉さが     事業を成功に・チームを勝利に・国を繁栄に・実験を失敗に
878[みちる]
  ものガ 満ちる     潮が満ちる     人・ものガ ものニ 満ちている     彼女の顔は自信に満ちている  表情・声・ことばが  希望・好意・悪意に     貯水池に水が満ちている  狩り集められた聴衆は会場に満たなかった     街が花の香りに満ちている(街に花の香りが)
879[みなす]
  人ガ 人・ものヲ ものト みなす     高校生を大人と見なす   その服装を規定違反と見なす     3編の論文を基準を満たすものと見なす
880[むくいる]
  人ガ 人・ものニ      人の恩に報いる  人の親切に       国は老研究者の長年の功労に勲章で報いた  功績に  褒章によって
881[むす]
 人ガ ものヲ 蒸す     蒸し器でまんじゅうを蒸す  ご飯を蒸す  タオルを蒸す  ものガ    今夜はひどく蒸しますね
882[むらがる]
 人・ものガ ものニ 群がる    客が安売りのワゴンに群がる  ハイエナがシマウマの死体に群がる    鳥・カラス・ハエが  道に落ちたお菓子にアリが群がっている
883[めいじる]
 人ガ 人ニ ものヲ 命じる    社長が社員に出張を命じる  役所が企業に3か月間の営業停止を命じた    審判が選手に退場を  大統領が側近に警備の強化を  親が子供に庭掃除を    将軍が部隊に総攻撃・突撃・反撃・退却を   人ガ 人ヲ ものニ 命じる    会社が彼に課長(の職)を命じた  人ガ 人ニ 文ヲ/ト/ヨウ(ニ) 命じる    師匠は弟子に、まずよく見ることを命じた    将軍が兵士に突撃せよと命じた    社長がライバル会社の新製品について調べるよう部下に命じた
884[めくる]
 人ガ ものヲ めくる    本のページを指でめくる   カレンダー・新聞を  書類をぱらぱらと     シーツをめくると、ふとんに血の跡があった   床板をめくって床下を調べた
885[めぐる]
 ものガ 巡る    季節が巡り、また春がやってきた  月日が巡る     因果は巡り、悲劇が起こった  人・ものガ 所ヲ 巡る    バスで名所を巡る  諸国・各地を巡る  タクシーで  修学旅行で    血液が体内を巡る    社長の椅子を巡って争う  大臣の進退を巡って議論が沸騰した
886[めざす]
  人・ものガ 所・ものヲ 目指す     青年は荒野を目指す     プロジェクトチームは目標の年内達成を目指している。     受験生が一流大学合格を  チームが優勝を  委員会が問題解決を     会社が事業の拡大を  登山家が山の頂上を目指す   
887[めだつ]
  人ガ/ニ ものガ 目立つ     彼は最近白髪が目立つ。     彼女には欠点ばかりが目立つ。  美貌・長所・短所が   ものガ ものガ 目立つ     ネズミ色はほこりが目立つ   白は汚れが目立つ   ものガ 目立つ      彼は仲間内で目立っている   富士山・東京タワーが遠くからでも目立つ
888[もうしでる]
  人ガ 人・ものニ 申し出る     参加希望の方は受付に申し出てください。     志願者・目撃者が 担当者・大学・警察に 申し出る   人・ものガ 人・ものニ ものヲ 申し出る     篤志家が大学に寄付を申し出た。     大臣・学生・日本が 首相・大学・アメリカに     辞任・退学・意見・希望・輸出規制を   人・ものガ 人・ものニ 文ト 申し出る     彼女はぜひ自分にやらせてほしいと上司に申し出た。
889[もぐる]
  人・動物ガ ものニ 潜る     モグラが土に潜った。 子供・貝・虫が 水・砂・海・川・水の中・土の下に   人・動物ガ ものニ/へ 潜る     猫がベッドの下に潜った。  穴・ふとん・ふとんの中・机の下・縁の下に   人・ものガ ものガ 所ニ/へ 潜る     子供は靴が雪の中へ潜ってしまった。     オートバイの車輪が雪の中に潜ってしまった。     足・車体が 水の中に  
890[もつれる]
  (ものデ) ものガ もつれる      風で髪がもつれた。   糸・毛糸・釣り糸・ひもが もつれる   (人ガ) ものガ もつれる     選手は足がもつれた。     酔うと舌がもつれる      (ものデ) ものガ もつれる     利害感情で交渉はもつれた。     話・事件・感情・人間関係・試合が もつれる
891[もてなす]
  人・ものガ 人を (ものデ) もてなす     彼女は彼を手料理でもてなした。     会社が客を珍しい料理でもてなす      快い音楽と飲み物で  
892[もとづく]
  ものガ ものニ 基づく     両国の争いは誤解に基づく。     この名称はN博士に基づいている。     社の規定に基づいて扱う。     習慣・戦争・話・判決が 伝統・民族対立・仮想・法律に 基づく
893[もむ]
  人・ものガ ものヲ もむ     ちょっと肩をもんでくれないか。     若い人は社会の中でもまれて、一人前になっていく。      足・腰・肩・体を 目のまわりを 硬い紙を キュウリを塩で      手を  気を   
894[もめる]
  人・ものガ ものデ もめる     兄弟が遺産相続で揉めた。     国会が予算案で  家の中が財産問題で  労使間がベアの数字で     試合が審判のジャッジミスで
895[もよおす]
  人・ものガ ものヲ 催す     大学はB氏の講演会を催した。     送別会・同窓会・会を     人ガ (ものニ) ものヲ 催す     彼はその光景に哀れを催した。     会議・彼女の態度・その情景・彼女の顔・彼女の歌・彼の笑い顔に     眠気・涙・吐き気・劣情・寒気を 催す     便意を催す
896[やわらぐ]
  ものガ 和らぐ     やっと寒さが和らいできた。     彼女の一言で緊張が和らぎ、その場の雰囲気が和やかになった。      暑さ・痛み・風・気分・気持・口調・心・残暑・表情・不安が 
897[ゆがむ]
  ものガ (ものデ) ゆがむ     壁が湿気で歪んだ     風でネクタイが歪んだ     飛行機の通過でテレビの画面が歪んだ     機械の故障で映像が歪んでしまっている   人ガ ものガ もの二/デ ゆがむ     彼はあまりの頭痛に顔が歪んだ   唇が     苦痛・苦悩・悔しさで   人ガ ものガ ものカラ/デ ゆがむ     彼は複雑な家庭環境で性格が歪んでしまったらしい。     親の影響でものの見方が歪んだ  
898[ゆきづまる]
  人ガ ものニ ゆきづまる     彼は説明に行き詰まった。      先生は研究に行き詰まっている。  政策・制作・仕事に   ものガ (ものデ) ゆきづまる     事業は資金不足で行き詰まった。  交渉・運動・話し合いが 意見の対立で
899[ゆびさす]
  人ガ ものヲ 指さす     遠くの山を指さして、「あれがあだたら山」と教えてくれた。     僕を指さして、「あんたが悪い!」と突然言い出した。     看板・一番星・足跡・自分・窓の外・胸の名札・離れた所・反対側・向こうを
900[ようする]
  (人・ものガ) ものニ ものヲ 要する     この計画は実行に多くの予算を要する     政府がこの事業に人手を  回答に時間を  決断・一考を 要する   ものガ ものヲ 要する     事態は急を要する。     この患者は手術を要する。  問題が十分な検討を
901[よこす]
  人ガ 人ニ 人・ものヲ 寄越す     長く会っていない男が急にメールを寄越し、会いたいと言う。何だろう。     あの店のおばあちゃんは、時々忘れた振りをして釣り銭をよこさないことがある。      お祝い・応援・金・業者・車・代金・便り・使い・釣り銭・手紙・返事・連絡を
902[よびかける]
  人ガ 人二 文ト 呼びかける     彼は友人に大声で「ちょっと来てくれ」と呼びかけた。     警官は犯人に「早く出てきなさい」と呼びかけた。  素直に投降するように   人・ものガ (ものデ) 人・ものニ ものヲ 呼びかける     市の防災課は街頭スピーカーで住民に注意を呼びかけた。     政府は国民に省エネを呼びかけている。     テレビ・ビラ・プラカード・電話で  視聴者・参加者・野党に     募金・協力・参加・結束・理解・節水を
903[ろんじる]
  人ガ 人ニ ものヲ 論じる     教授が学生に哲学を論じる。  封建制度・文学を   人ガ ものヲ 論じる     彼らは深夜まで文学を論じた。 二人・記者たち・彼と友人が   人ガ 文ト 論じる     彼はだいたいこの世の中がおかしいんだと一人で論じていた。     政府の方針は誤っていると
904[わきまえる]
  人・ものガ ものヲ わきまえる     彼は道理をわきまえている。     彼の態度は場所柄をわきまえていない。  彼の服装が     礼儀・人情・時・正邪・利害・自分・公私の別・限界を
905[わびる]
  人・ものガ 人・ものニ ものヲ わびる     彼は友人に無沙汰をわびた。     加害者が被害者に  公害企業が被害者団体に     過ち・至らない点・我が子の罪を   人・ものガ 人・ものニ 文ト わびる     彼は我が子に「すまない」とわびた。
906[わりあてる]
  人・ものガ 人・ものニ ものヲ わりあてる     母が子供たちに家の仕事を割り当てた。     政府が各省庁に予算を割り当てる     仕事・役・分担・寄付金・部屋・時間を
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